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暇だ。柳はいつ帰ってくるんだ?遅い。2、3時間は待ってるぞ?
そんな事を考えていると、柳が帰ってきた。全く、何をしてたんだか……
「たっ、ただいま帰りまし、た……」
息を切らして、帰ってきた。そんな遠くないぞ?
「どこまで行ってきたんだ?」
また笑顔でそう聞いた。(もちろん、声色も変えて)
「あっ、いやあの……安くて、新種のパソコンって、この近くにはないので、ちょっと走ってきました!遅くてすいませんっっ!」
柳はそう言って、まあまあ小さなテレビと新しそうなパソコンを出した。
「これ、新種で安いんでお金は大丈夫でした!」
へぇ〜。よく考えているみたいだな。
結構、結構。
「ほー、でかした。ん?」
俺は時計に目をやると、13時ちょっと前だった。
「昼飯の時間か。よし!柳、チャーハンでも作ってくれ」
ここでも、柳の出番だ。俺も料理は出来るが、めんどくさい。ちょうどいいしな。それに、リータはちょっとした知人に会いに行き、響也は部屋にこもりっきり。奈々はどこか出かけ、鈴は勉強中。することもない暇人は柳しかいないということだ。
「はい、いいですけど……パソコンとかの設定してからでいいですか?」
「ああ、そうしてくれ」
テレビはだいたいやってもらい、パソコンはちょっと教えてもらった。使い方は知っていても設置方法はあまり知らなかったからだ。
「よし!じゃあ、昼ご飯にしましょう!」
今は2時すぎ。まあ、ちょっと遅いかもな。
柳がチャーハンを作り終わる頃に宅配便が来た。俺宛だ。なんだろう?
開けると、手紙とお菓子が入ってあった。ちょうど、置いておきたいと思っていたところだ。それに、好きなものばかり。送り主は……俺の父親だ。もちろん、まだ生きている。不死身の事も受け入れて。
『龍牙へ
元気にしてるか?こっちは元気だ。母さんはどうかわからんがな。アパートが変わったのに、ビックリだ。そういうことはちゃんと教えてくれよ?まあ、暇になったらこっちにも顔を見せてくれ。その時までにちゃんと友達がいてくれたらと願ってる。もし万が一出来たら、連れてこい。絶対だぞ?来れなくても、手紙ぐらいは送ってくれよな
龍介より』
父親の名前が龍介なんだ。だから、俺の名前が龍牙って事だ。
もう親父も80ぐらいだったかなぁ…
「へぇー、お菓子の詰め合わせですか〜いいっすね〜。で?返事は書かないんすか?」
いつの間にか、玄関で手紙を盗み見していた。俺は
「うるさいぞ?チャーハンは出来たのか?」
と、笑顔でそう聞いた。柳は、
「あっ、盛り付けだけでーすっっ!」
そう言って、キッチンに戻って行った。
昼飯後、俺はさっそく、パソコンを利用してみた。動画で○ou ○ubeを見た。俺はドラマが好きで、特にミステリードラマに今はハマっている。
○棒が1番好きかもしれない。何回でも見る。
見ているうちに、7時30分になっていた。長い時間見てたな……。俺はそう思いながらも、思い出したように、柳の部屋の前に行く。
「おーい、柳!俺の部屋を片付けておいてくれ。それで、お前の仕事は終わりだ!次、こんな事があったら、ただじゃ済まないぞ?」
そう言うと、ガチャッとドアが開いた。
「分かりました。部屋、片付けときますね。任せてください!今後、こんな事が無いようにします!」
と言って、柳は俺の部屋に行った。
さて、風呂にでも入るか…。俺は風呂場に行った。
風呂を出ると晩飯が用意されていた。
「あっ、龍牙!部屋の掃除は終わった。晩ご飯、できてるから、食べてくれ」
「ああ」
柳は口調もいつも通りになっていて、俺も普通にそう言って、ご飯を食べる。今日のご飯は鍋だ。
部屋に戻る。もう8時30分だ。パソコンでもしようかなと思った時、テレパリーが来た。
(明日、4時30分机の上集合な)
早い……俺はそう思いながらも、
(はいよ)
言う。4時30分なら、早めに寝るか……。
ベッドに入る。4時30分……いけるだろうか……?俺はそう思いながら眠っていった。
実は、8話と9話、合併してたんですよ〜でもそれじゃあ、長いと思ったんですけど、切るところが……でもあってよかったです!