第2章 初めての
第2章 初めての
2ー1
「あたし先に帰るねー!」
そう私が言うと
「先に帰るじゃなくて、一緒に帰れないでしょ?」
と麻希が笑いながら言ってきた
もちろん………図星である 笑
そんなこと恥ずかしくて言えない
「分かってるなら言わないで!」
と少し熱い両頬を手でおさえつけながら言った
「夏美可愛い」
と麻希から言われた
………こんな気持ち、初めて………
2ー2
「帰ろ〜か!なっちゃん」
こうちゃんは優しく私に微笑む
「うん!」
私も元気よく返事をする
私達は付き合い始めてやっと1ヶ月
まだなんにもしていない………
でも今日は、いつもと何かが違った
「こうちゃん?」
私がそう聞くと
「なに?」
って………少し前にいた、こうちゃんが振り返った
そこまでは、いつも通り
でも、明らかにいつも通りではないことがあった…
それは………
こうちゃんの顔!!
2ー3
「こ、こうちゃん!?」
私は思わず声を出してしまった
こうちゃんの顔が真っ赤になっていたのだ
私は慌てて自分の手でこうちゃんの両頬を挟んだ
案の定、熱い
「こうちゃん、熱あるよ!」
それを聞いた瞬間、こうちゃんは、笑った
「熱なんてないよ 大丈夫大丈夫!」
って………
「いや明らかに熱あるから!」
と私は言った
そしたらこうちゃんは
「じゃあ、僕の家に来て!!そして僕の看病して!!」
そう真っ赤な頬をしたこうちゃんが言った
2-4
「お邪魔しまーす…」
私は、初めて男の人の部屋に入る…
だからすこーし緊張…
「僕の部屋こっち」
と、こうちゃんは2階へ案内してくれた
こうちゃんの顔はもうやばかった
バタンッ
こうちゃんの部屋の扉のしまる音が妙に大きく感じた
こうちゃんはなにかおかしかった
「なっちゃんっ、すぅきっ…」
そう一言言ってその場に倒れこんでしまった
2−5
んんんん…
あれ…私…寝ちゃったみたい………
重い瞼を開けると
目の前にひろがっていたのは
見覚えの無い天井
「はぁはぁはぁ…」
すぐ隣では顔を赤くしたこうちゃんが
荒い呼吸をしながら苦しそうに眠っていた
私はこうちゃんが起きないように静かに部屋を出ようと思っていた
しかし、私が立ち上がった瞬間
―――ギィィッ
音がした
私、そんなに太ってるっけ?
「なっちゃん?」
こうちゃんは目が覚めてしまったようだ
あぁー…
「どうした?」
私が言うと
「行かないで。今日はうちに泊まって。お願い」
こうちゃんは目を瞑ったまま私に言った