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クコ皇国の新米茶師と、いにしえの禁術~心葉帖〜  作者: 笠岡もこ
― 第三章(最終章) クコ皇国の災厄 行き着くところ ―
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第87話 萌黄4―萌黄の正体と入り乱れる異常性―

 普段の紅は冷静で芯がある。自分が守るべきものと知り、何を切り捨てるべきかを理解している。

 だからこそ、ソレが揺らいでしまった時に自分の想いを何かと比較して判断しようとするところがある。両親がなくなった際も、周囲の反応と自分を比較して己を薄情だと認識した。自分が歪んでいるのだと。


「紅よ。おぬしが心の『歪み』を抱くことを、なによりも恐れておるのは知っているつもりじゃ」

麒淵きえん、それは――!」


 紅の叫びが鼓膜を揺らす。叫びがはらんでいるのは憤りではない。

 感情の混乱状態にある萌黄にもわかるほどの、焦燥感と悲痛。壊れてしまいそうな弱々しいものだ。


「ゆがみ……まるで、わたくしそのものですわね」

「ある意味、そうじゃな。であるから、紅は萌黄の『歪み』を無意識で感じ取り苦手意識を抱いておったのやもしれぬ。じゃが、萌黄には純真な部分もあったからのう。無下にはできんかったのじゃろう」


 萌黄と麒淵の会話が、蒼には妙にしっくりときた。

 紅は苦手意識を持つような人物とも上手くやるか正面からぶつかる人間だ。萌黄の勢いに押されていたとはいえ、あからさまに表情に出してもなお、曖昧な態度で接しているのが蒼には不思議だった。


「違う。オレは『歪み』を抱くことが怖いんじゃない」

「それも、承知しているつもりじゃよ」


 麒淵はもとより、両親の藍と橙、それに白龍も紅が自分の出生を知ってしまった日から抱えてしまった闇は視えている。

 紅が恐れているのは――自分の『本質が歪み』から出来ていると自覚させられることだ。


(魔道府で萌黄さんの正体を知った時、オレは萌黄さん個人への感情ではなく未知の存在という捉え方しかしなかった。そして、魔道府長官もソレを肯定した。いくら好意を向けてくれる人とはいえ、距離感を考えればと)


 紅は魔道府で萌黄の正体を知った時のことを思い返していた。


***************

 思い出されるのは、あの温度。絡まった腕から伝わってきた温かさ。紅は重い右手をあげ、左の腕を握りしめた。皺のない上着が、みるみる、形を変えていった。

 自分の中にある感情からの行動なのか。それとも、古書の著者の思念が、紅の身体さえ動かしているのか。正直な所、紅には判断がつかなかった。これが陽翠や陰翡という友人ならば、涙も出よう。蒼や白、それに紺樹という家族たちならば、発狂も出来るだろう。だが、相手は、どちらかと言えば苦手な部類の人間だ。親近感を持ち始めたとは言え、蒼を苦しめる立場の人間。敵対する相手。

 ただ、古書が語る恐ろしい術が、自分の知る人物に施されていると考えると、心臓が凍った。それはきっと、憤りという感情ではなく、未知なる存在への畏怖。


――オレって、白状な人間なのかもしれません。それとも、やっぱり、あの歪んだ父親と同じなのか……――


 細まった瞳から、涙は溢れ落ちなかった。静寂がひたすら耳を痛める。ぽつりと呟いた言葉だけが、紅の脳を揺らした。

 どんなに距離を置きたい人とは言え、自分に好意を寄せてくれる人間に対する気持ちだろうか。いや、自分が大切に想う家族や友人が無事であれば、それで良い。特に蒼から不安要素を取り除けるのであれば、喜んで受け入れられる事実だと、どこか冷静に考えている。やはり、自分は狂気に溺れた父親の血を引いているのだ。

***************


 あの時、魔道府長官の言葉に救われたのも本当だ。人生を積み重ねているのもあるが、任務として冷静に対象を視ていたのだから。

 魔道府長官はきっと個人的にも任務的にも、紅の心理状態を保護することを選んだのだ。


「麒淵も紅も難しく考えすぎだよ! だって、私は歪みが怖いとかよくわからないけれど、萌黄さんのことは紅と同じように思ってるよ?」


 重い空気を変えたのは、蒼だった。あっけらかんとした声に一同は悪気を抜かれてしまう。

 蒼は地面にしゃがみこんでいる萌黄に、「先に謝っておく、ひどいこというけどごめんね」と眉をさげて笑いかけた。

 萌黄は答える代わりに、ふっと空気を抜くように唇を動かした。蒼には噴き出したように見えた。


「私も萌黄さんのこと、ちょっと苦手だった。人の話を聞かないし、強引なところあるし、何話すにも紅中心だなぁって。あと、威圧的な湯庵ゆあんさんにもびしっと言ってやればいいのにって!」


 腕を組んで蒼は難しい顔で何度も頷く。それは無理難題をふっかけてくる客がきた時のと同じだ。蒼は客前でしているつもりはないらしいが。

 紅は諫めるが、白龍はそれでいいと笑う。感情豊かだからこそ、色んな人たちの色彩豊かなアゥマと共鳴ができ、浄練の幅が広がるのだからと。同時に、そこを補助するのが店主の腕の見せ所だと。


「でも、それが全部じゃない。紅を一生懸命好きでいてくれるとことか、楽しそうに話してくれるところとか、人見知りなのに好きな紅やお茶のことになるとキリッとしたりするのや、しゃんと背が伸びるとこ好きだ」


 蒼は表情豊かに語る。まるで一人芝居をしているかのように、身振り手振りをつけて。

 紅は顔をくしゃくしゃにして、それでも込み上げる熱はなんとか飲み込む。


(変わらない。蒼は成長しても、芯はずっと変わらない。泣き虫のくせに、結構恐がりなくせにいざとなると、驚く位つよい)


「まぁ、そーいうことだ」

「なにがだよ」


 麒淵の満足げな頷きに、紅は子どもみたいな悪態をついてしまった。あっと声をあげて口を押さえても時すでに遅し。

 麒淵はにやにやとあからさまなからかいの笑みを浮かべた。麒淵を睨む紅は耳まで赤く染まっているが、視線の鋭さには可愛げの欠片もない。

 麒淵はやりすぎたかと焦って、紅の傷を指さす。


「というか、よく2日も監禁されていて無事——とはいえぬが、命があってくれたのう」

「そうだっ! 傷の治療!」


 ぴょんと飛び上がりそうな勢いで跳ねた蒼。手際よく魔道陣を作り出し、紅の傷の治療を始めた。あまりに大掛かりな術は、ここではどんな影響が出るかわからないため最小限の強さだ。


(話が逸れて良——くはないか。麒淵は一体何を考えているんだ? 自分から話を持ってきておいて、肝心な時に蒼の意識をオレの心の傷から体のソレに逸らすなんて。これは絶対なにか魂胆があるに違いない)


 紅としては願ってもない展開だが、どうにも麒淵の不可解な行動が気にかかってしょうがない。むろん、目を細めて麒淵を睨んでも、そそくさと背を向けられただけ。

 が、紅も自ら蒸し返すつもりはない。自分に両手を伸ばし、珍しくしかめ面で治癒術を使っている蒼に向き直る。


「んー。空気中や紅の体のアゥマがうまく集まってくれないや。やっぱり、普通のアゥマとは勝手が違うのかな。共鳴を拒否されてる感覚だ」


 蒼はぶつぶつと呟いた。すっかり紅の体中の傷を癒やすことが最優先事項となっている。

 蒼があっちかこっちかと探るように紅の体内のアゥマに共鳴してくる。無理矢理ではなく、迷走している調子がくすぐったくて思わず片目をつむってしまう。一生懸命なのはわかるが、落ち着きがなく全力でぶつかってくるのがくすぐったくてしょうが無い。


(蒼は本当にオレがひとりで背負い込むのが嫌なだけで、『歪み』をオレに自覚させることに興味はないんだな。というか、歪み自体がじぶんを含めて当たり前にあることだと思っているから追求してこないんだろうな)


 紅の唇が小さく「適わない」と動く。そして、四苦八苦している妹をとても柔らかい目で見つめる。


(紅よ。それではいかんのだ。蒼のぬくもりにひたるお主はぬるま湯に浸かっているのと同じじゃから)


 入り乱れる感情を肌に感じて、萌黄は不思議な心持ちになっていく。居心地が悪いはずなのに、どうしてか嫌ではないと思った。

 地面に腰を落としたまま瞼を伏せた萌黄を見て、紅はあっと声をあげた。


「そういえば、最初にオレを気絶させたのは萌黄さんだけど、他の傷が増えないように止めてくれたのも、萌黄さんだったみたいだ」

「どういうこと?」


 両手は紅に向けたまま、魔道陣を挟んで蒼が尋ねる。麒淵の方は疑問に思わなかったようで、萌黄に向き直ったままだ。

 紅がどこから話したものかと考えあぐねていると、声を発したのは意外な人物だった。


「それは……わたくしからお話させてくださいませ」


 頬に涙の跡を残したまま、しかし、緑の勿忘草色の瞳には精気を宿している萌黄だった。

 一瞬、ぽかんと口を開いた紅と蒼。先に正気に戻ったのは蒼だった。自分たちのことに精一杯だったが、確かに萌黄は先ほどから常人の行動を取っていた。


「萌黄さん、これで顔を拭いて」


 萌黄の膝に置かれた手布巾ハンカチを手に取り、水魔道を発動させて濡らして萌黄の顔を拭った。

 その横で麒淵は頭上の灯玉を再度全て起動させる。

 萌黄の発言にいささか冷静さを取り戻した紅は、頭上を見上げた後訝しげに麒淵に顔を向ける。当の麒淵はしぃと指を唇に当てただけだ。


「ありがとうございます、蒼さん。けれど、時間がありません。どうか話を進めさせてくださいな」


 萌黄は柔らかく微笑み、でもどこか強引さのある萌黄は蒼が出会った頃の彼女で……どうしてか、蒼の目が潤んだ。

 萌黄はそんな蒼に切なそうな眼差しを向けて、立ち上がった。溜まりの方へと歩みだした萌黄について、蒼たちも足を動かす。


「まずはクコ皇国弐の溜まりの守霊であらせられる麒淵様に敬意を。わたくしめの――いえ、華憐堂の屋号を掲げる一族が起こし続けている過ちのために、お手を煩わせておりますこと、心よりお詫び申し上げます」


 萌黄は長い薄黄緑色の連衣裙ワンピースの片手で裾を持ち上げ、もう片手を胸にあて、腰を落とした。

 蒼と紅は顔を見合わせる。蒼は不可解そうに、紅は答えを見つけたように。


「どうして萌黄さんが、紅に謝るより先に守霊の麒淵に敬意をしめすのかな? 萌黄さんは本当に麒淵と同じ守霊なの?」


 蒼は思い出していた。華憐堂の溜まりに来たばかりに麒淵が放った衝撃の言葉を。


――だがな、我と同じ存在である溜まりの子よ――


 麒淵は萌黄に向かってはっきりとソウ声をかけたのだ。

 今の蒼は少し前までいっぱいいっぱいだったのが嘘のように、妙にすっきりとして思考が鮮明になっている。そのおかげか、突拍子もない疑問もすんなりと口にできた。


「麒淵様と同じ存在、と表現するにはおこがましいですけれど……近い存在ものではあります。ですから、麒淵様に重なり合った存在を払われて曲がりなりにも最初・・・に戻ったわたくしが最も敬うべきは、クコ皇国弐の溜まりの偉大なる守霊であらせられる麒淵様なのです。むろん、紅さんにも、もちろんお詫びのしようがございません」


 萌黄は蒼の言葉を肯定して、祈るように地面に両膝をついた。蒼は慌てて萌黄に立ち上がるように手を伸ばす。けれど、萌黄は頭を垂れたまま微動だにしない。

 麒淵が苦笑を浮かべて、蒼の頭をぽんぽんと撫でる。


「まぁ、蒼。そこは許してやってくれんかのう。なんせ、今のこの子は――」

「麒淵様、それはわたくしの口からお伝えさせてくださいませ。己の罪は己の言葉で……懺悔せねば意味がありません」


 淡い緑色に光る溜まりを背に、萌黄はまっすぐと蒼たちを見据える。ただ、その華奢な体が見て明らかなほどに震えている。

 それでも今度は蒼も手を差し伸べることはしなかった。そうすることは萌黄の決意を汚してしまう気がしたから。


「わたくしこそ、萌黄を偽り始めた魂なのです。最初に作られた、全ての過ちを始めてしまった罪深い存在。わたくしは本物の萌黄に最も近い記憶を持っております。麒淵様は、そんなわたくしを幾重にも包んでいた存在を剥がすことによって、混乱状態をただしてくださったのですわ」

「この子の人格を形成しておる魂は、何度も儀式を繰り返し、魂の存在値を取り繕ってきた。この子自体だいぶ存在値が薄れておったのじゃが、層のようになり記憶の混乱を生じさせておった存在しゅれいたちを大地に帰したのだよ」


 麒淵の捕捉に、蒼の眉間により皺が寄ってしまった。二人の説明が現実離れしすぎているのもあるが、魂の浄化など聞いたことがなかったからだ。

 人の魂というのは何層にもなっているのだろうか。ならば、蒼も浄化されたら異なる性格になるのかと思考が迷走し始める。

 蒼の考えはこの場にいる全員に伝わっていたようだ。萌黄は小さく微笑み、麒淵と紅は呆れたように頭を抱えた。


「なっなにさ! 麒淵と紅はある程度事情を呑み込んでいるかもしれないけど、私は萌黄さんが豹変したり、記憶が迷走したりっていうくらいしか把握していないんだから!」

「そうじゃが……」

「いえ、わたくしの表現があいまいでしたわ」


 萌黄は寂しそうに笑い両手を胸にあてた。


「まず、この体にあるのは人の魂ではありません。わたくしは偽りの存在なのです」


 蒼は余計にわからなくなってしまった。萌黄そのものではないなら、彼女たらしめているのは一体何だというのか。そもそも、萌黄から聞いた彼女にまつわる話も全て偽りだったということだろうか。

 大きな目をぱちくりと瞬きし紅を見れば――彼はもう答えを知っているようだった。両手をきつく握りしめ、それでも萌黄から視線を逸らさず彼女の言葉を待っている。


「わたくしと萌黄・・・と華憐堂の店主、それに店守がアゥマの少ない国にいたことがあるのは嘘ではありません」


 蒼は頭の中で萌黄の言葉を三度繰り返し、やっとのことで識別した。


 わたくしと萌黄。


 とにもかくにも、目の前でしゃべっている女性と萌黄は別人というのは事実。

 蒼は息を飲んだ。溜まりのうえ、洞窟のような肌寒い場所であるはずなのに、心葉堂のような澄んだ空気はない。まるで痰が絡むように不快な気持ちになる。


「萌黄が生まれた国は溜まりが存在しない――アゥマの流れる通り道である『脈のみ』がある集落でした。わたくしが『生まれる』前のことは良く覚えていませんけれど、貧しく枯れた土地で助け合いながら生きてたのは欠片であった時の記憶として、うっすら覚えています。長はとても優しく、心から一族を想う人でした。けれど、一族の長がある旅人たちを助けたことから、貧富の差が生まれ、多くの命が消えさる悲劇は始まったのです」

「それは――」


 口を挟んだのは紅だった。どくんどくんと激しく鳴る心臓を掴み、声をあげた。

 紅はその国を知っている。萌黄が語るなら……高確率で、魔道府で古書を読んだ際に出てきた国の話だろう。


「国を区画でわけ、アゥマの使用量を制限していた国ですね?」


 紅の興奮をかみ殺した問いかけに、萌黄は少しばかり目を見開いた。

 だが、萌黄はすぐに微笑んだ。


「今更ご存じの理由を尋ねるのは時間の無駄ですわね。えぇ。旅人から授けられた禁術により、長は偽りの溜まりを作り、国を成長させていきました」

「アゥマが少ない国を発展させる禁術って、アゥマを作り出したってこと? 私、古書で人工溜まりが作られているっていうのを読んだけれど、それのことですか?」


 ぎょっとしたのは紅だ。そういえば、麒淵の『白龍が調査している』という鶴の一言で騒ぐことを止めたが、蒼は少し前にもさらりと『人工溜まり』と口にしていた。


――人工溜まりってなんだよ!――

――文字のまんまだよ。古代には人の手によって作られた溜まりがあったらしいよ? すぐに滅んじゃったみたいだけど。っていうか、私は紅に説明して欲しいんだけど――


 何が『紅に説明して欲しい』だと、紅は思い切り髪を掻いた。

 蒼は蒼で、いつまで経ってもこの異常事態に馴染まない兄に苦笑するしかなかった。すんなりと受け入れて、目の前の事実を受け止めてしまえばいいのにと。

 その反面、いつでも考え続ける紅をすごいと思う。蒼は――少し違うから。蒼はそんな自分がちょっとばかり怖くなる時がある。


「人工溜まりとはいえ、全てが零から作り出されたわけではないのです」


 萌黄の淡々とした声調に、蒼と紅は身震いを覚えた。

 紅はぞっとして、蒼は――どこか興奮を覚えてしまっていた。アゥマを零から作り出すより余程現実に沿っていると納得していた。アゥマを作り出すよりも、どこから吸い上げるか考えた方がよっぽど効率的だと思っていたから。


「資材は有限だもの。無いところから作り出すより、あるところから搾取する方が楽に決まっているし、道理に適う。だって、アゥマはあらゆる生命に宿っている。大地にはなくても、逆を言えば、あらゆる動物の血には含まれているんだもの」


 蒼は高揚感のままに語る。全く未知の存在だった人工溜まりが、あっという間に身近に感じられた。それが余計に興奮を煽った。

 牡丹色の瞳の瞳孔はキャッツアイさながらに変化して行く。まるで宝石の欠片のようだ。


「あお……?」


 麒淵も紅も、蒼の瞳がりぃぃんと音を立てている錯覚に陥る。ぐらりと揺らぐ視界の中、一瞬だけ蒼の瞳が――薄氷河アイスブルーに見えた。

 麒淵と紅の全身の毛が逆立った。が、次の瞬間には二人して目を擦っていた。顔を合わせて幻覚でないと知るが、二人の目に映る蒼はいつも通り幼さを残した顔つきでいる。


「蒼さんがおっしゃるとおりですわ」


 戦慄に佇む二人をよそに、萌黄はゆっくりと頷いた。


「あの国は少ない脈のアゥマを中央に吸い上げ、溜まりを作り出したのです。それでも、萌黄の蘇生・・・には資源は足りなかった。なら、何を使えばいいと思いますか? どうして、この国の人々は体調不良を訴え、異常気象が起きているのでしょうか」


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