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(龍牙。聞こえるか?)
右に曲がって、歩いていると、声がした。この声は……リータ?
(ああ、聞こえるぞ。なんだ?)
俺になんか用か?
(奈々は、私がなんとかしておいた。どう言ったか、聞きたいか?)
ん?という意味だ?
(俺は何も聞いてないぞ?)
(当然だ。奈々にしか言ってないんだから)
え?ええ?えええ?ええええ⁉︎
な、え?ちょっと待て?個人だけってのもOKなのか…⁉︎
あ、俺が聞いてなかっただけ……なのか?
ま、いっか。俺も出来る……よな?
(で?奈々がどうこうしようと、俺には関係ねぇが……邪魔はさせるなよ?)
俺の邪魔されて、怪我なんて、嫌だからな。それに……個人でのテレパリーは、出来てるようだな。良かった。
(当然だ。奈々に龍牙のサポート役に回るように言っておいた。本当は、お前が奈々のサポート役なんだがな……あ、どうやって、奈々に言ったか、教えてやろうか?)
………
俺、今のリータの表情わかるかもしれない。キラッキラの笑顔で、ニヤニヤしてるんだろうなぁ。てか、聞いてほしいんだろうなぁ……
(聞いてほしいんだろ?だが、俺はあえて、聞かんでおこう。ま、そんなこと言ってないから、俺は聞かないという、選択肢に出るぜ)
フッ……俺はそう簡単に思い通りには動かねぇぜ……っと、ここは左に行かねぇと。
(え?あ、いや……聞かないのか?気にならないのか?気になるだろ?な?な?な?)
あ〜、これで聞くって言ったら、さっきみたいにキラッキラの笑顔で、ニヤニヤしながら言うんだろうな〜。多分聞くというまで、言うだろうなぁ。なら……
(悪りぃな、もう着くんだ。そっちは、どうだ?)
話を強制的に変えよう。
(え?あ、こっちも走ってるし、もうすぐ着くと思う。てか、お前なんかトレーニングでもしてたのか?全然息、上がって無いんじゃないか?)
トレーニング?俺は歩いてるから、息も上がんないんだけど……
(別に走ってないし……というか、俺、歩いてるぜ?)
歩いて息が上がるようじゃ、トレーニングはしとかなくちゃな。
(歩いて……もうすぐ着くのか……早くないか?)
ん?そうか? 近道ばっか通ればいいだけだし……
(そんなことないぞ、近道通れば早いしてか、リータも走ってるのに、息切れてないんじゃないか?)
走ってるってのに、リータこそトレーニングでもしてんのか?ま、関係ないけど……ってついた。
(俺、着いたぞ?)
(私も曲がれば……っと)
そう言うと、前にリータと柳がいた。
(よし!みんな揃ったな!じゃあ、突破するぞ!)
そう言って、みんな頷いた。ここ付近には、警備員も監視カメラもなかった。ここまで来ると思っていなかったんだろう。大体の殺し屋が無理だったから、だろうか?
そうして、奈々がドアノブに手をやった瞬間、俺の中の何かが騒ぎ出した。
くっ⁉︎
なんか、ヤベェかも……
そうして、『記憶のない』俺の意識は途絶えた。
続きは執筆中デーズ!
これからもよろしくです!




