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「私が産まれたのは、雨がとても降っていた。もちろん、その時は人間だ。私が不死身になったのは、この姿。つまり、15歳の時だ。その時までは、不死身は、嘘だ。ただの幻だと思っていた。私はお高いお嬢様だったからな。まあ、それは置いとくぞ」
自慢話か?ムカつくな、俺は平凡人だぞ。こんにゃろー‼︎
「そう。不死身になった日も、雨だった。その日はお見合いがあった。私は断るつもりでいたのに、私の父が受けようとしていたのだ。「2人で話し合え」だの言いやがって……。その時思い知ったよ。倉庫みたいな、物置きみたいな…まあ、何処かわからない所に入れられて、何したと思う?あんのやろー、私を襲って来やがった。そのあとは、服を脱がせたんだ‼︎その時、ナイフを向け、逆に死んだ。ふん!おかしな話だろ?その時、ある男が生き返らせたんだ。名は……確か……ルター?だったか?ちなみに、私が住んでるのは、フランスだ。一応言っておく。だから、お前らみたいな名前じゃないんだ。まあ、ただの戯れ言なんだがな。さあ、生き返って、父に会った。なんて言ったと思う?「お前……死んだんじゃないのか⁉︎」だぞ?私だって言い返した。「死んだ覚えはない。なんだ?死んで欲しかったのか?」そう言うと、なんだ?「見合い相手がそう言ったんだよ。俺の前で、自殺したってな」あいつ、私が死んだのを利用して、自分のせいにしなかったんだ。目には目を歯には歯を嘘には嘘をだ。「違うぞ?刺されそうになったんだ。刺されたふりをしたら、案の定、そんな事を……」
「なるほど…そういうことだったのか……見合いは、即中止だな。見合いの話は、こっちから断っておこう」
という風な感じだ。ほんと、馬鹿げた話だろ?そして私は不死身になった。というわけだ。そのあとは家を出て、遥々日本に来た。そして、そのルターがやっていた仕事を私もし始めた。それが今やってるやつだ」
「? 何やってるんだ?俺、聞いてなかったよな?」
こいつら、何の仕事してんだ?特に思いつかんな……
「ん?言ってなかったか?殺し屋…みたいなものだ。不死身だから、ちょうどいい。でも、むやみに殺すんじゃあないぞ?依頼されて、初めて殺すんだ。…言ってなかったか?言ったはずなんだが……まあいい」
……殺し屋⁉︎なにふざけちゃってんのこの人たち……不死身活かす仕事か⁉︎これ!
「それと、お前もその仲間入りだぞ!喜べ、龍牙‼︎」
!? おいおいおいおい!なんてこった!俺はそんな仲間になんか、なる気は無いぞ⁉︎
「なに言ってやがる!俺は殺し屋なんかしないぞ!」
「なに言ってる?決定事項だ。阿呆めが」
なっ……なんだとーーーーーー⁉︎⁉︎
「つか、お前の話を聞きに来たんじゃねーし、決定事項であろうと殺し屋になるつもりもない!!」
ったく、なんて奴だ。殺し屋なんて怖い仕事、するわけねーだろ!