表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/27

おれの凄さを見せ付けてやるぜ!

 さっき、アウラが抽出から紙をだしたとき、その抽出の上にちらっと、カードの束らしきものがあったのを思い出した。


「ちょっといいですか」


 おれは席を立って歩み寄れば、やはり、カードの束のようだった。


「これ、使っていいですか?」


 アウラとイリスさんの頬に希望の色が浮かび上がった。


 アウラは、


「すごい! あなた呼べるの!? いいけど、あんまり大きなの召喚しないでね」


 大きなのとはどういう意味だろうか。大きな数字という意味だろうか。


 カードは裏は同じ模様で、表面に記号と絵柄が描いてある。トランプだろうか、それともタロットだろうか。


 手の内でカードをずらして確認するが、同じ絵柄はないようだ。これならいける。


 おもむろに席に戻って、カードを切る。そして、アウラに一枚引くように言う。その一枚はイリスさんとだけ見て、決しておれには見せないようにと。


 アウラは真ん中辺りから一枚、恐る恐るカードを抜き取った。そして、イリスさんにだけ見えるようにカードを傾けた。


 彼女たちがカードを確認している間に、おれはちらりと手に持ったカードの束の、一番下になっているカードを盗み見て覚える。それは、犬のような絵が書いてあるカードだった。


「じゃ、そのカードを机に置いてくれ。もちろん、伏せたままで」


 伏せられたカードの上に、残りのカードの束を重ねる。この時点で、アウラが引いたカードは犬のカードの下にある。そして、数回切る。あまり派手に切りすぎるとミスるので、数回にとどめておくことが肝心だ。


 机の上に、表向きにしてカードを広げた。犬のカードの次のカードがアウラが引いたカードだ。それはオレンジ色の花の絵が書いているカードだった。


 机の上に広げたカードに、おれはおもむろに手をかざして、うーん、と唸ってみせる。


「この辺かな?」


 などと言って、花のカードの周辺三枚を取る。


 そして、花のカードが一番下に来るようにして、アウラにつまんで持つように言った。


 アウラは狐につままれたような顔でカードを持った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ