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「は?」
携帯?意味がわからんのだが……
「だから、アドレス交換だよ」
あ、なるほど。そういうことか。
「ふぅーん…でもテレパリーがあるじゃねぇか?」
テレパリーの方が早いような?
「テレパリーは、力を飛ばして、言葉のやりとりをするんだ。で、力はあっても、使いこなせない奴がいる」
?そんな奴ここにいたか?
「みんな、使えるじゃねぇか」
そう言うと、少し黙って、思いだしたような顔をした。
「いやぁな、実はここにはいないが、もう1人いるんだが……ずっといなくて、ついさっきまで忘れてたけど……」
……忘れられてた子、可哀想だなぁ
「そいつが来るのか?それがなんで、メアド交換に関係あるんだ?」
と言うと、目を逸らして、
「その……そいつさ、さっき言ったように、力はあっても使いこなせてねぇんだよ……新しく来たやつに先越されてると知ったら、この家が壊れる……」
⁉︎ 壊れるぅ⁉︎
「そ、そりゃまた凄いな……」
驚いた顔で俺は言う。
「ああ。だから、この家のためにも、力はまだ使えないということで……いいか?」
みんなを見ると目を逸らして、青ざめている。よほど、壊れるのが怖いのだろう。鈴は、本当に願ったような顔だ。
「わ、分かったよ……で?そいつはまだ来ないのか?」
俺の質問に、次はリータが答える。
「ああ、来るのは、昼の……2時ぐらいだろう。ほら、メアド交換しとくぞ」
と言い、メアド交換をした。ん?俺だけ機種が違うな……まあ、いいか。
「……あいつと機種が同じとか……」
……意味はわからん。だが、ムカつく!
「あいつって……あ、使いこなせてない奴か?」
と言うと、柳は携帯をいじりながら、
「そうだよ」
と答えた。
そうして、交換が終わった。
「よし、奴が来るまで時間がある。……遊んどくか!何する?」
柳は、明るくそう言う。さっきの頼んでいる顔とは大違いだ。
「いや、俺はすることあるから、いいや」
俺はイラストレーターという仕事があるし……神代さんにも要望聞かないとな……
「私も、断りするわ。仕事をしないといけないし」
奈々も断る。仕事なんかしてたんだな。
「そうか……って、いつの間にか響也がいなくなっちゃってるし⁉︎」
…柳…まぁ……ドンマイ。
俺は心の中でそう思いながら、部屋に戻った。
さてと!メール、メール。
《こんにちは、神代さん。長原です。》
長原は、俺が使ってるペンネームだ。
《今回のイラストのご要望をお聞かせください。お願いします。》
よし、じゃあ送信してっと!
そして、送信した途端、着信音がしたような気がしたが、柳たちの声によって消され、俺もあまり気にしなかった。
そうして、昼の2時に近づいた。
「奴」と龍牙が会うまで、あと少し。




