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「それで?この場合、俺はどうすればいいと?」
俺は久しぶりに本気で怒っている。笑顔で。
それは遡ること、2時間前。
俺は慣れない、本を読んでいた。それで疲れたのか、眠たくなっていた。うたた寝していると、本気で寝てしまった。俺が寝ている間に何があったか、知らん。だがな、俺の部屋がこんなに荒らされ、それの現行犯を目撃しちゃあ、怒る以外に俺の選択肢はない。
そして、やった犯人は柳だ。
さて、こいつをどう殺ろうか?初めて殺す奴が柳ってのも練習としていいかもなー
「あっ、あの〜……龍牙?」
「ああ⁉︎犯人の分際でよく、のうのうと呼び捨てたぁ、いい度胸してるじゃねぇか!」
「ヒィィィィ!申し訳ありません!龍牙さん‼︎」
申し訳ありません?そんなんで済むなら、警察なんて、不必要!滅んでるんだよっ‼︎
俺は本気で怒ると、笑う。とっても、最高の笑顔で。だが、声色は怒っている。そして、俺の後ろには死神が見えるそうだ。あっ、あくまで聞いた話だ。友達にオモチャ壊されても怒らなかった(いらないオモチャだったから)、俺を池に落としても怒らなかった(暑かったから)、俺の悪口を言われても怒らなかった(子供の戯れ言にしか聞こえなかった)俺をここまで怒らせたのは、あいつ……名前なんて、覚えてないがな……今思えば、いろいろ考えた、子供じゃない様な話だ。
無駄な事を思い出した。
「さて。てめぇは、どこに売っぱらおうか?不死身なんですよ〜でも書いたら、数百万。いったら、一億かもな〜」
俺は最高の笑顔で柳を見る。
「龍牙さん!本当に申し訳ありませんでした‼︎この事は俺の判断力が間違いでした。この柳、この身を持って、償わせいただきますっっ!
ニヤリ
「そんじゃ、まずこの部屋片付けて。
あとね、お菓子とかも欲しいなぁ〜
あっ、ノートパソコンもいるな!」
最近欲しい物も最後に入れた。いや〜嬉しいねぇ〜なんでもしてくれるって
「あの〜、お金は……」
「あっ、何?払ってくれるの?うわ〜嬉しいな〜じゃあ、テレビも欲しいからそれもよろしく」
払ってくれるなんて、嬉しいな〜そりゃ、そうだよな〜人の部屋、無断で入ってイタズラしたとなりゃあ、これぐらい、まだ挨拶のうちだ。うんうん。
「えーーー⁉︎お金も俺⁉︎持ち金なくなるじゃないですか!」
俺は笑顔で(声色は怒って)こう言った。
「ああ?これぐらい出来なきゃな〜?だって、人の部屋荒らしたんだから」
「は、はい……」
涙目でそう言った。
「よし!じゃあまず、ノートパソコンとテレビだな!行ってこい!」
俺はドアを、指さしそう言った。
「かしこまりました‼︎」
と柳は言って、走り去って行った。