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物語詩

幸せの定義

作者: 紅葉カナ

ママ、私を産んでくれてありがとう。

病院での生活は退屈だけど。

ママがいてくれればそれでいい。

だから、未来を想像して泣かないで。

一緒に楽しい想い出をつくっていこう。

天国には笑って行きたい。


ママ、私のことをちゃんと見て。

どうしてそんなに暗い顔をしているの。

辛いからって、目を逸らさないで。

一緒に乗り越えようって約束したのに。

私は可哀想な子じゃないって。

なんど説明したら理解してくれるの。


ママ、海に行きたい。

山に行きたい。

友達と駆けっこがしたい。

どうして私は何もしちゃいけないの。

こんな人生つまらない。

私は何のために生まれてきたの。


ママ、迷惑ばかりかけてごめんなさい。

いつも遅くまで働かせてごめんなさい。

恩返しがしたいけど。

私にできることは何もない。

見捨ててくれて構わないのに。

そしたら、私も楽になれるのに。


ママ、良い子になれなくてごめんね。

ママのことは大好きよ。

でもね、同じくらい憎く感じるの。

もしもの世界を想像してしまう。

どうして私はママの娘なんだろう。

せめて、健康な体が欲しかった。


ママ、助けて。

胸が痛いの。

苦しいの。

まだ死にたくなんてない。

やりたいことだっていっぱいある。

ママとお別れなんてしたくない。


ママ、どこにもいかないで。

ずっと側にいて。

私が死ぬまで語り続けて。

耳だけはまだ聞こえているから。

独りぼっちにはさせないで。

怖くて怖くて、たまらないの。


ママ、先立つ不孝を許してね。

最期まで一緒にいてくれてありがとう。

私はこれから世界を旅して周るわ。

たまには私のことを思い出してね。

お墓には綺麗な花を供えて欲しい。

私はママの娘で幸せだったよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても切ないですね……。 幸せってなんでしょう。
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