表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/27

え、貴族だったんですか……

昨日投稿したと思ったら出来ていませんでした。しょっく。

 おれは慌ててアウラから離れる。


 アウラも居住まいを正し、おれを睨み付ける。その瞳は、絶対にイリスさんには話すな、と言っていた。


「今日はヒサヤさんが来てくれた日ですから、ちょっと色々用意しようと思いまして」


 イリスさんは前が見えないほど、いろいろなものが詰まった籠を抱えていた。野菜や肉、きっと晩飯のために買って来てくれたのかも知れない。イリスさんは籠をどんと机の上に置くと、また忙しそうに外に出て行った。


「なんか、いろいろ買って来てくれたみたいで、申し訳ないな」


 おれはぼそりと言った。


「買って来た? 買ってないわよ」


 おれの言葉を拾って、アウラが言った。


 イリスさんが置いた籠を指して、


「じゃ、それ、どこから手に入れたの?」


「うちの所領からに決まってるでしょ」


 アウラはさも当たり前のように言ってくれる。


 所領? ってことは、この家だけでなく、この辺一帯がアウラの家の所領ということなのだろうか。


「え、じゃ、小作人とかがいるわけ?」


「そりゃ、いるに決まってるでしょ」


「何人くらい? 百人とか」


「そんなに居ないわよ。七十五人よ」


 え? とはてなマークが頭を飛び交う。ということは、こいつは綺麗で可愛いだけの女の子ではなく、金持ち、もしくは貴族のお嬢様ということなのだろうか。そう思って、家の中を見回すと、たしかに、調度品など安物には見えない。


「ででで、でも、なんつうか、お手伝いとか、侍女とかいないじゃん。それに、失礼かも知れないけど、この屋敷だって、べつに、そんなバカでかい訳じゃないのに?」


「だって、これで充分でしょ。それに、わたしもお母さんも、召使いとかを家に入れるほど不自由してないし、使用人だって、そんなことするくらいなら、少しでも生産を高めた方がいいって、お兄さんも言ってたし。わたしは生まれたときからこの環境だから、よく分からないけど」


 つまり、アウラは、


「貴族なのか?」


「そうだけど」


 なにか文句ある? とでも言うふうにつんとこちらを見つめてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ