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成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
マレイグルリ編

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上級ダンジョンの報酬一覧

【称号:迷宮踏破者Ⅶが迷宮踏破者Ⅷにスキルアップした】

【クリア報酬スキル:思考防御を取得した】

 ――思考防御。心が読まれなくなるスキル。

 さっきミネルヴァ様が俺に施した処置は、クリア報酬スキルという形で反映されるのか。

「ご主人様、どうなさったのですか?」

「いや、なんでもない」

 さっき見たこと、聞いたことは誰にも言うなって言われた。

 あぁ、チクショウ、一気に情報が入りすぎだ。

 世界の終焉? ミリが女神に? マイワールドがミリの世界? 無職にスキルを設定したのがメティアス様?

 そもそも、なんで俺がこの情報を知らないといけないとメティアス様は書き記したんだ?

 俺って、ただの無職だぞ?

 頭の中が疑問符だらけだ。

「イチノジョウ様、本当に大丈夫ですか?」

「ああ、ララエル。大丈夫だ。一度ボス部屋から出て、マイワールドに戻ろう」

 俺は三人に心配させないように笑みを浮かべ、女神の間から出た。

「そういえば、キャロが手に持ってるのはレアメダルか?」

「はい。私の迷宮踏破ボーナスはレアメダルでした」

「ララエルとハルはスキルだったんだな」

 アイテムが手に入っていないということはスキルだと思った。

 しかし、違った。

「私は針でした」

「針?」

 ハルが俺に見せる。

 確かに縫い針だ。金色に輝いているが、針って――これならたわしの方がいいんじゃないか?

「ん? えっ!?」

 俺は針を注視し、思わず声を上げてしまった。

「どうなさいました?」

「金属鑑定したんだが、その針――ただの金属じゃない! オリハルコンだ」

 オリハルコンの針があるなんて。

 そう思ったところで、ハルがオリハルコンの針を放り投げ、素早く二本の剣を抜いた。

 まるで野球の球のようにオリハルコンの針が飛んで行った。

「え? ハル、何してるんだ?」

「オリハルコンだと仰ったので、斬れないかと思ったのですが……なるほど、確かに頑丈ですね」

 オリハルコンを目にして最初にするのが斬ることなのか?

 逆に剣が傷つくだろ……あ、剣の自動修復スキルがあるから刃こぼれしても大丈夫なのか。

 ハルが落ちているオリハルコンの針を回収した。

「ははは……で、ララエルはスキルだったのか? それとも針?」

「私は伝令というスキルを賜りました。特定の人に言葉を送るスキルです。言葉を送るには、送る相手に登録する許可を頂く必要があるようです。イチノジョウ様を登録の許可を頂けますでしょうか?」

「ああ、頼む。伝令か。マイワールドからアザワルドへも声を届けられるかどうか試してみないといけないな」

 その後、俺が貰ったスキルについても説明し、ボス部屋を出たところでマイワールドに戻った。


 マイワールドに戻り、ララエルとキャロは露天風呂に向かった。ダンジョン攻略の疲れを取るのが目的だろう。スタミナヒールで体力の回復をしておいたので、気分の問題かもしれないが。

 ハルにはフユンの世話を命じた。

 ダークエルフたちも一緒に世話をしてくれているが、そのダークエルフたちから、フユンはハルに世話をされるのが一番落ち着くだろうと言われたのだ。

 まずは恒例のレベルアップの確認だ。

 現在の職業別のレベルは以下の通り。

【無職LV121 上級鍛冶師LV32 法術師LV80★ 魔工鍛冶師LV26 魔記者LV80★】

 魔記者は唯一の低ランクの職業なので、たった一回の攻略で極めてしまっていた。レベルが50近く上がっている。

 それに比べて、無職のレベルはなかなか上がらないな。

 一度限界突破しているのが原因だろう。

 次は取得したスキルと職業の確認だ。と思ったところで、ナナワットがやってきた。

 うん、こうして毎回出迎えてくれるようになったのは嬉しい。

 キュルルルと鳴いたので、俺はアイテムバッグから切り分けておいた象肉を与えた。

 ナナワットが象肉にむしゃぶりつく間、ログを確認した。

 法術師については毎回確認していたので、それだけは除く。

【イチノジョウのレベルが上がった】

【無職スキル:眷属伝令を取得した】

【上級鍛冶師スキル:属性付与を取得した】

【上級鍛冶師スキル:打ち直しⅡが打ち直しⅢにスキルアップした】

【魔工鍛冶師スキル:魔法付与を取得した】

【魔工鍛冶師スキル:解放設定を取得した】

【魔記者スキル:インク節約を取得した】

【魔記者スキル:札リサイクルを取得した】

【魔記者スキル:インク強化を取得した】

【魔記者のレベルはこれ以上上がりません】

【称号:魔記者の極みを取得した】

【職業:魔文官が解放された】

【レシピを取得した】

 レシピが大幅に増えているな。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 眷属伝令:魔法系スキル【無職レベル120】

 眷属に伝令を送ることができる。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 おっと、ここにきて微妙にララエルと被った。

 まぁ、俺の眷属は現在、ハルとキャロのふたりだけなので、伝令の方が使い勝手がいい気がする。

「眷属……か」

 俺が呟くと、象肉を食べていたナナワットが顔を上げた。俺は優しくナナワットの頭を撫でて、象肉を食べるように促し、考える。

 眷属という言葉、無職のスキルにしては妙だと思っていた。

 引きこもりについてもそうだ。

 それまでのスキルは、職業を増やしたり、職業を変えたり、職業を調べたりと、職業に関するスキルばかり増えていた。しかし、ここ最近覚えているのは、自分の世界を創造したり、眷属に関するスキルだったり、なんかよくわからないスキルだったりと職業とは無関係のスキルばかりだった。

 そういうものだろうと考えていたが、ようやく合点がいった。これは神に関するスキルなのだと。

 神のように世界を創造し、眷属を作る。そして、【××××】。突然別の場所に転移したり、眷属を召喚するスキルが発動したりした。これは俺の意志ではなく、もっと上位の、それこそ神の意志のようなものに振り回されるというスキルなのではないだろうか?

 そう思えてきた。

 まぁ、すべて自論――いや、論といえないので自説と言った方がいいだろう――に過ぎないのだが。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 属性付与:生産系スキル【上級鍛冶師レベル20】

 武器、防具、装飾品を作成するとき、特定の属性を付与することができる。

 装備品以外に属性を付与することはできない

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 鉄の剣や武器を作るときにも属性を付与することができるのか。

 光属性を付与することができれば、ゴーストすらも斬ることができる剣になるのか。

 水の剣に火属性を付与したらどうなるのかも試したいが、水蒸気爆発したりしそうで怖い。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 魔法付与:生産系スキル【魔工鍛冶師レベル20】

 特定の魔法を武器に付与することができる。

 魔法が解放されたとき、武器は消滅する。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 武器の消滅と引き換えに魔法を使うことができるってことか?

 使い捨ての魔法道具ができるって感じだな。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 解放設定:生産系スキル【魔工鍛冶師レベル20】

 武器に付与した魔法を解放させるための方法を設定する。

 魔法付与を行っていない武器に設定しても意味はなさない。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 どうやったら魔法が解放されるかは自由に選べるらしい。

 剣が折れたらとか投げたらとか、そういう設定が可能なのだろう。

 このスキルを見て、俺は思い出した。

 かつて、フェルイトのダンジョンでジョフレが投げたエクスカリパー。

 あの剣は投げることで光り輝き、闇を打ち払った。

 きっと、光の魔法を込めていたのだろう。

 でも、あの時のエクスカリパーはただの鉄の剣だった。

〈そうか、鍛冶の銘か〉

 銘入れ――武器に名前をつけることで、その名に応じた力を発揮させることができるスキルだ。

 真里菜が教えたのだろう。

 投げて消滅するならば、エクスカリパーが最強だと。

 おそらく、この世界には一度投げるだけで消滅するような伝説の武器など存在しないのだろう。しかし、真里菜からその話を聞いたカノンはその話を信じて武器を作った。

 結果、通常の何倍もの威力の使い捨ての剣が出来上がったに違いない。

「鍛冶って俺が思っている以上に奥が深いな」

 鍛冶系のスキルはここまでだ。

 次は、魔記者のスキルだ。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 インク節約:生産系スキル【魔記者レベル20】

 札を作成するとき、少ないインクで作成できる。

 ただし、インクを節約した分、札の威力も下がる。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 これは、札の作成に必要なインクが減るというスキルか。

 でも、威力が下がるなら、使うことはないだろうな。

 いや、手加減する攻撃にするときは使えるかもしれない。あと、通信札や転移札のような威力とは無関係の札を作るには問題ない。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 札リサイクル:生産系スキル【魔記者20】

 このスキルを使って作成した札が使われたとき、一定の確率で札が再度使えるようになる。

 確率はスキルのレベルと札の種類によって変わる。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 一度破れた札を修復するスキルじゃないのか。

 まぁ、札を多く作るときは使っておいた方がいいスキルだろう。

 魔記者のレベルはこれ以上上がらないが、限界突破薬を飲んで魔記者のレベルをさらに上げるか、魔文官のレベルを上げれば札リサイクルのレベルも上がっていくだろう。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 インク強化:生産系スキル【魔記者レベル80】

 インクが色落ちしにくくなり、経年劣化しにくくなる。

 また、多くインクを使うことで、札の威力が上がる。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 経年劣化云々を除き、インク節約とは逆の効果があるスキルか。

 これは逆に通信札や転移札に使っても意味がないだろう。

 いや、もしかして、通信札に使えば通信の感度がよくなるのだろうか?

 インク節約、通常、インク強化、それぞれの札を作って確かめてもいいかもしれない。

 とりあえず、スキルの確認はこれで終わりだ。

 次は試しにスキルを使ってみるか。

 俺は眷属伝令のスキルを使った。

『ハル、現在、眷属伝令というスキルを使って試しに声を送っている。俺の声が聞こえたら、リリアナを見つけて、魔記者用のインクと札、あと筆を持ってくるように伝えてくれ。もしも用事があって来られないようなら、近くにいる誰かに伝言を頼む』

 伝令を送ってみた。

 しかし、返事は来ないので、少々不都合がある。

 これなら、通信札を使って通信をしたほうがいいだろう。

 これまで魔記者の札を作れなかった分、いろいろと作ってみたい。

 レシピを確認しよう。

「マジックタグレシピオープン」

 俺はそう魔法を唱えた。

 札は攻撃系、支援系、その他の三種類がある。

 攻撃系として登録されている札は属性ごとにわかれていて、以下の通りだ。

――――――――――――

火属性:火札・爆破札

水属性:水札・水爆札

土属性:土札・土砕札

風属性:風札・乱風札

氷属性:氷札・雪氷札

雷属性:雷札・雷竜札

光属性:光札・聖光札

闇属性:闇札・暗黒札

――――――――――――

 それぞれ二種類あり、草属性のような変わった属性の札はない。

 次は支援系。

――――――――――――

防御系:魔盾札・硬盾札

回復系:回復札・解毒札

強化系:強化札

――――――――――――

 名前だけしかわからないけれど、大体の効果はわかる。法術師が使うシールドやヒールなどの回復魔法に似ている。強化札は身体機能を強化できる札か。

 残念なことに、解呪の札はなかった。

 解呪札があれば、ディスペルがなくても対処できると思ったんだけど。

 最後にその他の札を確認した。

 その他は、系統別に区分けされていない。

――――――――――――

通信札

通話札

設定札

消音札

拡声札

範囲札

発信札

録音札

受信札

鑑定札

転移札

――――――――――――

 転移札も作れるようになっていた。

 鑑定札とか面白そうだな。

 でも、ここまでいろんな札があるのなら、札屋とかあってもいいと思うんだけど、これまで来た町の中でそんなものはなかったよな?

 んー、謎だ。

 そう思っていたら、ナナワットが顔を上げ、遠くの方を見る。

「ご主人様、お待たせしました。リリアナさんを連れてきました」

「おっ、伝令が届いていたのか?」

「はい、ご主人様の声が聞こえました。これはいいスキルですね。遠くに離れていてもご主人様を近くに感じられるようです。今でもあの時の興奮が忘れられません。耳ではなく心に直接届く感じがしました」

 え? そんないいのか?

 俺もハルを近くに感じたいな。

 覚えてくれないだろうか、主人伝令ってスキルとか。

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