第12章 手術まで…
第12章 手術まで…
12‐1
こうちゃんは今日休んだ
病院に「明日行きます」って電話したら
「お家の方と来てください」って言うから
病院に行ってからは
入院に際しての注意事項や手術の説明
血圧や体重測定、問診により、私や赤ちゃんの健康状態の確認
超音波検査などを行い、赤ちゃんの位置を確認
などをした
そして最後に中山先生は「がんばりましょうね」と言ってくださった
なんだか今日は長かった
とても疲れた
こうちゃんも相当疲れたようでまだ20時なのに病室で眠っていた
こうちゃんの寝顔を見ながら私は考えていた
「こうちゃんは、女の子ほしー?」
「うーん…僕は男の子がいい!」
「えー?あたしは女の子!」
この会話があって、青の毛糸の靴下と桃の毛糸の靴下を作り始めた
「名前どうしよう…」
「うーん…」
「まぁ、生まれたら決めよっか」
この会話があったから名前はまだ決まっていない
気がつけば21時だった
こうちゃんはまだ眠っていた
明日こうちゃんは学校がある
なので、私はこうちゃんを無理やり起こして家に返した
おやすみのキスをして
12‐2
なんだか暇で
病院で過ごす時間は長く感じた
暇だぁと思っていたら誰かがドアを叩いた…こんこんこん
「はい」
私は無愛想に返事をした
ガラガラ…そこに立っていたのは
麻希だった
「ま…き」
麻希とはあの日以来の再会
メールはしていたが会うのはかなり久しぶりだった
「夏美…元気してた?」
麻希は泣いていた
私ももらい泣き
「ばか…泣かないでよ…あたしもらい泣きするの知ってるくせに…」
「だって…久しぶりなんだもん…しかもそのお腹…めちゃくちゃおっきいじゃん…」
麻希は泣きながら私に言った
麻希は今朝、こうちゃんとバッタリ会ったらしい
そして麻希は私のことをこうちゃんに聞いたらしい
だから居場所が分かったって言っていた
そのあと彼女は学校での出来事を私に話した
楽しそうに
もちろんたーくんの活躍のことも聞いた、さすがと思った
手術まであと………5日
12‐3
とばします
だって…暇だし、何にも起こらないから
こんなことズラズラ書いたってつまらないし
でも、こうちゃんの毎日も話は面白かった
私の楽しみはこうちゃんの話のみ
だって、ご飯も栄養万点ってことは分かっているんだけど、美味しくない
本当につまらない4日間だった
12-4
目を開けたら母が私を覗き込んでいた
「おはよ」
母は笑顔で言った
「なんで居るの?」
私は母に言っていなかった、今日のことを
病室は教えていたし、帝王切開ってことも教えた
でも、日にちまでは教えていなかった
「羽標から聞いたの」
私は羽標とは仲がいい
だから、羽標には言っていた、手術のことも日にちも全部
「がんばりましょうね」
そう言う母の後ろには羽標が居た
私は母に「うん」とだけ言うと羽標を近くに呼んだ
「おまえー!ママに言ったなぁー!」
私は久しぶりに見た弟が笑顔だったからすっごく嬉しかった
羽標のおかげで手術前にリラックスできた
ありがとう、羽標
そのあと、少し遅れて、こうちゃんが来た
そして私は手術室に入った