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第4章 涙


第4章 涙


4‐1


んんんんん……


すっごく気持ち悪い


なんで………


「なーっちゃんっ!かーえろっ?」


こうちゃんが私の腕を引っ張る


「ご、ごめん。なんか気分悪い。」


私は思わず、もどしそうになってしまった


「どうしたの?大丈夫?」


こうちゃんは心配そうに私を見た


「ううん…かなりやばい…今日は家に帰るわ…ごめん」


と私はこうちゃんを置き去りにして行こうとした


「じゃあ僕看病するね。なっちゃん家に行こう」


こうちゃんはそう言って私を自分の背中に乗せた





4‐2


「あなたは?」


とお母さんはこうちゃんのことを不思議そうに見て言った


「僕は、僕は、夏美さんとお付き合いさせていただいている…それより早く夏美さんんを!」


こうちゃんは相当焦っていた


「あ、そうね」


とお母さんも言った



私は病院に連れて行かれた


私は胃腸炎と診断された


2.3日は休まないといけないらしい



その夜私はこうちゃんにメールを送った


「今日はありがとう。本当に心配かけてごめん!

 私、明日と明後日休むから、一緒に行けないし、帰れない!」


と送った


「気にしないで!早く治してね!!

 明日も明後日もなっちゃんのとこ、行くから大丈夫だよ」


と返って来た






4‐3


ねむい…ねむい…ねむい…


甘いココア匂いが私の鼻を包む


うっ!


しかしその匂いが吐き気を誘う


眠かったのに眠気が一気に飛んで行った



もうすぐ4時  そろそろ来るかなぁ


ピーンポーン…


来た



がちゃ



こうちゃんが泣きそうな顔をしながら私を見た



「なっちゃん………」







4‐4


「なっちゃん……大丈夫?」


私のことを心配してくれるのはいいけど…


「どうしたの?こうちゃん」


「なっちゃん…僕…ごめんね」


なんだか、こうちゃんの様子がおかしい


「こうちゃん?」


こうちゃんは私の目を見た


その瞬間…こうちゃんの目から涙が零れ落ちた



こうちゃんの涙は


まるでダイヤモンドのように輝いていた



「バレちゃった…みんなに…」


こうちゃんは泣きながら私に言った







4‐5


「何が?」


私は心当たりがなかった


「僕達が付き合っていること」


こうちゃんは両目から大粒の涙を流して言った


「うん…そんなのもうみんな知っているんじゃないの?」


私は言った


「知らなかったみたいで…違うクラスの子が僕に飲ませたんだ」


こうちゃんは呼吸を整えながら言った


「媚薬を飲ませられた」


私は驚きのあまり、何も言えなかった







4‐6


「で、どうしたらいいか分からなくて来ちゃった…」


私は黙ってしまった


「でも、でも!何にもしないよ?薬なんかでなっちゃんと繋がりたくない」


こうちゃんは焦って付け足した


「うん…薬に頼りたくない…」


私も言った



「じゃあ、明後日また来るね。今日はなんかしちゃいそうだから帰るね。じゃ」


と言ってこうちゃんは私の前から去った



私はこうちゃんが言った後もずっとドキドキしていた


私は正直、少し怖かった





その時は一つになるなんてまだ早いと思っていたから






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