避難場所
朝になった。あれから彼らはやっては来なかった。杞憂し過ぎたのか?(慎重にならなければ)そう思い今日の動きを決める事にした。(都心部は危険な気がする。死人達もそうだけど、昨日みたいなヤツラもいるってのを改めて体感出来た。ここがバレたのも事実。次の場所を考えなくては。)
現時点で
ガソリンは満タン、プラス100リットル
食糧は1人だったら切り詰めれば水含め1か月分位
「これだけあればしばらく持つだろ。避難場所って言ってた小学校に行ってみるかな」
そう思い車を走らせた。道中やはりと言うべきか死人達で溢れてた。だが、一部身体機能は死んでいるのか走れないのだけは助かったと思いたい。近くを走ると追ってくる動作はするが捕まる心配はない。途中乗り捨てられた車が邪魔でUターンを余儀なくされる場面が何回かあった。乗り捨てられた車の中に何か使えそうなのがあるか確認したかったが、死人達が多すぎて車から降りる事が出来なかったのだ。
「小学校はもうすぐだな」
校舎が見えて来た・・・が様子がおかしい。煙が立ち上っている。門は開いていた。誰もいなそうに感じた。所々血が付いている。(何かあったのか?避難場所行けば情報が何かあったかも?お、校舎から誰か出てきた・・・い、いや違う死人達だ。車の音で気づかれたか!?)校舎から何十人と死人達が出てきた!広一はこれ以上いれる状態では無くなってしまった。(早く立ち去らないと囲まれる。残念だけど逃げよう)急いで小学校から出ていき次の場所を探す事にした。
少し開けた場所で車を止め、トランシーバーの電源を入れた。一通りチャンネル合わせたが今回は声は聞こえる事はなかった。
「さて、何処に向かうかな?山の方に行ってみるかな?でも海なら魚もあるしな」
そう思い車のナビを確認した。(埼玉からだから山のが近いよな。でも出来れば雪が少ない地域のよいし、やはり海かな)まずは近くの関越から高速に乗る事にした。
近くのインターの入り口まではだいたい20キロ、道中なるべく狭い道ではなく広い通りを選んだ。狭い道だと棄ててある車両があると身動き取れなくなる可能性があったからだ。途中生存者が車乗ってたりしたがやはり生存者は少ない・・・1日おきに死人が増えてるのも体感出来る。早く落ち着ける場所を見つけなければと思った。
インターの入り口に着いた。しかし広一の考えは甘かったのかも知れない。インターの入り口が車両が邪魔で通れなくなっていた。車両の中には死体があった。しかし動いてはいない。フロントガラスが割れてるのを見ると事故して頭からぶつかったのであろう姿になっていた。(高速に乗れないなら下道か。大丈夫かな?)そう思い車を走らせた。海側にしよう。山だと万が一陸の孤島になると困るしな)ナビを太平洋側に適当に合わせた。道中ずっとラジオを付けたままにしていたが相変わらず何も聞こえない。(ダメか、そもそも停電だからダメなんだろな。)車をしばらく走らせていると先の方に一件の店が見えて来た。キャンピングカー専用の店だった。(今の100のランクルも好きだけどキャンピングカーのが長期を考えれば良いのかも?入ってみるかな。)店は門が閉まっていた。店の前には3体の死体が歩いている。裕一はそのまま車で当てに行き撥ね飛ばす。倒れている所を、ホームセンターで買っておいたバールで脳を突き刺した。3体は動かなくなった。(うぇ・・・相変わらず刺す時の感触が慣れない。)門は南京錠が閉まっていたが、これもホームセンターでかったチェーンカッターで切り裂く。門を開け車ごと入りまた門を閉めた。念の為に番線で門を巻いて鍵代わりに閉めておいた。(さて、まずは死人達が店の中にいないか確認しないと、ゆっくり車が見れないしな。)ボウガン持ちながらベルトにナタとバールをぶら下げて警戒する。車は全部鍵が閉まっている為に鍵があるであろう事務所に言ってみた。中の様子を伺う。門が閉まってただけあって中に人影は無かった。室内を探し鍵を探す。ロッカーの鍵が閉まっているのはバールでこじ開ける。(平時に戻ったら俺捕まるかな?)裕一はそう思いながらロッカーをこじ開けた。お目当ての鍵の束を見つけた。店内の車を一通り確認する。始めはランクルで、ヒッチメンバーで引っ張って行こうかと思っていたが、色々あって目移りしてしまう。
キャブコン
バンコン
バスコン
それぞれに全部良いところがあるだろう。しかし裕一は今回はガソリン4WDにこだわった。棄ててある車両から燃料をとる場合に圧倒的にガソリンが多いと思ったらだ。4WDは冬に雪でスタックなんかしてヤツラに囲まれたらこまるからである。
結果ヒッチメンバーで引っ張っるタイプのトレーラーベースの物にした。急ぎで出てしまった為にスタットレスタイヤを忘れてきた。だが、ショップだけあってランクル用のタイヤは完備していた。ついでにトレーラー用のスタットレスタイヤも見つけた。タイヤと油圧ジャッキをトレーラーに入れて、調理用のガスと電気用の燃料、バッテリーを慎重した。事務所にウォーターサーバーがあったので、トレーラー用にとウォーターサーバータンクを詰め込んだ。
「良し、これで良しと。さて行くかな。」
番線を切り門を開け、車をだした後に念の為に再度番線を止め出発した。