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第07話 当たり前のことに気付かない、やっちまった。



 早く眠りについたせいか気持ちよく目を覚ますことができた。さっさと着替えてと言っても右手が使えない分、時間がいつもより掛かるもなんとか完了。そしてリビングへと朝ごはんを食べに行く。


「おっ早起きだね。母さん感心するよ。怪我するといい子になるのかな? 」


 母さんは朝からテンション高く俺をからかってくる。


「右手が使えないと結構しんどくてね、早く寝ちゃったよ。とりあえずご飯。早く食べて学校行くよ。多分時間掛かるだろうし」


「りょうかい。パンとコーヒーだけどいいかい? 」


「いいよ。ありがとう」


 左手でなんとか食べ学校へ向かう。


「じゃいってくるよ。母さん」


「気をつけてね。いってらっしゃい」


 今日は玲は現れなかった。朝いつも学校通学にもついてこようとしていたがとうとう諦めたかなと安心する俺がいた。

 学校へは徒歩だ。10分程度の距離でそう時間はかからない。ただやっぱり右手が使えないと左手で鞄を持ったりと普段行わないことをするわけでそれだけでも結構来るものがあった。


 校門前につくとなぜか川崎さんがいた。誰かを待っているんだろうかと思いながらも挨拶をしてみる。


「川崎さんおはよう。今日からよろしくね」


「おはよう木崎くん、待っていたよ。どこで待ってたらいいか悩んだけどここで待ってた。鞄持とうか? 」


「いやいや鞄くらいはもてるからいいよ。それよりも校門でなんて待たなくていいよ。今後は教室でいいから。通常は普段の生活をしてもらって良いよ、何かある時だけ手伝ってもらえばいいからさ」


「本当は家まで迎えに行きたかったんだけど家の場所知らなかったし迷惑かなあとか思ったり。木崎くんとしてはどうかな? 送り迎えしてもいい? 」


 ちょっと照れた感じで川崎さんは俺に尋ねた。


「迷惑とかそういうのはないけれど遠回りとかにならない? あんまり負担掛けたくないからさ。送り迎えは別にいいよ、気にしないで」


 俺がそういうと川崎さんはなにかを小声でつぶやいていた。


「私がしたいだけなのに……な」




ただそのつぶやく声は俺には聞こえなかった。




 教室にふたりで着くと、普段誰とも関わらない川崎さんが俺と一緒に教室に入ってくるものだからみんなの視線を一斉に集めてしまった。そう、よくよく考えればこれだけモテる川崎さんに変な男がついてたら……そりゃみんな気になるわなと、それとともにこりゃ嫉妬受けまくりの日々にもしかしてなる? と今まで気づいてなかった状況にここに来て不安になる俺であった。




 そして先に来ていた玲の視線も俺に向かっていた。ただその表情はなにも感じていないようなそんな無表情の顔であった。


お読みいただき有難うございます。

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