23
「っと……」
俺は……龍の方だ。時間が進み、倒れそうになったところからのため、膝をつく。
(⁉︎ちょっとなんなのよ⁉︎)
奈々だ。龍牙風に龍牙風に……
(わ、悪い。急に殺し屋なんてして…と考えると、めまいが…な。まあ、大丈夫だ。……入るぞ!)
と言って、起き上がった。多分、龍牙になってるだろう。
(言われなくても、開けるわよ)
……見てた通り、口悪いな。
そう思っている間に奈々はガチャッとドアを開いた。
「⁉︎ 君たちは……殺し屋…かい?」
目的の奴……名は、川野圭が驚いた顔から、冷静を保ちながらも、そう言う。ちなみに、龍牙が目的の奴、と名前を名乗らなかったのは、ただ単に覚えていなかったから、という理由であった。
「ご名答。あなたの命を頂戴しに参りました」
笑いながら奈々が言う。
おお、かっこいい。
『かっこいいじゃねぇよ』
ん?龍牙か。やってる最中に口出すなよ。
『……暇なんだよ』
フッ、そうかい、今の俺には関係ない…
『……ムカつく……』
「それで?命を頂戴するかは知らないが、ここに何もないとでも?」
と川野圭は薄く笑い返す。そして、指を鳴らす。すると、どこからか、スーツの着た、サングラスの男が出てきた。
「さぁ、あいつら全員、叩きのめせ……‼︎」
睨みつけながら、川野圭はそう言った。
「……かしこまりました……」
……速いな……
『そんなこと思ってる場合じゃねぇよ!さっさとどうにかしねぇと……』
見極めて殺るのが俺の流儀だ。邪魔するな……だが、あのリータという女、俺たちのリーダーじゃないのか?
『……知らねぇよ。つーか、お前だって、知ってんじゃないのかよ』
俺はお前の中にいたんだ。知るわけないだろ?
……だが、ヤバイな……みんなおされてる。負けるかも?…てか、変だ。俺より殺し屋と仕事が長いはずなのに……弱すぎる。
⁉︎『⁉︎』
おい……あの動き……知ってるか?
『いや……あんな動き……初めてだ』
……なるほど……変な動きのせいで、みんなおされてるってことか……
「くそっ、なんで……当たらないんだ‼︎」
あ、こいつのこと忘れてた。こいつの攻撃の仕方も変だけど……フェイクがちょっと…いや、異常に多いだけ……
ここをこうすれば…っと!
「くっ⁉︎お前……お前…何者だ‼︎」
何者って……ただの不死身の殺し屋ですよ?
「えーっと……ただの通行人Aですよ?」
「ただの通行人Aがこんなこと出来るか!」
こんなことって…ちょっと地面に抑えてるだけなんだが……
「くそっ、この野郎…‼︎」
「うわっ!」
いって〜、尻もちついちまった。
『なんだぁ⁉︎さっさと殺っちまえよ』
…うるせぇ。今から……見せてやるよ……?
「さて、全員まとめて、相手してやるか……」
そう言って、俺はナイフと手に取る。
「さぁ、始めようか?」
そう言って、俺は薄く笑う。
誤字などは、ご了承いただき、お教え頂けると嬉しい限りです。




