ファストストーリー・ザ・ホリデイ 1
どうも 本編です
「ねぇ 私達なんで食堂(2階)のバルコニー席でお茶してるんだっけ?」
「さあな? ミトンのことだ どうせまた騒がしい事だろうさ」
「それは良いんだけど… フフフッ…」
「どうした?」
「いえね こんな貴族学校通ってたらご飯で誰と座るか、 どこに座るかとか……」
「今更そんな事…」
「そうよねぇ あのアホのミトンがもう馴染んじゃって… 私達ごと馴染んじゃったのよねぇ〜
にしてもミトン、 遅いわね」
実際その通りで、最近では既にミトンと愉快な仲間達という認識のもと異常が日常として他生徒にも馴染んでいるのだ
そんな事をしみじみ考えつつ、変に遅い今回呼びつけた張本人ミトンを待つ
ドゥドゥドゥッッ ヴォドロロロ……
ヴォオオオオオン…ドゥ〜ン キュキャッ…! ヴゥウウウン
ドゥンッ…パンッ! ドゥンッ…パンッ! ヴゥ〜… キッ…
「……何か来たわね」 「……そうだな」
「……車ね」 「……そうだな」
「……行かなきゃダメ?」 「行くぞ じゃないと来るぞ?」
「……私にとっては、 ここで美味しくお茶して… それだけなんだけど…」
「まぁ いくらアイツでもそれ一杯飲むのぐらい待ってくれるだろぅ」
キャアッ! 短く悲鳴が聞こえた後
スタッ!
「どうモッ! お二人さん あっ、お茶私も貰うわ」
「このフレクも注文ですよ!」
「まったく、 ミトン 貴方ねぇ ここの食堂って学生証で入るって何度言ったかしら?」
ピッピッ… そうは言いつつ手元では二人用に注文タブレットで既に注文している所にカーリーの人の良さがある
こんなよくわからないもので爆音で乗り付け、メチャクチャな入店と注文をしたが
先ほども言った通り、もはやいつもの事である
変な発明品も今回が初ということではないのだ
――――――――――――――――――――――――
「それで? 今度は何よ?」
カーリーがもっともらしい質問をする
ソシュッ… んアー… んっ モッサモッサモッサ ゴクンッ
「やっぱここのスコーンはなかなか え?」
「え? じゃないわよ… アレよ! アレッ!
あの車、どう見ても世界観に合わないでしょっ 前自分で説明してなかったけ? フローターが主流で全部タイヤ無しで浮遊してるって
実際そうだし 私もメタツッコミ要員じゃなきゃ車って単語知らないわよ」
「いや、 そこまでいくとツッコミではなく メタツッコミというギャグだぞカーリー」
一通り説明ツッコミが終わり、色々と食べ終えたミトンが話し出す
「あっ、 気づいてくれた!? 私のシルビアs14!
いやぁ〜 コフレ、店長とジャスさん達とようやく完成させたのよお
ローゼスターの記録で前に見てからずっと作りたかったのよねぇ」
「えっ、 貴方いつの間にそこまで仲良くなったの?
というより、 その騎体由来の知識って国の財産でしょ!? …返答によっては力ずくでも連行する…… 斬ってでも…」
チャリン……
「うぇ〜 やめなヨォ」
「どうか!?」 既にスパイドを抜き スイッチに指を掛ける
「やめてくださいよ カーリー様」 ガシャッ!!
すぐさまフレクが対騎士複合機銃アーム付き多目的コンテナを展開しカーリーを牽制
「はぁ、 それで? ミトン、 そこら辺はどうなんだ?」
落ち着いたエイトーが言う
「そんなの、 勿論陛下に許可取ってるに決まってるじゃない
ブガッティ ラ・ヴォワチュール・ノワール献上して乗ってもらったら二つ返事でOKだったわよ
まぁ アレに関しては開発から製造に店長とジャスさんの私財相当注ぎ込んでるから
今後の販売で私に儲けが来るのはそれを二人が取り戻してから、 それに、そこから私達で等分、陛下にミカジメ料 主要フローターメーカーから来るであろう横やりの対処とかの諸費用諸々を引いてのほんのちょっとだけ」
「だとよ… お前ら、よさんか!」
エイトーの凄みはちょっとした威嚇魔術並みである
二人とも静かになり カーリーが聞く
「それにしても、 新興事業はそこがイタいわよね だからこそ、 会社を作って利益の集約、もしくはリスク分散するんだけど… それで(いまの形態)で良かったの?」
「いいのいいの なんと言っても今回の趣旨は「車」という"概念"と"市場"の復活、定着よ
儲けは二の次よ
今の所の目標は今回の開発費の回収ぐらいのものよ」
「まぁ、 そこまで言うなら別に私は良いんだけど
……どうせ今回の用ってのも、 それ関連なんでしょう?」
別に鋭くもない普通の推理をする
「おっ 当〜たり 今回、私のシルビア以外にも何タイプも作ってるからそれの宣材デモ走行に参加して欲しいのよ」
そして別に意外でもないお願いがくる
「で? 報酬は?」
「もちろんあるわよ?」 「違うわよ! 内容よっ!!」
「デモ走行に使用した車、 フルチューンした状態で乗ってって良いわよ
いらなくても、発売前だからどこに持ってっても研究用に高く売れるはずよ
もちろん好きな車選んで良いわよ 流石に陛下にあげたヤツとかは無理だけど」
当たり前に考えるなら、各国の筆頭レベルの騎士、技術者に操縦法を教え、研究材料 それも現物 開発陣のチューンまで入った物を渡すのは国にとってとてつもない危険性を持つ
仮にミトンがそこまでバカでも他の者は各国実力部隊の指揮官クラスである
事前に止めるはずである
ならばミトンの独断かと言えば、 それも違い
もちろん事前に通している
そこには開発陣の強い思惑がある
『『色んな所で 色んなタイプが作られる方が楽しいに決まっている』』
そう、 ミトンだけでなく開発陣一同まとめて取り返しのつかないバカなのである!!!
そこまで測り切れるわけもなく絶妙に煮え切らないカーリー達だが、そこは各国家の次期筆頭級騎士 自国の為ならばそれを取らないわけはない
ちなみに 内部機関も既存のメタルリキッドジェネレーターの流用であり燃料、動力機関に関してもどこでもすぐに実用化可能な様にされている徹底ぶりである
「じゃ、 この中から選んでね
とりあえず今日は練習だから途中で変えても良いし、
あっ、 これスペック表ね」
タブレットを各自受け取り覗き込む
「えっ、 何よこれ こんなスペック、全く既存のフローターに追いついてやしないじゃない」
カーリーが呆れる
エイトーも続く
「それに、 このマシンパワーでバッテリーでなくわざわざ燃焼型メタル被膜吸引を載せる 何故?」
しかしミトンとフレクはそれを聞きご満悦
「流石の着眼点 そしてそれがこの「車」というもののキモ…! ねぇ? フレク」
「はいっ! ですが、色々説明は後にしてやはり試乗して見られるのが一番だと思います!」
「んじゃま、 とりあえずY_ROIガレージに集合ね
フレク! 行くわよ!
あっ、 カーリー お茶ありがとうねえ」
ビシュッ! スタッ!
ギュルウッ…! ヴゥンッ! ヴゥウンッ!! ヴヴォォォオオオオ!!!!
「……ねぇエイトー シューティングバレッドの称号を持つ騎士様として、 どう思う?」
「さっきの通り、たいしたスペックも機構もない…が……」
「どう考えてもそんれだけじゃないわよね〜」
「……それはバウム騎士次期筆頭候補様の意見か?」
「それもあるけど、 あなたもわかるでしょ?
散々振り回され、 いいえ 現在振り回され中の私達…」
「もちろん」
「「友達としての勘……!!」」
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「シルビアs13、 シルビアs14、 180sx、 スカイライン、 AE85、 AE86、 チェイサー、 MR2、 ランサーエボルーションⅣ、 rx7、 フォードマスタングGT500、 ポルシェ911、 ダッヂチャージャー、 WRX、 レガシィ、 ロータスヨーロッパ
これが今回用意したデモ走行用の車 なんだけど…
ええっと… エイトー、 気づいてる?」
「ふむ… 体格的に俺は乗れそうにないな」
流石に2メートル超えの常識はずれの超ムキムキ
スポーツカーには向かない
そこでミトンが外を指差す
「アレよ! キャリアー・トラック……!!
エイトーはムキムキ キャリアーのエンジンもマッスル
何も違わないわね!!
今回は練習場までの輸送をお願いするわ」
「キャリアー… マッスル!! 気に入った!」
「残るはカーリーだけど、 どれにする? …あっ!」
バタンッカチッ!
「私はこの GT500ってやつで行かせてもらうわよ…!!
ところで、 どうやってやるの?(運転)」
「マニュアルちゃんと読んどきなさいよ!!
さてっとぉ… とりあえずカーリーは決まったし、後はコフレの到着を待って移動ね」
ちなみにフレクは記録担当だが試作段階の事故で損壊した180sxをシルビアで補修したシルエイティに乗る
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数分後 コフレが到着 キャリアーで決闘用アリーナ(練習用コース)へ移動
大型なためペイロードに余裕がありフローター機構を入れ、練習なしで乗れるキャリアーからエイトーが降り、後部ハッチ、スロープを展開する
流石の世界観 荷物はスライドとアームで自動で動く
ガガガガ……
レーダー・O・ミトン シルビア s14
ハイゴカラー・セット・カトラーリー フォードマスタングGT500
フレク シルエイティ
コフレ RX7
スーちゃん(ジャックのストーカー) ロータスヨーロッパ
香 勝滅 ポルシェ911
ジャック・モレー 激進丸 (GTR R34)
エイトー パック キントレー キャンター フローティングカスタム 2F改
「ヨシっ… こんな感じで………
てぇっ!! なんであんた達もいるのよ!!??
それも先輩のその車私達まだ作ってないやつなんですけどおおお!!!!」
「気にするな カツホは俺が呼んだ コイツは…」
「ジャック先輩が出るなら私も居ますし出ます!」
「いやっ! そこじゃなくて先輩のマシンですよ!?
というかなんでこのど変態呼んだんですかっ!!!」
「心配するな この激進丸 俺の自家用車だ 車検も通るぞ?」
「え? 自家用車? 何年、 何百年前からあるですか?
それに車検ったって今の時代まだ無いんでですよ!
アレなんですよ? 正直先輩に関してはまだ設定がフンワリしてるんですよ!? 作者自身便利キャラとして作っておきながらすでに持て余してるですよ!!! 余計な解説箇所増やさないで欲しいんですけどおおおおお!?!?!?
………というか激進丸って……」
「まあまあ せっかくなんだ 早く始めるぞ?」
やはりこういう時はエイトーの号令である
ちなみに今回は簡単な小さな円形のものと、その外側に大きなクネクネコースのサーキットである
まずはコース脇の直線で基礎操作である
フローターにクラッチ操作はないのだ
結局のところ、最初の練習は古今東西どんな世界でもクラッチ練習である
の、前に座学で基礎知識を身に付けてもらう
1時間半後 座学終了……!!
「次はいよいよ練習ですよ!!」 ビシッ!
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カチャッ! プシャッ! カチッ
セルを回しメタルリキッドが皮膜を形成
カチャカチャ ヴウッ… ヴウッウッ… カチャカチャ キュウウウウウンッ
バッテリーからの電力でエンジンを二、三回回し皮膜を安定させ
バッテリーで急速な吸気を行い、 大気中の魔力を被膜で吸着、増幅弁を通り燃焼室へ送られる
…… ドッ!ドッ!ドッ!ドッ! ヴゥルルルルルル〜〜〜〜 ドッ!ドッ!
エンジンが正常に作動しアイドリング状態になる
この世界での車は基本このように作動する
「じゃっ、 早速走ってみるわよ まずはカーリーからね
この練習用車でとりあえずコース回ってきて」
「待ってましたっ! まずはクラッチを切って、アクセルを吹かしつつ(クラッチを)戻す…! 」
ヴゥゥ ヴゥゥゥ ググッ… クククッ…
「動かせる…! あっ!?」
ギュルルッ! ガクンッ!
「まぁ 最初はこうよねぇ ほれっ! 早くもう一回よっ!」
更に1時間後……
流石に騎士とコンポウザー、エフェクターの集団
案外アッサリいってしまい、現在はコースの外回りを車間を開けて走っている
ブウウウーーー ギュギュキュキュッ ヴブゥーーーーン
「ふ〜ん 大体わかってきたわね つまり高速域でのフローターの欠点、 多量なエネルギー噴射を克服するためのタイヤってわけね」
「それに加え、 最低限のブレーキングで動力を繋ぎながら旋回できる エネルギーロスが減らせ、フローターの高価な理由、 あの大掛かりなサスペンションが不要になる… か」
「でも、」 「うむ、 なにより」
「ンッフフフ そうよねそうよね! そこまで伝わるんなら成功よ
そう! 常に平面で意外に速さが出せないフローターと違ってタイヤがある! タイヤがあれば地上を感じながら走れるしカーブも容易ってね
そして、 それはなにより「楽しい」!!! 」
移動するためだけに乗る物でなく、
「車」に乗って移動する事それ自体に意味を見出す
見出させるための意識変化
それが今回の計画の全容である
最終的に、今日のところは慣らしということでここでお開きとなった
明日はお待ちかね、レースである
ここまで読んでいただきありがとうございました
さて、今回は題名の通り休日です
ただ私の好きな車を登場させたいがための中身のない話、と、一見見えますが
実のところやはり作品の世界観はこういう日常に出すと思うんですよねぇ〜(言い訳)
では 次回もお楽しみに




