ファストストーリー・ザ・ホリデイ2 カップリング成立回‼️
時間が掛かってしまい申し訳ありませんでした
今回は私として初めての恋愛ものですよ 恋愛もの!!
ずっとはぐらかしてきたカップリングをそろそろ決めます!!
ではっ! 本編どうぞ!!
ヴオオオオーーーーッッッ!!!
ヴオドドドドドドドーーーーー!!!!
峠、ダウンヒル、限界の無法走行、NEWマシン、金持ち若者、スリル、目立つ、カッコ良さ
ドュッ パッン! ドッ!デウゥゥゥッッ!!
デゥ ボォウッ グドッ!ギュヤアアアアア!!!
ほぼ同時に各国で行われた、
交換式自然吸気原動機付き底接地型非浮遊乗用機
「車」
多種類の発表
ギャアアアアアア!!!!!キャキャキャキャ
ゴガアアアアアア!!!!!ギュッ!ギュッ!
ある程度の経済力、 若さを持った者達に爆発的に流行した
これほどのわかりやすい特徴を持てば当然である
学校周辺の演習林や一般道、とりわけ林道や峠道で連日連夜走り込む
ゴッ! ギュガッ… カアアアアアアアアアンッッッッ!!!!!
ドゴギョオッ!! グギャリギャリギャリギャリッッッッ!!!!
プシュウゥゥゥゥ………
走り屋の時代である
キュギュウゥゥゥ…… パガパッ…
「か、… 勝ちましたあ〜 あ、あれ? 私のお相手の方は?」
ガルウィングを装着したrx7から小柄な、いかにもお嬢様といった風貌の少女が降りる
先程相手はこの少女に全くついていけずコーナーからの脱出地点で盛大に擦り、衝撃でパイロットとワルツに損傷が出た
しかし、前半数コーナー以外は全て後ろにいた相手
わざわざ気にしているはずはなく、少女は全く気づいていない
「えぇっとぉ〜… わ、私が何か…? あっ! あのお相手の方はどうされたのですか?」
気づけば周りから いかにもな感じの絶妙な走り屋どもが現れ、 少女は聞く
「どうしたもこうしたもねえっ! リーダーはワルツと一緒にグロッキーさ!
俺達はオメェみたいなヤツに負けたって、言いふらされちゃたまったもんじゃねえぜっ!!」
「ちょいと痛い目見てもらうかあ!?」
「わ、私 そんなっ 言いふらしたりなんかしませんわ!?」
「どうだがなぁっ!!??」
こういった事も各地で頻発し、その対処の必要性に駆られた時代でもあった
イマイチあらゆる面で定まっていない文化というのは、あるいは仕方ないのかもしれない
ビュオオッッ!!!
ブォンッ! ドドドドッッッッ!!
「フグゥッ!?」 「グヘッ!」「ガッ…!」「オガーッ!」
しかし、そこまで放任主義でも無責任でもない
颯爽と現れ、手刀で超弱い殴列波 (1*)を撃ち一瞬で気絶させ、
「さてさてお嬢さん、 もう大丈夫ですヨォ」
「あ、 え? あっ! き、騎士様!? まさか、レースの取り締まり!?
私の車っ! RX7だけはっ! 罰金でもなんでも払いますからこれだけはっ!!」
「フフフ… なかなかの車好きね
安心して 私の仕事は、取り締まりは取り締まりでも
さっきみたいなチンピラどもの相手よ
にっしても、速いじゃないの 貴女
まっ、悪いのはあっちだけど… 貴女も人や場所を見てバトルするのよ? もし相手が騎士なら相当な厄介ごとになるわ」
「は、 はいっ! えぇっとぉ…」
「あれね、 最低限走りながらでも周りは見て 相手に何かあれば戻る それかその腕前で逃げる 気をつけてね?」
「ち、 違います! あのっ… 先程の相手の方、 助手席に乗っていたのはワルツ……
恐らく、騎士ですっ!」
とてつもなく切羽詰まった風に少女が言う
ようやく状況を理解し、仲間のガラの悪さから運転手も似たような者だと考えたのだ
つまり、この少女は周りを見て判断した
ミトンの指導をすでに実践し、成長していると言える
とは言え、当のミトンはこれと言って反応はない
「うえぇ〜〜〜」
……いや、あからさまにクソ面倒くさそうである!!
しかしここはミトン 女の子のためならばと一瞬で切り替わる
「さっきも言ったわよ
安心してって、ね? ……んっ!?」
ガサガサガサガサガサ シュッ ビュオオッッ!!!
先程事故った騎士が茂みから登場
スパッドを抜いている
シュカッ!!
ドススッ!
「ぐうむっ…!」 ドサッ……
すかさずミトンがスライダーを投げ(スタンモード)気絶させる
「あっぶないわねぇ
あんな雑魚騎士でよかったわ」
「はっ!」 ドキンッ!
ミトンはそう言うが、こんな雑魚でも一般人からすれば全く動きが追えないのだ
ついでにミトンが強すぎるのもあるのだが、なんにしろ先ほどのようなチンピラ騎士も多く、現在のミトン達のような自警団が必要になるのである
「それにしても、 あの騎士、ワルツ置いてきたのかしら?
まったく、 クソ野郎ね
まっ、 そっちは仲間に任せてるし大丈夫よ」
「あっ、 其方も助けていただけるのですね?」
「んっ? あぁ、ワルツ "は" 助けるわよ
なんたってワルツの生産には時間が掛かるし、工場製でも毎年の国への分配は決まってるし…
残念ながら今回のワルツはシリアル調べて、あのチンピラん家に返すわよ
このクズどもは知らないけど……
さてっ、私は帰るけど… 貴女どうする?」
急に話を振られ、ミトンお馴染みの吊り橋即堕ちで顔真っ赤な少女がタジタジで答える
「あ、 えっと… わ、わわわ私っ!……
あっ! ありがとうございましたっ! た、助けていただいて…… えっ!? あ、あのっ!」
「うん?」
「あの方達、 先程斬った…のですか? えぇっと、 大丈夫なのですか?」
「……えっ?」
「あわわわわ す、すすすみません! 申し訳ありません!!! 騎士様のする事に私のようなものが口出しなどっ!!
きっと… 私達には到底推し量れないお考えの元と か、考えますううっ!」
「プッ…! ンッフフフフフ」
「へっ…?」
てっきり地雷踏んだと考えた少女が、突然のミトンの笑いにキョトンとする
「ごめんごめん さっきのは超超ゆる〜く撃った素手の殴列波よ 悪くて脱臼とか転けて骨折だけよ
騎士の方はスライダーのスタンモードだから気絶だけね
……それに… いや、 それにしても貴女、なかなかの優しさね お人よしとも言っちゃう?」
ミトンは「そんなにかしこまらないで良いヨ」と言おうとしたが、カーリーとフレクからの以前の教えを思い出しグッと堪えた
ミトンの行動の性格上どうしても人付き合いは広くなり、厄介ごとも多い
つまり、先ほども言ったミトンお得意、吊り橋即堕ちが起きやすい
こういった場合が多いのだ
少女、 メンツ国の商人の娘 財力はそれなり 一般人から見れば金持ちという程度である
名を、 ふじわら マツリ という
「わ、わわぁ私 学生でっ… ええっと、 ふじわら マツリっていいます
私、… みたいなのが…… 恐れ多いのですが、
是非、お名前を… お聞き、したい です」
一般人と職業騎士の間には、 つまりこの様な差があるのだ
そして、その差の中であくまでもフラットなのがミトンであり、それのせいで周りは、楽と言えば楽だがハラハラしっぱなしであるのだ
「あっ、 確かにまだ名乗ってなかったわね
私はレーダー O=ミトン 近くの国際騎士学校の学生
ミトンって呼んでね」
もちろん騎士は威張り散らす者達ばかりではない
真っ当な精神修行も受けた者や一般家庭出身の騎士はそれなりにフラットである
しかし、どの階層、どの精神性の者も生まれた時からの"当たり前"による、 物事への"理解"があるのだ
『庶民と騎士ではまったく住む世界が違う』
それがあるから、
カーリーはそれに準じる事を誇りとした
フレクはミトンというよりどころを見つけ、 それを君主とした
コフレはあくまでも姉に、しかし社会は当たり前に受けとった
エイトーには、まだ 無い…
ミトンの様な騎士は一般的な庶民の少女からすれば、詰まるところ……
颯爽と現れ助けられ、強く、それでいて自分の様な平民にも底なしにフレンドリー
さながら少女漫画の騎士様である
この世界では実際の騎士と少女漫画が共存するため、
フィクション内での騎士はジャンプ系主人公の様な元気風なキャラな事が多いのだ
そして、ミトンは案外 というより、相当な美形である
惚れられない要素がない
実際、マツリの目にはありえないほどのキラキラ輪郭で超美形クソデカ眼球王子様系騎士に見えている
その様子を見て、天然たらしついでに実質的な鈍感であるミトンは何のことかさっぱりである
「ねぇ」
「うえ〜〜」
「ねぇってっ」
「はっ!? えっ? あぁあっ…! すぅ、すみませんっ!」
とぼけてしまったマツリを気づかせる
「えぇっとぉ… 好きです
………… あっ ……」
「んっ?」
つい言ってしまったマツリ
__________________________________________
「はっ… ァンハッ!ハッ!ハッ、ハッ!
ングッ ごめんなさいっ…
ごめんなさいっ ごめん、ァッハッ… なさい……
い… いやっ!…で、す だめですっ…! だめ……」
突然過呼吸になり、目を見開き涙と鼻水を垂らしガタガタ震えている
明らかに異常である
マツリは本来相当に内向的で自分に自信がない、それでいて人より少し強い意志を持つ
誰かを好きになり、 何より告白など全くの未経験である
そんなことはとても考えられない
車関係は例外なのだ
あまり強い人間ではない
そんなマツリが、職業騎士 それも(マツリなりに比べて比べ)圧倒的可愛さ 強さ 人懐っこさ
さらに、名前を聞いて気付いたことで、自分の最も愛する最高の友『RX7』 を含めた全ての車の開発者その人なのだ
まるで追いつけない、見えない、考えられない、釣り合わない
何もかもが釣り合う訳のない
「まったく違う世界の住人」 更にその中のエリート
その認識にマツリの性質が加わることで 当然こうなる
自分は何を言っているのか と
ミトンはミトンなりに理解し、 ミトンなりに考え、 ミトンなりにこのあまりにも純粋な告白に向き合う
ミトンからすれば、別に好意だけ受け取り流してしまえば良い
断る理由はない、 が、 同時に承諾する理由もない
本当に今会ったばかりの二人
好きや嫌いがまだわかるはずがないのだ、 とわいえ
まずは落ち着かせることが先決であろう
「大丈夫、 大丈夫よ 落ち着いて、ネ? そこまで真っ直ぐ言われると、 嬉しいナ…
うぅん… 私、貴女のこと、 もっと知らないといけないみたい
ねぇ、 ちょっとドライブ行かない?」
そして、それを陰から見るカーリー、コフレ(騎士の二人は個別パトロール後合流した)
「いやいやいやいやっっ!! そうじゃないでしょミトンっ! アレじゃあ"また"よぉ!!」
「そうですね〜 ミトンさんってアレでガチ童貞思考だから 「あれっ! もしかしてアイツ俺の事好きなんじゃねっ!?」 ってすぐ反応するのに
ちゃんとした好意にはてんで鈍感ですよね〜
……んっ?
いやいや、 今回は向こうの好意をミトンさんも理解してるんで……
ヤバいんじゃないですか!? アレって私達ピンチなんじゃ!?」
「……落ち着くのよコフレ! まずは少し邪魔してみるわよ」
(というか、さりげなくコフレもミトン狙ってるのね……)
プルプルプル…… プルプルプル…… プルプル…
しゃがんでマツリに目線を合わせて頭を撫でているミトンが電話に気づく
「誰… カーリーね…… ねぇマツリちゃん ごめんね ちょっと待ってネ」
「はい」 「あっ ミトン 今日は引き上げよ 周辺の警備も他が終わって…」
「うんぅ〜 ごめん先帰ってて 私ちょっと用事が……
あっ、 ねぇ 大丈夫よマツリちゃん フフッ 落ち着いてきた? そろそろ、 行こっか…?
ん、 カーリーっ 切るわよ?」
「あっ ミトンっ! あんた待ちなさいよっ!?」
プツッ ツゥー…ツゥー…
「……… ダアアアア!!! アイツ イチャつき聞かせてから切ってきたあああ!!!」
「クソおおおおおお
はっ! 姉御! 静かにっ 気づかれます!」
二人がジタバタしている が、今度はこちらの携帯が鳴る
デゥロロロン デゥロロロン デゥロロ…
ピッ!
「はい… ミトンっ!? どうしたの…
うん、 うん、 えっ、何で私が! ……はあぁ わかったわよ」
「姉御?」
「全くミトンは〜 ところで姉御って…… アイツ、自分の車持って来てあの子のRXをトランポしてくれだってさ………」
「それOKしたんですかぁ?」
「しょうがないじゃない! 結局アイツは誰かを助けるのが最優先…… それって、最高に騎士じゃない………
それは、そうと……」
「はい 恋する乙女からすればたまったものではない、ですね?」
クソオオオオオオッッッ!!!!
遠吠え、 画面引き からのエンディング
――――――――――――――――――――――――
Cパート
ヴヴオオゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!
ジュウンッ! ヴォオパパパパパパ
キュキュッ……
「あ、 あの… 本当に良かったのですか?」
「良いの良いの 明日でももっと後でも取りに来てくれれば良いから
学園行って、 私の名前と預かってる車取りに来たとでも言えば大丈夫よ
あ、 ガレージ番号は5の10番だヨ」
「は、 はぃ……」
一応話はしっかり聞いているが、 完全に舞い上がっているマツリ
何が何やらわかっているのかいないのか、 である
それなりに落ち着いたマツリがようやく話し出す
「あ、 あの… 私、 先程は急に… あんな事言って……」
「……ん」
「やっぱり、 おかしいですよね… 私みたいなのが……
こんな、 運転まで、させてしまって…」
「…………」
「こうやって、 横に乗らせていただいてる事も、 私のような者には一生縁の無いはずのもの… だからっ……」
「着いたわよ」 「え…?」
「パトロールの後はここがお決まりなの
それに、地元警察でも色々整ってきて 自警団の活動は今日で最後だったのよ
もちろん、それなりにユルいからまだまだ走れるとは思うんだけどね」
「……はい、」
バカッ… サアアァァァァァ 「……ん、」
ドアを開けると少し冷たい風が吹き抜ける
そして、
「……… 綺麗」
思わず言う こういうドライブデートのど定番
夜景スポットである
「この景色 凄いわよね」
「は、 はい そう、ですね!」
「ビルの上からじゃない、 街全てが見渡せる
あんなに凄い建物だらけで、 この景色って 絶対にもう変わらないんじゃないか なんて思えてくるのよ」
「あっ、 何だかそれ、 ちょっとわかります
街って、 木の根っこみたいに見えて…
伸びたり広がったりするんですけど、 それでも凄くゆっくりで、 たまに見るだけなら気づけない
だから変わらない景色…… 世界」
「でも確実に変わるし、 変わっている
建物の周りで見える光
アレは以前はフローターで、 今は車で…
私が変えた あの変わらないはずの世界…
私が変えた それは何より面白くてカッコよくて、 そして恐ろしい」
『これが始まり
だから今も私はここにいる
だから私はここから見ている
私の変えた世界 私の作った世界
行く末を見届けるために 正しく末へと行き着くために』
「え? あの、 ミトン様 何か言われましたか?」
「はっ…! あれ、 何だか……」
「いえ… 気の、 せいだと… 思います……」
時空を超えての相槌 これを聞けるのはマツリのある特殊な才能によるものなのか
マツリにとってこれほど忌々しいものはない
しかし同時に、やはりミトンは何か大きな、 とても普通ではない何かがあるのだ とも理解した
自分などには…… と
「ねぇ、 一目惚れって… やつ? フフッ 自分で聞くの、恥ずかしい わネ」
「……… やっぱりあれはっ……!!」
「ねぇ、 自分じゃ釣り合わない なんて言っちゃう?
これこそ自分で言うのはなんだけど……
実は、私ね… つい最近騎士になったの
物凄い田舎に居てね 騎士の血が出たんだけど、ずっと昏睡で… だから記憶とか常識がわからなくって この立場に着いたのは入学前で…
だから騎士だ 騎士じゃないって… 理解出来ても、頭ではわかるんだけどね……」
「え…」
「私はナイトマスターになる
そんなの、誰でも考える子供の夢、 らしいんだけど、
私みたいなのが、 本気で目指すことになってるのよ
おかしいでしょ?
今、 初めて、 自分で宣言したの……」
「これで、 貴女と同じヨ」
「あっ!」
「今度は貴女のこと、 聞いても、いい?」
「あっ、 えぇっと」
「もちろん 無理にとは言わないヨ?」
「い、いえっ…… はい… 私、近くの街の商人の家の長女で… 他の方々よりある程度裕福と言う事もあって、それなりに昔から… えぇっと… 色々あっなのです
それに私は… 何をやってもダメで、 気弱で勉強も運動も 家の商売の才能もイマイチで……
で、でもっ! 車はっ、 車だけは!!
いつもダメな私が! 騎士でもエフェクターでもない私が!!
ここでならっ!!!……
…………………そんな私で、 き、騎士様に… 車の、気分が残ってたんですかね…… つい変な事言っちゃって……」
ミトンとしては予想外な反応であった
これで勢い付けてあげたつもりなのだ
ストレートにわかりやすく言ったはずであったのだ
言い方を変える
「……ありゃりゃ 私の言い方がマズかったわね
貴女は私に思いを伝えて、 私は車とナイトマスターよ
お互い 「自分なんかが」 って事に立ち向かった
だから…」
「でもっ! ダメなんです! だめ、 なん ですよ?
私は好きだと伝えただけで…
そんな騎士様みたいな事なんか何もっ!!
何もしてないんですよ!!!」
マツリが泣きながら言う 取り乱している
ミトンは落ち着き あくまでも優しく話す
「ならこう言うわ 貴女は、 貴女はは自分から見える届かないところに変化を与えた
私も、 私の立場から見える届かないものに変化を与えたの
この夜景を見て!
私は車でこの夜景を変えたっ!!
貴女はただ言葉で私を変えたっ!!!
今更なにを躊躇うことがあるっていうの
こんなにも純真で可愛くて カッコいい事って有ると思う?
もう、私の方が貴女に惹かれちゃってるわよ…!」
「うぅっ グスッ ンッ 騎士様ぁ 私、 私!
やっぱり騎士様の事がっ…!!」
結局のところ、マツリはミトンが好きだと最初に言い、ミトンもその好意を受け入れている
最初からカップル成立! で良いはずのところを、なかなか踏ん切りがつかないマツリを後押ししたのだ
ここまで来たら もはやミトンから付き合ってくれと言っているようなものだが……
「ねぇ 改めて?だけど…
私と、付き合ってくれる?」
スッと手を出す
そうである つまりはこれを言うための壮大な前振りだったのだ
しかし、それが簡単に言い出せない 筋を立てて話そうとするのがミトンとマツリであり その愚直さに互いに惹かれているのだ
今ミトンはシルビアの前に立っており、マツリはその斜め一歩前に居り向かい合っている
手を出そうとして直前で ピクっと止める
「私、 騎士様に言わせて… すみません 違うんですよね……
はい よろしくお願いします 騎士様 」
満面の笑みで言う
読者は思うだろう
どんな馴れ初めだ 話が強引だし訳分からん 会話テンポ悪すぎるだろ と
しかし考えて欲しい
高校生とか、 もっと言えば大学以下の全ての学校系に言えるが、 下駄箱に手紙で校舎裏に呼び出したり 前から好きだったとか なんかカッコいい、可愛い子が勝手に惚れられて告白されるとか
今まで気にしていなかった人から好意を伝えられ「あれ? 自分ももしかしてすきなんじゃないか?」 なんて
それで付き合い始めた場合、告られた方は告って来た相手の事をさほど知らないことなどザラである
こう言ってはナンだが、 おおかた雰囲気とか興味に流されているのではないか
ミトンは真剣である
実際ミトンは流れに流され
興味から告白をOKしている
しかし、そうだとしてもやはり ミトンはいたって真剣なのだ
自分ではわかっていないが、 この貴族や王族、あらゆる有力者やその子供とだけ関わってきたコチラでの日々に 正直疲れている
その中で自分の今までの常識、価値観を保つために そういった立場の人間を求めた
だから、 マツリのようないたって普通な それでいて純粋な町娘に惹かれるのだ
しかしこれは全てミトン自身も気づいていない、 意識の根本の現状であり、 だからミトンは真剣にマツリに惹かれているのだ
マツリの方は逆である やはり上流階級には憧れるし、助けてくれた事に加え、 強い 美形
なにより そんな夢の騎士様が自分の相手をしてくれているのだ
その事実に舞い上がっているからこそ、 逆に全体の状況が捉えられ、 先ほどの長い問答が生まれたのだ
しかし マツリもやはり真剣である 本質が例えただのイケメンへの高望みの一目惚れだとしても、
マツリ本人からすれば いたって真剣な あくまでも本気な好意と言葉を持っているのだ
ここで二人が付き合い始めも違和感はない
ここから二人で過ごす中でミトンはマツリを知ろうと、 好きになろうと努める
マツリもミトンのことを深く知り、 ミトンの持つ大きすぎる宿命と向き合いつつ 好きを深めていく
その過程で二人が噛み合わなかったり どちらかが飽きてしまえば
自然に、 もしくは盛大に 別れ話が展開されるだろう
高校生の恋愛など、 こんなもので良いのだ
話のテンポが遅いのも、初々しくも、ある程度言葉を知っている高校生ならこんなものである
だから二人は真面目に、 ごく自然に付き合い始めるのだ
シルビアにもたれ掛かりミトンがマツリを胸に抱き頭を撫でながら言う
「よろしくネ "マツリ" !」
「!! こ、こちら こそっ よろしくお願いします
ミトン様…!!!」
数週間後……
学園付近の河原
「ミトン様っ!! またよくもそんな他の女性の方達と遊んで!
せめて 私のいない出先とか仕事関係とかにしてくださいって何度言いわせるんですか!!」
「あっ…!! ま、 マツリっ!? 違うって 違うって!! この子はさっきローゼスターのケージで会って 近くで見たいって言うからサっ!!」
「じゃあなんでそんな腕組む必要あるんですか!!」
「いやっ! これはこの子が勝手にっ!!」
「問答無用ですっ! 石投げちゃいます!! えいっ!」
ビュッ! ガシッ!
「痛でっ! ちょっと待っ…」
「皆さんも投げてくださいっ!!」
シュバッ! ズラーー
「いや! その人達誰でどっから来たのよっ!? ていうか何で覆面っ!? えっ? 『読者』 ? 」
シュシュッ! ピュ〜ン ポイッ! ビュンッ!
「失礼!」 ガシッ! 「アンッ…!」
「変な声出さないでよお〜 イテッ! 痛っ!」
「その方を! まだやってもらってないお姫様だってして! やっぱり大事な方なんですねー!!」
「だって助けないと石当たるでしょうーー!!」
「あぁ ミトン様… やはり何と優しい方……
てぇっ! 今は違いますっ!
それは今晩に取っておくんですよーーー!!!!」
「あら 私、ミトン様にお姫様抱っこされちゃって… ……嬉しいです」
「痛てっ! だから余計な事言わない 痛っ! でヨ〜〜」
バビューーーーーン!! (騎士の早さで走る音)
「だあああああああ〜〜〜〜っっっ!!!
愛してるわよーー! マツリーーー!!!」
「私もですよーー!! ミトン様ーーーー!!!
えいっ! とりゃあっ! えいっ!」
いつかの食堂2階バルコニー席
「仲睦まじいわよねぇ あの二人、 それはそうと石投げるのは止めないのね……」
しみじみカーリー
「あっ、 また当たりましたね 凄いです マツリさんってただのメイドで、 騎士とかではないんですよね?」
冷静コフレ
「愛の力、 って やつかもな」
平常エイトー
「……………」
黙り込みフレク
あの後、マツリは学園にメイドとして入学した
貴族や王族だらけのこの学園は、その特殊な環境を利用して一流のメイド養成校としての側面も持つ
そこは、それなりの地位を持った家に生まれながら能力がイマイチな子供などが 上流階級との関わりのために主に入る場所で、今のマツリに最適な場所であった
マツリは、本来入れるか微妙な家の出ではあったが そこは次期国家筆頭騎士候補の彼女
それぐらいシリカやレブル王の計らいでチョチョイのちょいである
初めこそ途中参加のマツリ メイド学科の生徒の特徴もあり面倒ごとやら嫌がらせが多いのではと心配されたが
その愚直な誠実さ、人懐っこさ 加えて単純にあまり美形ではないが愛嬌のある顔と雰囲気で、逆に学科の人気者兼相談役にまでなってしまった
もちろん よからぬ輩もいたが、なにより国家推薦騎士のミトンの恋人、 加えてそのミトンの仲間も全員が名のある国の騎士団や技術者ばかり
迂闊には手を出さない し、それでも手を出すバカはやはり数日後には大人しくなってしまう
結果的にマツリは自分にできる学びを行い 充実した学園生活を送り、最も懸念されていた、 ミトンと一緒にいる時間という問題も解決された
そこからは微笑ましい限りで、
天然タラシで女好き 人との距離が相当近い それでいて本気の好意には鈍いミトンの人付き合いに世話を焼き、 その度にミトンがあの手この手で機嫌を取って謝り倒す
マツリとしても、ミトンの特性や自分への本気の好意は理解しているため 単なる戯れである
しかし、本気で怒ってはいないが、それはそれとして腹が立つものは腹が立つのだ
突然だが、 前にも触れたがミトンはその出自によりフタナリである
マツリがどうしよもなく荒ぶった日でも、夜を跨いで次の日にはいつもの二人である
……いや、 若干ミトンはやつれてはいるが、二人とも満面の笑顔なのでOKである
最初こそ慌てていたミトン狙い組の者達も、 やはりマツリのその人となりに触れるうち自然と二人を応援するようになった
……1人を除いて
「だあああーーーーーーー!!!!! コフレ〜〜〜悔しいわよーーー!!!
今までの話の流れ的にも騎士とメカニックって立場的にも私とくっ付く雰囲気だったじゃないのよ〜〜〜!!」
「お姉ちゃん、 まだ諦めてないの〜? もうっ、 お姉ちゃんには私が居るじゃない ねぇ?」
「ぬ、 俺に振るな 俺に
………… いやっ! 待っても俺は何も言わないからな!?」
「ううううっっ ちょっと作者っ! あそこまであからさまな雰囲気出して! 今後私達の関係をカーリーとエイトーが見守っていくんじゃなかったの!? どうなってんのよっ!!??」
「無駄よフレク だってこの作者、プロットも書かずにその場の雰囲気で話進めてるし…
もうそろそろ私達の口調とかキッチリ決めて欲しいんだけど… 流石の主人公のミトンは語尾のカタカナで若干キャラは着いたけど… 私なんて、最初はちょっとしたお嬢様口調だったのに今は正直前後の文脈で誰が喋ったか判断するしかないわよ」
『いやぁ 本当にそうで、 あっ、ここもうほとんど後書きだと思って話してます
読者を含めた皆さん御了承くださいネ?』
「だ、 誰よあんた!?」
『作者です』 バシイイイインッッッ!!!(効果音)
「ならしょうがないわね」 「うむ、 しょうがない」 「ん、 理解した」 「やっぱり皆んな納得しちゃうのよね〜……」
『さて、 今回は ミトン達が作った車をめぐりまた世界はちょっと変わったヨ って話だったんですがぁ……
走り屋文化とシルビアとくればぁ……』
「恋愛要素が入れたくなったと?」
『ですです やっぱデートカーなんでねシルビアは
もっと車の流行によってどんな事が起こった とかレースとか色々やりたかったけど吹っ飛んじゃってネ
でぇ、 こんな感じでしっかり恋愛要素を書くのは初めてなんで、 最後にぃ 溜まったギャグ衝動を発散させてんですヨ
そのシワ寄せがフレクちゃんに行っちゃった訳だけど……
まっ、 皆んなには是非フレクちゃんを含めた二人の今後を見守ってあげて欲しいよね〜 読者を含めてネ』
「見守ってあげて欲しいって、 どうせ作者のあんたの言う事 私達は逆らえませんけどね〜
そんな事言いに出て来たんですか?」
『まあまあ そんなツレないこと言わないで ネ?
まぁそれもあるけど……
あっ! ほらほら あの二人まだやっとるよ〜
いやね、 私もこんなホノボノな情景を直に見たくてね〜 皆んなと一緒に
さっ、 次回かその次ぐらいから戦闘あるから皆んなも今のうちに楽しんどこうヨ』
『そして、そんな気の抜けた話の中で急に告げられた面倒な戦闘の予告
バルコニー席のメンバーに加え、 隣のバルコニー席からミトンを見ていたモレーとコウも深々と呆れ返った溜め息を着くのであった』
「「「「「「はあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」」」」」
『しかし、 下から聞こえるミトンとマツリのわちゃわちゃボイスで やはり少し笑顔になる面々であった……
めでたし めでたし』
1* 殴烈波
横一列に並んだ敵に主に使う技 高速で何発も横にパンチを打ち実質的な横線状の衝撃波を作り、相手をほぼ同時に遠距離から殴る技
ここまで読んでいただきありがとうございました。
後書きは本編の通り、登場人物を巻き込んでもうやったので挨拶だけにします
次回も、是非お楽しみに!!!




