第28話 駄目だって。
トモくんの様子がおかしくなった。原因は誰の目で見てもあきらかで、川崎さんの影響だってわかってしまう。私、玲はまずトモくんの様子を伺ってみた。
うん。落ち込んでる。落ちたら駄目な方向へと走っていってるってすぐに分かる。
だからなのかトモくんとの会話の途中にちらっと本音が出てしまう。
「そんな事言わないでほしいなあ。私と一緒に居たいって言ってくれればいるのに、もう」
小さくつぶやいたからトモくんには聞こえてないようだ。
私だってトモくんと一緒に居られるのならずっと居たいと思っている。でもそれは駄目だって。流石にそれは私にもわかる。トモくんの告白を断った私にそんな権利はないんだって。それにトモくんの見ているものが今は何かって。確かに私も大切にしてくれてるのはわかっているけれど私よりも大切な人を見つけたってトモくんと川崎さんを見ていたらわかっちゃう。
だから私は川崎さんに伝える。
「だからちゃんと伝えてあげて。じゃなきゃ私が取っちゃうよ」
って。冗談のように言うけれどできることならしちゃいたいなんて思いながら。
これでわからなければほんとに私が取っちゃうよ。
なんて少しだけ思いながら。
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