7
「いいか?驚くな?さっき思い出したんだが、お前の苗字ってなんだ?」
今更そんな事を聞くか?別に驚くことじゃないし。
「俺の苗字は宮之原だ。なんもビックリする事じゃないじゃないか」
俺はそう言いながらベッドに座った。
「やっぱり……そうか。念のため、お前の母親の名前は?」
はぁ⁉︎なんでこいつにそんな事言わなきゃなんねぇんだ!
「言うとなんかあんのかよ?」
俺は理由もなく言いたくないという意味でそう言った。
「ああ、実はもしかしたらの話なんだが……お前の母親も不死身だったのかもしれん。なにか聞いてないか?」
…………
「あははは!んなわけねぇじゃん!面白い冗談だな!それで?まだ何か推測でもあんのか?」
俺は笑いながらそう言った。
「信じてないんだろう。まあ、推測っていうのはそうだが……お前とは1度会ったことがあると思うんだ。いつだったかな……私が不死身にもうなって、数年たった頃だ。お前が、5、6歳の時に1度、会った……と思う。お前は、覚えてないか?」
……。5、6歳……俺が記憶喪失になった時……。俺は1度、記憶を失っている。
「そんなのおぼえてねぇよ」
俺はそう言って、そっぽを向いた。
「俺はあいにく、記憶が無いんでねっ!そんな昔の事は覚えてませんよっ‼︎」
俺はムキになって、大声で叫んだ。防音だってんなら、大丈夫だしな。
「記憶喪失か?へぇ〜、知らなかったなー……それで?その記憶はまだ、戻って無いのか?」
同情なんて、いらねぇんだよっ!
落ち着け、落ち着けと言い聞かせ、
「戻ってねぇよ」
と一言そう言った。
リータは「そうか」と言って、目を閉じていた。
リータが目を開いた時に目が合った。反射的に俺は逸らしてしまったが、リータは見続けている。そして、話を始めた。
「お前の母親の名前は宮之原華月だろ?」
……なんで……知ってるんだよ……。母さんの事……なんで…なんで……。
「そうだよ……母さんの名前は華月。調べたのか?その嘘を作るために?」
フン!そんな嘘で俺をどうしようっていうんだよ‼︎
「いや、違う……本当に知り合いだっていう事を知っておいてほしかったんだ。……華月さんは、私の一番尊敬できる人だ。お前はどうだ?華月さんの事だから、何か体で覚えさせられてるんじゃないか?」
リータはそんな事言った。そして、思い出そうとする。
ゾワッ
「うわぁーーーー‼︎」
俺はそう言って、頭を抱えて、顔を真っ青にさせた。
リータが話かけてきた。
「どっ、どうした⁉︎なにか思い出したのか⁉︎」
立ち上がって、俺の元へやってくる。早足で。
「いっ、いや。思い出そうとするとなんか……こう、怖い悪夢?見たいなのが襲って……1瞬見えるんだけど、怖くて思い出せない……」
そう。なんかこう、ゾワッっとする。
「そうか……何でだろうな?」
「あっ、ああ。なんでだろうな……」
ちょっと考えて、時計を見ると、12時を回ろうとしていた。
「そろそろ寝ないとな」
リータが言った。
「まだ、風呂に入ってねぇから、入ってから、俺は寝るよ」
「そうか。じゃあ、おやすみ」
そう言って、俺の部屋を出ていった。
俺は風呂に入って、そのあとベッドに潜るといつの間にか寝ていた。
どうでしたか?読んでくれてる人がいたら嬉しい限りです。