第5章 発覚
第5章 発覚
第5章 発覚
5‐1
――――――――私達は繋がった
――――――――私達は一つになった
こうちゃんの匂いがする…
こうちゃんの匂いってベッドの匂いだったんだね…
「なっちゃん…愛してる…」
こうちゃんが肩ぐらいまである私の髪を撫でながら言った
「あたしも」
私はそう呟いた
「なっちゃん体大丈夫?」
こうちゃんは心配そうに私に言った
「うん。大丈夫だよ。それより疲れた…寝てもいい?」
こうちゃんは「いいよ」と優しく言って私を抱きしめた
こうちゃんの腕の中は思っていた通り温かかった
5-2
私は予定通りに、体調を崩した2曰後に普通に学校へ行った
そしてその帰り道、私は言ってしまったのだ
「媚薬はもう抜けた?」
「抜けたよ。ヤりたいの?」
とこうちゃんはどこかを向いたまま私に言葉を投げた
「こうちゃんはどうなの?」
と私は言った。するとこうちゃんは
「僕は本当になっちゃんを愛してるから、なっちゃんがいいなら…」
とこうちゃんは言った
私達はこうちゃんの家へ行った
5-3
「お邪魔しまーす…」
こうちゃんは私を自分の部屋に案内した
「今日は誰もいないんだよ」
こうちゃんは私に一言言った
「なっちゃん…本当にヤるの?」
私は正直迷っていた
きっとこうちゃんも迷っていたのだろう
「……こうちゃんはどうしたい?」
私は恐る恐るこうちゃんに聞いた
「僕は……ちょっと怖いかもしれない」
そう言った
「なっちゃんは?」
そう聞かれた
「私は…わかんないよ…」
5‐4
だから私達は一つになった
だから私達は繋がった
「ごめん…なっちゃん」
とこうちゃんは泣きそうな顔で言った
「なんで謝るの?」
「だって僕…なっちゃん…」
こうちゃんは私に謝ろうとした、だから私はこうちゃんの口を自らの口で塞いだ
「なっちゃん…愛してる」
こうちゃんが肩ぐらいまである私の髪を撫でながら言った
「あたしも」
私はそう呟いた
「なっちゃん体大丈夫?」
こうちゃんは心配そうに私に言った
「うん。大丈夫だよ。それより疲れた…寝てもいい?」
こうちゃんは「いいよ」と優しく言って私を抱きしめた
こうちゃんの腕の中は思っていた通り温かかった
…………私は浅い眠りについた
5‐5
~数週間後~
「ゴホッゴホッ」
仁百と麻希が私の背中をさする
「大丈夫?夏美?」
麻希が言った
そして空気が読めない仁百が続けて言った
「もしかして妊娠?まっさかね~」
私には心当たりがあった
なので
その日のうちに麻希に付き添ってもらい病院に行った
5‐6
「どうしよ、妊娠してたら」
私は麻希に言った
「大丈夫でしょ。だって何もしてないんでしょ?」
麻希は笑顔でそう言った
「…あるんだよね…心当たり」
麻希は何も言い返さなかった
「愛坂さん」
そう呼ばれ私は診察室に入った
なんだかよく分からない検査をしてまた大ホールに返された
「どうだった?」
麻希はすぐ私に聞いた
「まだだった」
と私は一言呟いた
「そう」
麻希はまた暗い表情になった
5‐7
「愛坂さん」
5分くらいでまた呼ばれた
ドアを開けると若い女の人が座っていた
「どうも。結果から言わせていただくわね?」
とその先生は丁寧に聞いてくださった
「はい。お願いします」
「愛坂さん、妊娠していますね。4ヶ月」
先生はなんかの紙を見ながら言った
「私はあなたの担当をすることになった中山由理〔ナカヤマ_ユリ〕です。よろしく」
私は驚いて何も言えなかった
「驚いている気持ちはわかります。3日以内に彼と相談して生むか生まないか決めて来なさいね。」
そう先生は優しく言った
「今日はもういいわ。彼にしっかり言いなさいね」
と先生は言った