表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/448

エピローグ

 冒険者ギルドを出る。

 誰も後ろからついて来ていないことを確認し、俺はため息をついた。


 そして、町の門近くの馬屋に向かった。

 ここから乗合馬車が出るらしく、今は無人の馬車がメンテナンスされていた。

 幌もついていない、荷車のような馬車だ。


「おう、ルー――」

「俺の名前はイチノジョウだ、ジョフレ」

「そうか、じゃあ、ジョーだな。ジョ仲間だな」


 真っ白に燃え尽きそうなニックネームだな。

 日本での本名はイチノスケだから、そんなニックネームをつけられるのは生まれて初めてだ。


 あと、勝手に仲間にされた。


 そして、ジョフレは貨幣の入った袋を前に出して俺に今日の報告を告げた。


「大儲けだぜ。鱗100枚ぴったりでなんと800センスになったんだ」

「しかも、大きな鱗が5000センスになったの。魔力実験の触媒になるって言ってたわ」

「合わせて5800センスだ」

「掛けたら400万センスよ!」

「なら合わせて400万5800センスだな!」


 掛ける意味もなければさらに合わせる必要もないだろうに。

 てか、暗算早いな。実は賢いんじゃないか?


「でも、ギルドの依頼書をはがしたから500センスの罰金だった」

「よかったじゃないか。5300センスも残って」

「あぁ、盗賊やってた罰金4100センス支払っても1200センスも残ったぜ」

「これで1年は生活できるわ」


 1200センス……12万円で1年か。

 袋の中はどうやらほとんど銅貨だったようだ。100枚が銅貨で11枚銀貨らしい。

 こっちの世界でも1年が12ヶ月だとすれば、バカップルで1ヵ月1万円生活をリアルでしているのか……すごいな。


「ありがとうな、ジョー! お前に出会えてよかったぜ!」

「ありがとうね、ジョー! 今度会ったら一緒にお酒でも飲みましょう! ハルもね!」


 ハルにはお酒を飲ませたらダメだな、と思いながら、ふっと、俺の肩の重さがなくなった気がした。

 俺も、こいつらに出会えてよかったと思ってしまう。


「ま、1200センス、もう全部使っちまうんだけどな」

「全部!?」

「ああ、馬を買って、旅に出ることにしたのさ」


 買い物も豪快なら、生き方も豪快だな。

 なんともまぁ……買われる馬は憐れなことで。


「お客さん1200センスですと、こちらになりますがよろしいですか?」

「おう、僕に相応しい最高の名馬だな。毛並みがとてもきれいだ。エリーズには敵わないけどな」

「かっこいい馬だわ。ジョフレには及ばないけど」

「エリーズ」

「ジョフレ」


「スラッシュ!」


 抱き合おうとする二人に、俺は思わず手刀を放っていた。


 おそらく馬屋の主が連れて来たソレは嘶いていた。

 小さな体、短い脚、どう見てもそいつはロバだった。


「じゃあな、ジョー!」

「じゃあね、ジョー!」


 二人は一頭のロバにまたがると、仲良くゆっくり去って……いかずに草を食べていた。


 最後まで笑わせてくれる奴らだ。


 馬車のメンテナンスが終わり、俺達は運賃を支払って馬車に乗り込む。

 代金は二人で120センスだった。他にも幾人か馬車に乗り込み、無言で座った。



「イチくーん!」

「お兄さん!」


 もう少しで発車という時間に、マーガレットさんとノルンが走ってきた。

 マーガレットさんの手にはランチバッグが、ノルンの手には金属の筒が握られていた。


「これ、約束のお弁当よ♪ 二人分作ってきたわ」

「お兄さん、スープも持ってきたわ。ハルさんと途中で飲んでね」

「ありがとう、マーガレットさん、ノルンさん。また必ず戻ってきますから、その時はまた、ごはんを御馳走してください。お土産持ってきますから」

「ありがとうございます、マーガレット様、ノルン様。二人から受けた恩は白狼族の名にかけて、生涯忘れることはいたしません」


 ハルはいちいち言うことが大袈裟だな。

 でも、俺もこの二人に出会えてよかったと本当に思う。


 そして、馬車は動き出す。

 俺は、二人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。


  ~第一部 ハルワタート編 完~

一章終了時ステータス(物理特化)


……………………………………………………

名前:イチノジョウ

種族:ヒューム

職業:無職Lv62 拳闘士Lv18 剣士Lv19 見習い剣士Lv28 狩人Lv25


HP:376/376(10+102+135+81+48)(×1.1)

MP:72/72(8+9+15+19+21)

物攻:469(9+151+124+82+61)(×1.1)

物防:410(7+102+140+69+55)(×1.1)

魔攻:88(4+14+20+19+31)

魔防:89(3+16+25+23+34)

速度:436(4+139+92+99+102)(×1.1)

幸運:66(10+10+10+10+20)(×1.1)


装備:綿の服 皮の靴 鉄の軽鎧 鉄の剣

スキル:【剣装備Ⅱ】【スラッシュⅡ】【回転切りⅡ】【剣術強化(小)】


取得済み称号:レアハンター 迷宮踏破者 スキルマニア

転職可能職業:平民Lv31 農家Lv1 狩人Lv25 木こりLv14 見習い剣士Lv28 見習い魔術師Lv26 行商人Lv6 見習い槍士Lv1 剣士Lv19 弓士Lv1 斧使いLv1 槌使いLv1 見習い錬金術師Lv6 魔術師Lv9 拳闘士Lv18 遊び人Lv1


天恵:取得経験値20倍 必要経験値1/20

……………………………………………………

○整理済みスキル

ステータスアップ

【HP強化(微)】【物攻強化(微)】【物防強化(微)】【速度強化(微)】【命中補正(微)】【幸運強化(微)】【拳攻撃】

装備系

【弓矢装備】【杖装備Ⅱ】【斧装備】

魔法系

【火魔法Ⅱ】【水魔法】【土魔法】【風魔法】【雷魔法】【魔力ブースト】

戦闘術

【投擲】【気配探知】

生産術

【伐採Ⅱ】【解体Ⅱ】【錬金術】

鑑定系

【スキル説明】【職業鑑定Ⅱ】【食品・鉱物鑑定】

その他

【第五職業設定】【職業変更】【スキル整理】

……………………………………………………

○魔法

プチファイヤ:Lv1

プチウォーター:Lv1

プチウィンド:Lv1

プチストーン:Lv1

プチサンダー:Lv1

ファイヤ:Lv1

……………………………………………………



これで第一部終了です。


気が付けば週間ランキング1位という栄誉ある賞をいただき、

ブックマーク、評価をしてくださった皆様には感謝してもしきれないです。


気付いている方はいないと思いますが、6人の女神、奴隷の最初が獣人という設定は、私が中途半端に書いて終わらせてしまった

「KISSから始まるチートな無双時間」

から取り出しました。もしかしたら、こちらと似たような設定がいろいろと出てくると思いますが、温かい目で見守っていてください。


第二部でも主人公はいろいろと頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ