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無職レベル90

 六ケ所目の迷宮探索。

 俺とハル、ステラの三人で潜ることに。迷宮の中は、いままで来た迷宮と同じように明るい。

 だからこそ、迷宮のクリアボーナスが貰えないという言葉がちょっとわからなかった。

 もしかしたら、迷宮そっくりの魔物の巣かとも思ったが、普通の魔物の巣は、こんなに明るい壁にはならないはずだ。


 この迷宮探索ではとりあえず、ダンサーや歌手、鍛冶師といった非戦闘職をメインにレベルを上げ、保険として侍を入れておいた。

 ステータスを確認するとこんな感じだ。


……………………………………………………

名前:イチノジョウ

種族:ヒューム

職業:無職Lv89 ダンサーLv1 歌手Lv1 鍛冶師Lv1 侍Lv1


HP:206/206(10+25+23+30+84)(×1.2)

MP:192/192(8+30+40+18+52)(×1.3)

物攻:199(9+12+11+30+104)(×1.2)

物防:167(7+15+14+24+92)(×1.1)

魔攻:129(4+20+24+12+58)(×1.1)

魔防:144(3+25+27+16+49)(×1.2)

速度:122(4+40+10+15+52)(×1.1)

幸運:66(10+15+15+10+10)(×1.1)


装備:綿の服 皮の靴 鉄の軽鎧 アクラピオスの杖

スキル:【剣装備Ⅱ】【スラッシュⅡ】【回転切りⅡ】【剣術強化(中)】【二刀流】


取得済み称号:レアハンター スキルマニア 職業マニア 迷宮踏破者Ⅳ 剣の道 見習い魔術師の極み 狩人の極み 見習い法術師の極み 拳闘士の極み 槌使いの極み 見習い鍛冶師の極み



無職Lv89 平民Lv75 農家Lv3 狩人Lv60★ 木こりLv14 見習い剣士Lv40★ 見習い魔術師Lv40★ 行商人Lv6 見習い槍士Lv8 剣士Lv60★ 弓士Lv1 見習い錬金術師Lv37 魔術師Lv67 斧使いLv1 槌使いLv40★ 拳闘士Lv60★ 遊び人Lv13 魔記者Lv1 見習い法術師Lv40★ 解体士Lv1 見習い鍛冶師Lv40★ 錬金術師Lv33 法術師Lv48 音楽家Lv1 歌手Lv1 ダンサーLv1 芸術家Lv10 魔法剣士Lv12 火魔術師Lv12 水魔術師Lv1 風魔術師Lv1 土魔術師Lv12 侍Lv1 剣聖Lv1 剣闘士Lv1 槌士Lv1 鍛冶師Lv1


天恵:取得経験値20倍 必要経験値1/20

……………………………………………………


 俺はステラに聞こえないように、ハルの頭の上のモフモフした耳に声を呟く。


「ハル、ちょっと今、俺弱くなってるから暫く頼むな」

「……はい、ご主人様」


 一瞬、本当に一瞬だが、ハルの顏が赤くなった気がした。


「どうした?」

「耳にご主人様の息がかかって、ちょっと気持ちよかっただけです」

「……それは……ご馳走さまです」


 いや、お粗末さまでした、と言うべきだっただろうか?

 そう思っていたら、


「ヒュームはどこでも発情するというはにゃしは本当だったのニャ……でも、初心者用とはいえ迷宮だから少しは気を付けて欲しいニャ」

「……すまん」

「……申し訳ありません」


 じと目で見てくるステラに、俺とハルは素直に謝罪した。


「魔物がいないな……」

「キャロの力が欲しいですね」

「いや、まぁそこまで切羽詰まってるわけじゃないよ」


 キャロの能力は諸刃の剣だ。特に、あの力を使う時は、俺も全力モードでいかないと。

 少なくとも、低レベルの職業を鍛えるために使うことはできない。

 万が一にも、俺やハルたちが傷つくことがあれば、せっかく自分の能力に向かい合おうとしていたキャロの気持ちを壊してしまうことに繋がるかもしれない。


「ご主人様、魔物が一種類こちらに近付いてきます」

 鼻をピクピクと動かした。相変わらず、ハルの嗅覚は反則だな。

 俺の索敵スキルでもまだ魔物の気配は捉えきれていない……いや、今捕捉した。

 って……多いな!


「フラットラットニャ」

「平べったいネズミが大量に現れた――イチノはおどろきとまどっている」


 あまりの多さに、俺はそんなことを呟いてしまった。

 まるでヒラメのようなネズミだ。

 平べったいため、横薙ぎの剣で一気に複数蹴散らすのが難しい。

 回転切りは使えないか。


「とりあえずスラッシュ!」


 鋼鉄の剣を使い、フラットラットに剣戟を放つ。

 剣戟を受けた三匹のフラットラットは血飛沫を巻き上げて倒れ、魔石を含めた複数のアイテムを残して消えた。

 だが、その魔石もすぐにフラットラットの大群に飲み込まれる。


「やっぱりここは魔法で――」

「――私が行きます」


 ハルが二本の剣を持って、ネズミの群れに突撃した。


「まぁ、フラットラットは攻撃力も大したことにゃい魔物だから、ハルさんひとりで大丈夫ニャ」

「……ステラは戦わないのか?」

「私はネズミはあまり好きじゃにゃいニャ」


 ……猫の癖にネズミが嫌いなのか。

 どこからの青い猫型ロボットみたいだな。


「でも、ハルの奴、凄いやる気だな」


 二本の剣を使い、スラッシュを混ぜながらネズミを殲滅していく。


「ハルさんみたいにゃ人がやる気を出す場合、たいてい好きにゃ人のためニャ」


 ……あぁ、俺が「頼む」って言ったからか。

 常にハルのターンという感じで、敵の噛みつき攻撃を全く寄せ付けない。

 俺もスラッシュで援護はするが、もう援護なんて必要ないくらいだな。


 そして、僅か三分の激闘の後、残ったフラットラットたちが逃げていく。

 戦いの終わりは、恒例のレベルアップ表示だった。


【イチノジョウのレベルがあがった】

【無職スキル:××××を取得した】

【ダンサースキル:ムーンウォークを取得した】

【ダンサースキル:みかわしステップを取得した】

【歌手スキル:大音響を取得した】

【歌手スキル:眠りの歌を取得した】

【鍛冶スキル:鍛冶が鍛冶Ⅱにスキルアップした】

【侍スキル:刀装備を取得した】

【侍スキル:居合斬りを取得した】

【レシピを取得した】


 ……え?

 無職のレベルが90になったから何かスキルを覚えたのだろう。

 だが、そのシステムメッセージが何かおかしい。××××って、一体なんなんだ?

 スキル一覧を見ても、無職になって覚えたはずのスキルが表示されていなかった。


「……あぁ、バグったのか」


 まぁ、もともと無職でスキルを覚えるということ自体がバグのようなものだしな。

成長無職1巻発売まで残り4日になりました。

一部店舗では土曜日にも売っているそうなので、時間がある人は本屋に行ってみてください。

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