転生したら双子の妹(三歳)ができた!
「気付いていると思うけど、俺、転生者なんだ。」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
(あれ~?なにこの間。黙られるとキツいぞ。)
「な、なぁ、優菜、何とか言ってくれよ?」
「……。」
「……。」
「キモい。」
「キモい!?」
「うるさ…。」
「うるさ!?」
時はあっという間に流れ、現在、俺と優菜は3歳になり喋ることができるようになっていた。
そして、俺はとうとう優菜に一世一代の告白をした。
だが、その返答は期待していたものとはまったく違ったのだ。
「転生者って何のことか知らないけど、私の兄がキモくてうるさいからもう寝る。」
そういって、優菜は布団が敷かれている隣の部屋へと消えていった。
「……。」
(いやいや、3歳でキモいとかうるさいとか言わないでしょ。
絶対、転生者だよな…。
けど、優菜は認めない…。)
「てか、そんなことより、俺はキモいのか…。」
3歳になり、ますます可愛さに磨きがかかる超天使の我が妹、優菜。
そんな優菜にキモい、うるさいとあしらわれた兄の俺。
「もう生きていけない…。」
床に手をつき、項垂れる。
「あらあら、どうしたの?」
「お゛か゛あ゛さ゛ん゛ー!」
そして、大号泣。
前世を足せば30歳近い俺は今の母親に泣きつくしかなかった。
それほどまでに優菜からのキモいはショックだったのだ。
「よしよし。そんな泣かないの。優菜に見られてるわよぉ。」
「え゛…。」
俺は顔を上げ、隣の部屋の入口を見た。
「ジーーーー」
「えと、優…菜…?違うんだよ?何が違うのな分からないけど、とにかく睨まれるようなことは何も…。」
「ふんっ!」
「あ……。」
「あらあら…。」
(もう本当にダメだ。終わりだ。我が愛しの天使が反抗期に…。いや、もう生まれたときから睨まれてたけど…。今日は言葉でハッキリと!!キモいとか!!うるさとか!!……。)
「終わりだ…。」
「大丈夫よぉー。はぁ。」
(現世の母よ、撫で撫でが雑だよ…。)