生存 その8 ギルドⅡ
ミランに案内されるとそこはこじんまりとした闘技場だった。
そこに屈強な二人の男女が待ち構えていた。
「この場所で摸擬戦をやってもらいたいのよ、スズーキとジョナサンこの大男ね
ヨーコはこのジャリィーとね、お互い木剣で戦ってもらうわ」
弱ったぞ、変身したヨーコで剣を何とか使えるのに、木剣だと無理だぞ
これは機関短銃を使うしかないが手の内をあんまり晒したくはない。
そこで頼んでみることにした。
「スマンが俺は飛び道具使いで、ヨーコは妖術使いだその辺を
考慮してもらえないか、後他の奴らに手の内を晒したくはない」
「わかったおまえら下がれ下がれ、さっさと散れ!!」
突如現れたサブマスターが現れ野次馬たちをこの場から締め出したら
俺達の元へやって来た。
「なら一度その武器の力を見せてくれないか」
「ああ、なら的を何個か用意してくれ」
そうして、ミラン達が二人の剣士を使って的を用意すると、
俺は機関短銃を構える。
確か魔力とやらを放出するとか言ったな、力加減を試してみるか。
10メートル位離れると射撃を腰だめで開始する。
GAGAGAGAGAGHAAAA!
「な、なんだそれは」
他の面子たちが驚きかえる中、
機関短銃の斉射で的を粉砕した、力加減も出来るこれは行ける。
「こいつは俺専用の魔道具だから俺しか使えんぞ、
これで対人戦はやれんだろ?」
「よし、判ったお前さんは魔道具使いか何かか?」
「いや、只の一兵士さ」
「兵士だと、どこかに仕えていたのか?」
「昔の話だ」
「判った取り敢えず次の狐人?・・・・だよな、姉ちゃんの番だ」
不満そうな顔のヨーコに目配せをすると同じように配置された的に向かい合う。
そして尻尾が静かに逆立つと、
「切」
ビシ!
的が真っ二つに切断される。
「懺」
ブシッ!!
残り3つの的が一気にボロボロになり崩れ落ちる。
「こんなもので良いのかえ?」
「おいおい姉ちゃんも凄いな、妖術とか言っていたが魔術師なのか?」
「さあて、自然に使えた力だからのう良く分からぬよ」
「すごいわ二人共、予想通りの力ねサブマスターいいでしょランクDにしても」
「まあいいが、ひと月だけEランクで仕事をして問題ないようなら
Dランクに昇格させてみようか、だが荒事ばかりが仕事じゃないからな」
サブマスターが唖然としているモニカの方を向くとこう告げた。
「低ランクの仕事なしだとさすがに不味いな、モニカに付いて1月低ランクの
仕事をこなしてくれ、それで失敗が続けば低ランクからの正式なスタートとする。
これでいいですかギルマス」
取り敢えず合格はしたようだ、だが下積み期間がもうけられてしまった、
郷に入っては郷に従えだ。
しかし会話の中で不自然な事があったなミランの事をギルマスと敬語で呼んでいた?
「なあミラン、ギルマスってなんだ?」
「お前さっきからミラン様に馴れ馴れしいぞ×2」
突然屈強な二人が俺に襲い掛かかってきたので女の方をヨーコに任せて
男の方に立ち向かう。
ポケットに手を入れ握ると向かってきた男の顔に砂を振りかける。
「うわ何しやがる!!」
突進を止めて目元を両手で押さえると空いた臀部につま先蹴りを打ち込む。
「ドオオオオン!!!」
「げええふふう!」
一撃で相手を倒吐しゃ物を吐かせノックアウトした、変だ俺はこんなにも
力は強くなかったはずだが、そう思いながら振り返りヨーコの方を見ると、
剣をギリギリで避わし女の後ろに回り込むと組み付いて、
急に伸びた爪を女の眼前に付きつけると女の方が戦意をなくしていた。
可哀そうに漏らしてやがる…
パンパン
「ハイハイ終了終了、ゴメンね!ウチの若いもんが先走っちゃってでも
二人が武器や魔術が無くても強いのわ分かったわ。
取り敢えず合格だから、そうね私が対応するわ来て二人共」
モニカが場を収めると、そのまま何かの手続きへと移動するようだ。
そこで取り敢えず先程の質問をしてみることにした。
何となくだが当りはついちゃあいるが。
「それでミラン、ギルマスってなんだ?」
「鈍いのやら良く分からないけど、此処のギルドで一番偉い人の事よ
ギルドマスター通称ギルマスね♡」
「これは失礼ギルドマスタード殿」
「ご主人も上官には弱いのう」
「あらあら、急に畏まっちゃって本当におかしな人達ね、
いいわ色々説明するから付いてらっしゃい」
そうして俺達は年下のギルドマスターに連れられて事務室へと
説明を受ける為に向かうのであった。