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切り離された世界

作者: 苺のタルト

断罪すべきはかの両親か 社会そのものか

問いかけるは己の良心か 世界そのものか


救われるべきは どちらなのか





 そこを訪れる者は 誰もがみな 重い物を背負い

 暗い顔色のままに 抱えた物を 置いて去り行く



 こどもはひとり 泣いていた


 置かれた状況を 知らないで


 いくら泣こうと 戻らない父


 いくら呼ぼうと 応えない母


 ひとけの少ない 路地裏の隅


 こどもはひとり 泣いていた


 むかえる運命を 知らないで


 いくら泣こうと 届かない声


 いくら呼ぼうと 誰も来ない


 ぬくもりもない 冬空のした


 こどもはひとり そこにいた


 その時がきても わからずに


 唯泣く声はもう 聞こえない


 儘呼ぶ声はもう 聞こえない


 白い光が包む朝 ただそこに


 こどもがひとり 死んでいた



 誰一人気付ぬ儘に 朽ちていく 幼いその死体を

 黒い羽の鳥だけが 幸せそうに 啄んでいく様は


 競起のままに 狂気が起こす 恐悸の情景


 そしてまた―――


 こどもがひとり 泣いている





あろがとうございました。

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