おれの凄さを見せ付けてやるぜ!
さっき、アウラが抽出から紙をだしたとき、その抽出の上にちらっと、カードの束らしきものがあったのを思い出した。
「ちょっといいですか」
おれは席を立って歩み寄れば、やはり、カードの束のようだった。
「これ、使っていいですか?」
アウラとイリスさんの頬に希望の色が浮かび上がった。
アウラは、
「すごい! あなた呼べるの!? いいけど、あんまり大きなの召喚しないでね」
大きなのとはどういう意味だろうか。大きな数字という意味だろうか。
カードは裏は同じ模様で、表面に記号と絵柄が描いてある。トランプだろうか、それともタロットだろうか。
手の内でカードをずらして確認するが、同じ絵柄はないようだ。これならいける。
おもむろに席に戻って、カードを切る。そして、アウラに一枚引くように言う。その一枚はイリスさんとだけ見て、決しておれには見せないようにと。
アウラは真ん中辺りから一枚、恐る恐るカードを抜き取った。そして、イリスさんにだけ見えるようにカードを傾けた。
彼女たちがカードを確認している間に、おれはちらりと手に持ったカードの束の、一番下になっているカードを盗み見て覚える。それは、犬のような絵が書いてあるカードだった。
「じゃ、そのカードを机に置いてくれ。もちろん、伏せたままで」
伏せられたカードの上に、残りのカードの束を重ねる。この時点で、アウラが引いたカードは犬のカードの下にある。そして、数回切る。あまり派手に切りすぎるとミスるので、数回にとどめておくことが肝心だ。
机の上に、表向きにしてカードを広げた。犬のカードの次のカードがアウラが引いたカードだ。それはオレンジ色の花の絵が書いているカードだった。
机の上に広げたカードに、おれはおもむろに手をかざして、うーん、と唸ってみせる。
「この辺かな?」
などと言って、花のカードの周辺三枚を取る。
そして、花のカードが一番下に来るようにして、アウラにつまんで持つように言った。
アウラは狐につままれたような顔でカードを持った。