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落ちこぼれ剣士と地味すぎるスキル

この世界には、「職業」と呼ばれる、生まれ持った能力や適性に基づいて決められる生涯の役割があった。

それは単なる仕事や肩書きを超え、個人の人生を大きく左右するものだった。


街の中央広場は今日も賑わっている。

十五歳の誕生日を迎えた若者たちが、胸の高鳴りと緊張を抱えて集まっていた。


「次はカイ=ロウガさん」


俺、カイ・ロウガは、ぎこちなく鑑定台に歩み出る。

冷えた水晶球に手をかざし、深呼吸をする。


魔力が流れ込み、水晶は青白く輝いた。


【職業:剣士】

初期スキル:《縮地》Lv1

攻撃力:120(+α)

防御力:80

素早さ:100

魔力:20

耐久力:90


鑑定士が眉をひそめ、小声でつぶやく。

「……この攻撃力の表記は珍しいな……何か特殊な因子があるのかもしれん」


後ろから仲間候補たちのざわめきが起こる。


「攻撃力120にプラスアルファって何だ?」

「剣士なのに移動スキルだけとか、地味すぎるよな」

「まあでも耐久は申し分ないし、スキルも後々増えてくるでしょ」

俺は肩をすくめて苦笑した。



それから一年。

魔法使いリナは強力な魔法を次々と習得し、盗賊ジンは多彩な攻撃スキルを磨いた。

盾役ドルガンは仲間を守る鉄壁の防御術を極め、パーティの要として輝いていた。


しかし俺だけは、たった一つのスキル《縮地》しか持っていなかった。


「ねえ、カイ、前衛でちょこまかするの邪魔だからやめてくれない?」

「え、でもそしたらモンスターが、」

「ドルガンがいるから要らないわよ、あんたは敵が見えなくてむしろ邪魔」

「それに俺ほどの耐久力もないし、いらないよ」

「でも、俺の役割は相手を引きつける、」

「正直お前が居なくても勝てるし」

「え、、」

「みんな優しいな、ハッキリ言ってやれよ」

「お前、パーティの足を引っ張ってる」

ジンは冷たく言い放った。


「もう一緒に来るな」

ドルガンの言葉は重かった。

「早く荷物まとめて出ていけ」

俺は仲間たちの冷たい視線に押しつぶされそうになりながら、何も言えずにいた。


それでも俺は日銭を稼ぐために仕事をしなければ行けなかった。

翌日、俺は革鎧と安物の剣だけを携えて、一人森へ入った。


1人でも討伐可能なゴブリン狩りへと俺は出かけていた。

湿った土の匂い、風に揺れる葉の音。

黄色く光る瞳がじっと俺を見つめている。

1匹のゴブリンが俺へと襲いかかってきた。

《縮地》を使い、一気に距離を詰めて敵の懐に飛び込む。

剣を振り下ろし、骨が砕ける衝撃が腕を伝わる。


「……あれ?」


「こんなに強かったっけ?俺」

普段よりも重い、違和感のある手ごたえ。

「今までこんなこと無かったのに」

「ソロだと発揮される力とか?そんなわけないか」


その後は特にこんな事はなくサクッとゴブリン3匹を狩って1日が終わった。

ーーーーーーーーーーーー


少女のような声がふわりと響く。


???「ねえ、そろそろあの子の時間じゃない?」


少年の声が、くすくすと笑う。


???「そうだな、まだ気づいてないけどね。自分が何者か」


少女は軽く舌を出しながら言う。


???「まったく、いつもノロマなのよね。困ったもんだ」


少年は少しだけ顔をしかめる。


???「でも、見てて飽きないよ。世界の片隅で必死にもがいてる」


少女が不意に声を低くして言う。


???「それにしても……あの攻撃力の数字、ちょっと変じゃない?やりすぎよ」


少年が目を細める。


???「彼には強くなってもらわなきゃ困るのよ。仕方ない仕方ない。」



少女は軽やかに笑いながら付け加える。


???「何がともあれ、彼がどこまで強くなるのか、楽しみね」


――二人の笑い声は、星空に溶けて消えていった。

初めましてkkです。小説などを書くのも初めてなので至らない所も多いと思いますがよろしくお願いします。

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