甲殻ギャル大戦(仮)
古代なぞ生物ギャル飼育シミュゲーム「トリロバイト・ファムファタール」
白兵戦主体戦術シミュギャルゲー「キズナ・オブ・トリカブト・サーカス」
二本の愛する「クソ」ギャルゲー。
それの「メディア記録販売版」、すなわち、光学ディスクを抱えたまま、ある少年が死んだ。
そこに起こる、異世界転生。
少年は、いくつもの異能を与えられ、異世界に舞い降りる。 しかし、そこは。
これまた、別の意味でダメな方のゲームから生じた世界であった。
転生させた邪神と、世界を用意した邪神が嘲笑う!!
人よ、人の子よ!! 生き延び、幸せをつかみたければ足掻け!! 足掻くのだ!!
ーーー
少年を囲む、なんらかの武器を持った少年少女の姿をした節足動物や、ストレートに節足動物たち。
少年は思う。 天国はあったのか。と。
だが、少女たちから渡された手紙には。
「お前のいる世界では、これから戦争があちらこちらで起きる。 だが、お前に与えられたのは、貴族たちが振るえる程度の戦力だ。 これから、お前は、何をしようと力を持つものとしての責任と義務に追われ続ける。
生き延びたければ、敵を殺すべきだ。 だが、敵には家族もいれば、家族以外の大切な人もいる。
苦悩したまえ、永遠に」
神を名乗るモノからの挑戦状。 受けて立つ。
あと、いくらなんでも、混ぜればいいってもんじゃない。
好きだったヒロインが、頭の後ろから触手がでているじゃないか。 愛していたヒロインが、腕が甲殻に覆われてるじゃないか。 逆に、可憐なヒロインだった子が、武器を持つなど。 日常物だったのに。
彼女らの人数から見ても、余裕がある水槽……。
これは、彼女らの他にも、「キャラクター」が手に入るということなのか。
疑問を覚えながら、「健康な体」を手に入れた少年は、移動要塞と化した島の舳先に立つ。
これから自らに襲い掛かる、戦いの日々に打ち震えながら……。