生存 その5 森での始末
取り敢えずモニカに道案内をされながら町へ向かう。
もしかしてモニカが裏切ったら射殺できるように警戒は怠らない。
何か引っかかり、二人で歩いていると疑問が浮かび問いかけた。
「モニカ、お前は残りの5人とはどんな関係だったんだ?」
鈴木の問いかけにモニカの表情が曇るが問いに答え始める。
「私が冒険者としてパーティーを組んで1月位かな
一緒に行動を共にしてたのです。
皆若いからイケイケな感じで依頼をこなしていて今回も舐めて臨んだんですが…」
「返り討ちか運がお前は良かったな、所でお前は何してた?」
「気配を察知できずに上から降ってきて、ゴブリンに出口を塞がれる前に
逃げだしました」
「成程、卑怯者か?」
「そ、そうだけど・・・・・酷いよ・・・」
モニカも歩くのを止め膝をついて号泣しだしたのでモニカに近づき
面倒なので慰める。
何となくだが先導役が真っ先に逃げ出すのは何か引っかかる。
「次からは上手くやるんだな」
暫くして泣き止むと立ち上がり、歩き始める。
そしてモニカの表情がそわそわし始めることに気づき、
休憩できるような広場に到着する。
「モニカ、俺に言う事があれば見逃してやるがどうする?」
「ごめんなさい、ここで待ち伏せされてるんです・・・」
モニカが小声で呟くと同時に10人位の男達が剣で武装した姿で現れ、
そしてリーダーっぽい男が口を開く。
「よおモニカ、何でこんな小汚ないおっさん一人だけなんだ?」
「ゴブリン退治で何らかのお宝を手に入れたんだろ?」
「借金が返せないなら働けよ」
男が懐から証書を取り出しヒラヒラトと振ると、モニカが足を踏み出すや否や
鈴木さんが機関短銃を構えてリーダーの男に向かい射撃を行い
顔面を撃ち抜かれた男から証書を奪うと、さらに機関短銃で敵を薙ぎ払う。
そして残った男一人がモニカを捕まえ首元にダガーを押さえて呼びかける。
「おいおっさん、犬ガキが殺されたくなかったら、
手に持ってるそいつを降ろしてこちらに投げろ」
「ほらー」
「ホントに投げやがってー」
男が慌てて放り投げた機関短銃を手に取ろうと手を離した所で
モニカが先程手に入れた短剣を抜き出し男の後頭部に突き刺し即死させると
軍刀を構えて向かってきた鈴木さんと向き合う事となった。
「モニカよ敵を倒したことは褒めてやる」
「だが俺はどうやってお前を信用すればよいんだ?」
「お兄さんが証書を持ってるから私は何も出来ないよ」
「証文を処分できないという事か?」
「ううん、だから証文を盾に私の体を好きにするのもおじさんの自由だよ」
モニカの目を見ると本気度が窺える、俺には嘘か見抜けられない。
しかし借金で縛られるとはどこの世界も変わらんな。
「俺を殺して証書を奪えば自由の身何だろ?」
「私じゃその証書を処分できない術がかかってるの」
「判った、ならギルドとやらの手続きが済んだら案内分の報酬として
証書をくれてやろう、出来るならヨーコに頼んで術を解除させるの手だな」
「解りました信用しますお兄さん、良ければ私とHしていいですよ」
「まあ、もう少しこの世界を理解してからな」
荒んだ貞操観念に少々驚くも、一息入れる。
そして盗賊達の死体を漁り装備を剥ぎ収納バックに放り込むおお沢山入る。
死体を一か所に集めるとヨーコを起こし火をつけ火葬にすると
離れた場所に腰を下ろし休憩をする。
「ご主人派手に暴れたのう、そうだ教えなければいけないことがあるのじゃ」
「何かあったのか?」
「ご主人の機関短銃だが命を削ってるのではなく
魔力とやらを弾にしてるそうじゃ」
「誰から聞いた?」
「その銃は付喪神化していてな、わらわが軍刀の時に会話を交わして
ご主人に伝えるよう言われたのじゃ」
ヨーコに機関短銃について聞かされ、付喪神化していたのには驚いていたが
こいつも人化するのかと思うと騒がしくなるなと思う。
魔力ね、妖狐や合気武術の爺さんとか怪しい力の持ち主の力の類か?
まあ何より自分の命を削っていない事が分かり一安心だ。
「お兄さん良いかな?」
「どうしたモニカ?」
「魔力とか言ってたけどお兄さん魔法が使えるの?」
「魔法というのが良く分からないのだが、特別な力みたいなのはわかる」
「火を起こしたり水を出したりとか特別な事が出来る力かな?
ヨーコ様が使ってた力だと思えばいいですよ、誰でも持ってるけど
一部の人しか大掛かりに行使したりできない力。
でもお兄さん達知らないの?何か変」
「小娘、少しは事情を甘味しろ」
「ごめんなさい」
モニカがシュンとしてその場が静かになると、今の話を自分の中で吟味する。
ヨーコみたいな力が自分にあるとは、そう言えば女神が
魔力成長パックとか言っていたことに気づく。
「モニカよ、魔力は増やせるものなのか?」
「魔術師に聞かないと詳しくは分かりませんが、
増やせると思いますよ多分ですが」
「判った町に着いたら魔術師に合える手筈を付けてくれないか」
「解りました何とかします・・・」
そして会話も終わり、休憩を終えると3人は町に向けて歩き出すのであった。