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終末は突然に  作者: SMILE
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散策

 どうやらあのまま寝てしまったらしい。時計を見たら10時だった。昨日の夜中の出来事が現実か確認しようと外を見た。死人らしい人物が昨日見たよりも多い。むしろ死人しかいないように見える。(たった数時間でここまで変わるのか)と広一は思った。死人達は走らず皆歩いている。こいつらは走れないのか?見える範囲のやつらは走ってはいなかった。

 遠くの方に目をやるといたる所で火災が起きていたが警察や消防のサイレンは聞こえなかった。代わりに叫び声がたまに聞こえる気がした。

 「この状態じゃ収集は不可能だな。日本は大丈夫か?ってか世界的な問題か?どちらにせよ情報収集だな。」

 しかし広一に出来ることは車に行ってラジオを聞くことしか現状の選択肢が無い。これはリスクが高い。死人の動きが把握出来ていないのが一番危険だ。(ひとまず色々試してみるか)


その1 視覚

そもそもどういう風に確認するべきか?慎重に一階に降りてみる。このマンションは周りが塀で覆われてるタイプだからか中にはいなそうに感じる。

入り口の門越しに死人はいた。とりあえず手を振ってみる。気づいてないようだ。視力は下がってるのか?今度はもう少し近くにいってみた。少し近づいたら気付いたのこっちに向かってきた。(ヤバイ隠れなければ)そう思い死人の死角に行きやりすごす。


その2 聴覚

門を近くにあったほうきで叩いてみた。金属音が鳴り響いた。・・・それがまずかった。近くに居た死人達が一斉にこちらを向いたかと思うと歩いていちかづいてきた!(マズイ!)とりあえず急いで門の鍵が閉まって開かないのを確認してから急いで自宅に逃げ込んだ。


「はぁはぁ、他の事もやってみたかったがとりあえず終了だ。音は立てちゃまずいって事だな」

 そうこうしている間に夕暮れになってきた。(そいえばこのマンションあれから1人も観てないけど誰もいないのかな?)ベランダから下を見ても電気がついてる部屋も無かった。(他のところに逃げたのだろうか?マンションの入り口は閉まってる事だし、泥棒みたいで悪いけど鍵が空いてる部屋があるか明るい内に確認してみるか)


5階

このマンションは1フロアに6部屋住居がある。自分の部屋を除いて5部屋・・・が、全部屋鍵が閉まってた。(だろうね、そんな甘くないか)


4階

1部屋目、ドアノブを回す「ガチャリ」扉が空いた

「誰か居ますかー?」

そういって中に入る。

女性の部屋のようだ。部屋を漁るが泥棒ではないので、キッチン周りだけにした。

「冷蔵庫の中は・・・ダメだ、電気通ってないから食べられるか微妙だ。後は・・・お、缶詰めとレトルトがあった。すいません頂いていきます。」

 めぼしい物がないのでこの部屋を後にした。後は案の定鍵は閉まっていた。


3階

・・・全部屋鍵が閉まってた。(そりゃそうか)


2階

始めの2部屋は鍵がしまっていた。(次は・・・お?ドアノブが回った)

「誰か居ますか?」

やはり返事がない。ここも不在のようだった。

「お邪魔しますよー。って登山かキャンプが趣味なのか?色々道具がある。凄いな」

 ここでは、道具を拝借する事にした。

薪割り用の大型のナタ、テントや未使用品っぽい寝袋(流石に使用感のある寝袋は厳しい)赤ガスOKのランタン、シングルバーナー。携帯ソーラーパネルの充電器等他色々。一番助かったのがラジオと受信専用のトランシーバーがあった事だ。持てなくなってきて、日も暮れてきたのでひとまず自宅に戻る事にした。

「助かった。家主には申し訳なかったけど。1階は音もそうだけど、漁ってる姿を見られるのはマズイから散策は止めとこ」

 戦利品を整理してから夕飯でも食べるか。相変わらず道路には死人達が溢れてる。(たった2日前にはこんな状況想像してなかったな。)そう感じながら、夕飯食べながらラジオをつけてみた・・・がどこに回しても何も聞こえなかった。ラジオも終わってるのかと思い諦めた。

 もう1つ、受信専用トランシーバーも使ってみた。色々チャンネルいじってたら一瞬何か聞こえた。またそのチャンネルを探す為にいじる。

「誰か聞こ・てますか?ここは、市立第3小学校です。・・・人が避難してます。ここはまだあいつらが来ていな・・・安全です。誰か聞こえ・・・すか?」

ここで切れてしまった。(避難場所があったなんて知らなかった。場所も遠くなさそうだから行ってみるかな?しかし明日以降明るくなってから考えよう)

そう思いながらその日は就寝した。

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