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第1章 毎日


1‐1


あれから、あたしは断れなかった


「お試期間みたいなってだめ?」


そんなこと言ったら


「いやだなぁ。そういうの。無理なら無理でそう言ってほしい」


ってまた真剣な表情で言われちゃって…


「じゃあ…付き合っちゃいますか?」


なんてかるーく言ってみた


「ほんと?ほんとうに!?」


そんな風にはしゃぐ桜井君を見ていたら可愛くなって


「ほんとだよ」


とかって微笑んじゃった…



私達は付き合いはじめることになりました








l−2


「おはよー!」


昨日の事聞かれそうだな…


「おはよ」


私は少し緊張していたせいでテンションがさがっていた



「おはよう」と誰かが後ろから私の肩を叩いてきた


振り向くと後ろに立っていたのは桜井君だった


「お、おはよう」


私は慌てて返した


「えっ何!?この2人どうなってるの!?」


仁百が少し焦りながら言った


私は、ゆっくり口を開こうとした


「僕達、昨日から付き合うことになりました」


と桜井君が言ってくれた。


私は思わず「桜井君…」と言ってしまった






1ー3


私達はあの後アドレスを交換したのだ


そして

「もう桜井君って言わないでください」

って言われたばっかりだった

「じゃあなんて?」そう私が言うと

「好きなように呼んでくださっていいです」って


だから私は“こうちゃん”

桜井君は“なっちゃん”


と呼び合う約束をした


あと、敬語禁止の約束も



「なっちゃん?今“桜井君”って言った?」


と、さっそくつっこまれてしまった


「んー?バレた?ごめん…」


と言うと「いーよ!可愛いから、許す」


「朝から熱いねー!じゃあ先に行ってるよー」


と…その場に2人置いていかれてしまった


「なんかごめんね」と謝ってくるこうちゃんがすごく愛らしかった






1ー4


正直言って初めは、付き合うことにあまりノリ気じゃなかった


一応私より2つ下だし、あんまりこうちゃんのこと知らなかったから


すぐ終わるんじゃないかと心配だった


でも彼は私が思っていたよりしっかりした人間だった


彼は誰よりも私を想ってくれた


そして、誰よりも私を大切にしてくれた



でも、これから毎朝、こんなラブラブな状態で学校に行くと思うと…


ちょっと複雑な気持ちだった



でも、こうちゃんと付き合い初めてから、毎日がとても楽しく


私にとっては、毎日宝石箱みたいに思えた



少し恥ずかしかったけれど………



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