セリス・リヴィア
次の日俺は昇格試験の練習も兼ねて森へと魔物狩りに出掛けた。
「んー、あんまり魔物が居ないな。いるにはいるけど練習にならないものばっかりだしな」
そんなことを呟きながら薄暗い森の中を歩いていると遠くの方で誰かが戦闘している様子を感じた。
走って見に行くとそこには森の木漏れ日によって照らされた美しい女性がホブゴブリンと戦っていた。
戦況は女性側の圧倒的有利で、いつでも倒せそうな様子だったが敢えて色んな技を試しているようだった。
そして暫くしてホブゴブリンは力尽きで膝から崩れ落ちる。
「ふぅ、色々してみたけどやっぱりいつものがベストね」
「まあ、いいじゃないたまには」
「仕方ないじゃない、この森弱い魔物しかいないもの」
なんだか独り言が激しいなこの人
「で、そこで覗き見している変態さんは何の用かしら」
げっ、バレてる
「いや覗き見してた訳じゃなくて、俺もこの辺を探索してたら君がいただけだよ」
「変質者は誤魔化すのがお上手な事で」
「いやだから、別に自分から見に来たわけじゃなくて、音がしたから見に来ただけだってば」
「ふん、ならさっさと消えてくださる?」
「ああ、言われなくてもな」
「まあ、口の悪いこと」
俺はそのまま振り返ってその場を後にした。
あいつ独り言激しい癖にプライド高いとか面倒くさ過ぎるだろ
イライラしながら散策していると地面が揺れる。遠くの方で大きめの戦いをしているようだ。揺れ方からしてクリスタルウルフレベルではないが割とヤバい部類の予感がして急いで駆けつける。
するとそこには4メートル越えのレッドオーガとブルーオーガがさっきの奴と戦っていた。
あいつは俺に気づいたようなので俺は立ち去ることにした。
「ちょ、ちょ、ちょっとお待ち、こんな状況でか弱い女の子を置いて行くなんて貴方がほんとに鬼ですか!」
「いや、ちょっと見てただけで覗き見変質者扱いする君の方も中々の鬼だよ、それじゃ」
「さすがに大型オーガ2体は少しキツいですー、助けて下さいー」
はぁ、なんなんだこいつは
都合のいい時だけ助けを求めるってどんなご都合主義だよ
と内心文句タラタラしていると
ウガアアアァ
直径3メートル位の岩を投げつけてきた
「はぁ、今回だけだからな」
『属性変化(斬撃)』『縮地』
スパンッ
岩を真っ二つに斬り、そのままレッドオーガへ斬り掛かり、右腕を斬り飛ばす。
ウガアアアァアア
ゴガアアアァァァ
ブルーオーガが殴りかかってくるが遅い
『衝撃波』
グホォォ
衝撃波がブルーオーガを正面で捉えて右目が斬られ、胸部全体から鮮血が吹き出す。
『縮地』
ブルーオーガが怯んだ隙にそのまま身体を真っ二つに斬りトドメを刺す。
グ、グォオ
レッドオーガも仲間が呆気なく殺られたことに動揺しているようだった。
その隙が命取りだ、『縮、『ウィンドスラッシュ』
え?俺の縮地並に速かったぞ今
ってそんなことよりこいつ、俺が縮地でオーガを斬ろうとした瞬間あいつが横から入ってきたせいで無理やり横に避けて、背中が樹に直撃した。
「いっだ、何してんだお前」
「ふん、これで貸し借りはチャラですね」
「チャラなわけあるか、アホかお前は」
「誰がアホですって?」
「いつつつ、俺がピンチならまだしも別にあのまま殺れたのにお前が横から来たせいで変に避けて樹にぶつかってんだよこっちは」
「あなたに借りを作りたくなかっただけよ」
「むしろ、これで更に借り1つな気がするのは俺だけか?」
「はぁ?倒してあげたのに借りになるわけないでしょ」
「ああ、もういいよお前話通じないし」
「なんですって、あと私お前じゃなくてちゃんとセリス・リヴィアっていう名前があるの」
「へぇ、そうかい世界一興味無いね」
「減らず口ねあんた」
「お前も中々だぞ」
「もういいわ、私帰る」
「おう、まじで早く帰ってくれ」
「きぃーーー」
まじなんだこいつ、五月蝿いしアホだし
後で聞いた話だがこいつも昇格試験を受けるらしい。
...試験、面倒くさくなってきた、




