15
俺は強い日差しで目が覚めた。時間を見ると、昼過ぎ。仮眠した状態まで、寝ていた。することが特にないため、寝ようと考える。だが、寝付けない。しょうがなく、俺は立ち上がり、部屋を出た。そこに、リータがいた。
「ん?龍牙じゃないか。どうした?仮眠はとっとけよ?」
「さっきまでとっていた……と思う。そんなリータは何をしてるんだ?」
俺はリータのやっている方向に目を向ける。みかんを手でむいていた。横には林檎……?いや、まさかな。
「そのみかんの横にある、剥いてるのか分からん物体は一体何だ?」
指を指して聞いた。リータは怒りながら言う。
「分からん物体とはなんだ!これは林檎だ!林檎に謝れ‼︎」
声を張り気味に言う。林檎……どこが?
それは確かに皮を剥いた状態の林檎だ。だが、通常の林檎の倍以上小さい。3cmぐらいだろうか?たべるところが少ない。少なすぎる……まだ林檎は残っているが、見比べても差がありすぎる。
「……下手くそだな……」
大きな声でもなく、小さな声でもなく、俺は言った。
「なっ!はっきり言うことはないだろう‼︎下手なことぐらい、私だってわかっている。だから、練習してたんじゃないか……」
目を逸らしながら、リータは言った。リータがこんなにも料理が下手だったとは……驚きだ……。
「林檎か……」
と俺はいいながら、包丁を置いているところに手を伸ばす。そして、林檎を持って皮を剥き始めた。
「私の練習用だぞっ!」
俺の方を向いて、言う。
「下手なまんま、何も見ずにやるより、出来てる人のを見ながら覚えた方が、いいと思うんだけどな〜」
皮を剥きながら言う。
「うっ…」
何も言えないようだ。
「それに、出来ないのに諦めてみかんの皮を剥いてるなんて、もう剥きませんって言ってるのと同じじゃね?」
「ううっ…」
悔しそうに言葉の攻撃を受ける。最後にもう一押しすれば、食べ物の無駄は無くなるだろう、そう思いながら、もう一押しの言葉を続ける。
「出来ねーくせに威張るなってんだ。もうちょっとマシな考えしてくれ」
「うううっ…」
涙目だ。これで、食べ物の無駄は無くなるだろう……多分。そうやっている内に先ほど剥き始めた林檎が剥けた。
「こういう風にするんだよ」
とドヤ顔で見せる。
「うううっ……ヒドイ……私だって、出来ないから頑張ってるのに……」
「やっても出来ない頑張りは意味ないね。そうやって、出来るようになったか?」
「……ない……」
当然だな。下手にわからず切るより、上手な人に教わって切った方が、上手く切れるようになる。リータはわからず切ってたそうだな。
「どうせ、出来ねぇんだろ?教えてやるよ」
皮を剥いた林檎を食べやすく切りながら言った。
「くそぅ……分かりやすく教えろよ……バカヤロー……」
と悔しそうに言った。
失敗した数42個。まずツッコミがある。どんなけ林檎買ってんだ⁉︎そして、43個目やっと林檎らしい林檎になった。
「疲れた……まあ、できたしいっか」
「お前……なに言ってやがる……仮眠して温存した体力無くなった……」
「なんだよ〜。なら、ちょっと寝とけばいいぞ〜。見るだけでも、目が疲れるし、長くなったらダメだからな」
と出来た林檎を満足そうに見ながら言った。
「まあ、そうだな」
そんな、夕方は終わって、夜がやって来て、そしてやがて夜中に近づいてきた。龍牙が唖然とするのはその夜中であった──。
ふうー!一気に投稿し終わった〜!さてさて?読んでくれてる人はいるかな〜?




