最終章 若ママ&若すぎパパ
最終章 若ママ&若すぎパパ
最終‐1
私はそのあと、1週間くらいたったら退院できた
でも、お腹の傷を縫い合わせた糸を抜いたり、ホッチキスを外したりするのはとても痛かった
なかなか傷口が塞がらなくて、シャワーを浴びるのにも日にちがかかった
私は病院のドアを開けた
初めて家族3人で外に出た
こうちゃんは両手に私の着替えなどが入っているバッグを持っていた
私は赤ちゃんを抱いていた
久しぶりに見た空は、晴れていた
雲一つない空だった
もうそろそろ12月なのに春のように晴れていた
まるで、神様が私とこうちゃんと赤ちゃんを優しく包み込んでくれているようだった
最終‐2
家に帰ると
私の両親と羽標、こうちゃんの両親と春乃ちゃんがごちそうを準備して待っていた
「おかえり、姉ちゃん、兄ちゃん」
羽標は照れ笑いで私とこうちゃんに言った
「ただいまっ!羽標クン!」
『兄ちゃん』って言ってもらえたのが相当嬉しかったらしく…
「ただいまっ」
私も遅れてそう言った
「赤…ちゃん…?」
そう不思議そうな顔をしながら春乃ちゃんが寄ってきた
「そうだよ。可愛いでしょ?」
私は春乃ちゃんに赤ちゃんを抱かせた
「可愛い…」
春乃ちゃんは初めて私の前で笑った
「お…姉ちゃん…」
私は初めて春乃ちゃんから「お姉ちゃん」って言ってもらった喜びのあまり、泣いてしまった
「お姉ちゃん…?」
「ごめんごめん。お腹空いたー!春乃ちゃん、あっち行って食べよっ!」
「うん!お姉ちゃん、赤ちゃん」
「あ、春乃ちゃんが抱いてきて?」
「分かったー!」
赤ちゃんってすごいって私は心から思った
最終‐3
「いっただっきまーす」
こうちゃんの元気な声
私の母とこうちゃんのお母さんは赤ちゃんを見ている、楽しそうに
私の父とこうちゃんのお父さんは2人でお酒を飲んでいる
羽標は私にべったりくっついて、
春乃ちゃんはお母さん達に混ざって赤ちゃんを見ている
こうちゃんは夢中で食べて、たまに私に「あーん…」って食べさせる
幸せ、とっても………
「皆さんに発表があります」
こうちゃんは大袈裟に言った
「この子の名前を決めました」
そう、私とこうちゃんは私の入院中に赤ちゃん名前を決めていたのだ
こうちゃんは学校で考えてきたんだとよく自慢気に言った
「なんて読むの…?」
春乃ちゃんは私に近寄ってきた
「あれは、かずゆって読むの」
そう、この子の名前は『和優[カズユ]』
入院中に決めていたと言ったけど、結局決まらなくて…
今日の朝、決まった
「名前の由来は、退院した日、初めて家族で外に出た日の空が
優しくって平和な日本らしいなって思ったからです。かずゆって読みます」
私はそうみんなに言った
みんなは頷いてくれた
今日から、和優は私とこうちゃんの大切な子供
私達の愛の結晶
最終‐4
翌日、家にたーくんと麻希を呼んだ
「かっわいいー!!」
と言ってうちにあがってくるなりたーくんは和優を抱き上げた
「ちょっと!落とさないでよー!」
と麻希は少し慌てた
「大丈夫だよ大丈夫!」
たーくんはそう言って、和優の頬に自分の頬を近づけた
「たーくんって赤ちゃん好きなんだね」
私がそう言うと「大好き大好き!」とテンションが高いまま言った
「可愛いね、たーくんも」
と麻希は少し呆れて言った
「麻希も抱いてやってね?」と私は笑顔で言った
「もちろん!」と麻希ははりきっていった
和優がもう少し大きくなるまで私は学校には行かない
でも、またちょこちょこ遊びに来てくれるって2人は約束してくれた
その次の日は、こうちゃんが学校の後、友達を連れてきた
私がよく分からない間にこうちゃんも、学校で
結婚のこと、子供のことをみんなに告白していたらしくて
もう、みんな理解してくれていようだった
最終‐最終
人間関係っていうのはなかなか上手くいかない
恋愛関係っていうのもなかなか上手くいかない
人生なにがあるか分からない
私も思っていた「妊娠なんてありえない」って
でも、私の周りには素晴らしい人ばかりで
私は、幸せになれた
いい親をもち、いい弟をもち、いい友達をもち
いい彼をもち、いい環境をもち
本当に今、幸せです
ありがとうございました。
今後の参考にするため、是非ご感想お待ちしております。
第2シリーズもあるのですが
ここに出そうか出すまいか、迷っております。
是非ご意見、ご要望お願い致します。
これまでお付き合い、ありがとうございました!
※希望が多い場合は、第2シリーズも載せたいと思います。