表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
難解な怒り  作者: 唖鳴蝉
1/4

1.持ち込まれた難題(その1)

お久しぶりの死霊術師です。今回は四話の予定です。

 前にも言ったけどよ、俺ぁ死霊術師(ネクロマンサー)と斥候職の二足の草鞋(わらじ)()いてんだ。だもんで冒険者ギルドとは別に、死霊術師(ネクロマンサー)ギルドからの依頼を受ける事も――まぁ、(たま)~にだが――あるわけだ。


 今から話すのも、そっち経由で持ち込まれた一件なんだけどよ。



・・・・・・・・



「怨霊?」

「あぁ。死霊術師(ネクロマンサー)ギルドに相談したら、君が適役だと言われて」


 妙な話だ――って、そう思ったね。確かに怨霊(ばら)いも死霊術師(ネクロマンサー)の仕事じゃあるけどよ、俺ぁ別にそっち方面が得意ってわけじゃねぇ。しがねぇ駆け出しの死霊術師(ネクロマンサー)なんだ。怨霊祓いの実績を積んだ者は、他に幾らでもいる筈なんだがな。


「いや……それが少しばかり厄介な話なんだ」


 依頼人――怨霊が現れたって村の一件担当者……ってか、世話役だな――から聞かされた話ってのは、確かにちょいとばかり首を(ひね)りたくなるもんだった。


「村の中に集まって練り歩くだけで、誰かに(たた)る様子も無ぇ……って、そりゃ本当に『怨霊』なんですかぃ?」


 〝怨霊の群れが練り歩く〟って聞いて思いだしたなぁ、「七人ミサキ」って怪異の話だった。自称「賢者」の地縛霊やってるシグってやつから聞いたんだが……ありゃ確か、見た(もん)(たた)りがあるとか、亡者(もうじゃ)の仲間に引き入れられるとか、そんな話だったよな。見ても聞いても祟りが無ぇ……ってのは、違うのか?


 そもそも「怨霊」ってなぁ何か(うら)(つら)みがあって、それを訴えるために現れたり、実力行使で祟ったりするもんだと思ってたんだが……

 いや……シグのやつが言ってたな。「怨霊」ってなぁ特定の人に()くもんで、特定の場所に現れるなぁ「妖怪」って言うんだと。ま、それもやっこさんの国での話らしいが……けど、今回の話も「怨霊」たぁ思えねぇんだよなぁ。(うら)みも(つら)みも(たた)りも無ぇってんじゃ――


「いや、それなんだが……()く聞くと〝返せ、返せ〟と言っているらしくて」

「はぁ……?」


 ……どっかで聞いたような話だな。……「ドロタン坊」だったっけか? だとしたら何か盗られたってのか? ……けど、それにしちゃ〝怨霊が大勢集まって練り歩く〟ってのが……大規模な墓荒らしでもやらかしたのかよ、この村ぁ。


「いや……墓というか聖地というか……」

「……何か心当たりでもあんなさるんで?」


 物騒な話なら()(めん)(こうむ)ると逃げ腰になりかけたんだが……依頼人の説明を聞いてみると、こりゃどうにも訳の解らねぇ話だった。



・・・・・・・・



「怨霊が現れるなぁ決まって畑で、そっから出発して村の中を練り歩く。で、その畑ってのが……」

「あぁ、元は何かの(さい)()が行なわれていた跡地だったらしい」


 そりゃ(たた)られるのも道理だろうと呆れていたんだが……事はそう単純なもんじゃねぇらしい。


 さっきから話に出ている「村」ってなぁ、古い……五十年や百年どこじゃねぇほど大昔の村落跡地を、改めて開拓し直した場所らしい。で、畑が手狭になったんで、新たに(やぶ)を伐り開いて畑を広げたんだが……


「その過程で、壊れた石碑のようなものが見つかってね。どうも中央に石碑だか石柱だかが立てられていて、その周りに石が並べてあったらしい」

「へぇ……日時計みてぇなもんで?」

「あぁ。何でも形状的には、環状列石(ストーン・サークル)というものに似ているらしい。かなり破損していたようだが」

「……そんな(いわ)く付きの場所を潰して、畑にしちまったんで?」

「いや、それが……」


 村の連中も、そこが普通の場所じゃねぇって事ぐらいは解ったそうだが、他に適地も無ぇもんで、そこを畑にするしか無ぇって事に(まと)まった。けど、何かに(たた)られでもしたら割に合わねぇってんで、一応教会の連中(せんもんか)を呼んで、お(はら)いだか何だかの儀式をしてもらったらしい。


 で、その時に明らかになったのが――

明日もこの時間帯に投稿の予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ