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胡蝶の会  作者: ATU
1/3

1:死因の会

星新一氏に激しく憧れて、ショートショートを書いてみました。


思ったより大変なので、定期更新は難しそうなので、お気に召したらたまに覗いて貰えたら嬉しいですー。


宇宙よりもずっと上の方に、一つの世界があった


人間の魂がたどり着くその場所は、一般的に「あの世」と呼ばれるそれだった


太陽の光も届かないというのにそこは白く、光源があって明るいというよりは、光も影もないといった感じで、平坦な白い地面と白い空がどこまでも続いている


そんな場所に唯一存在する、これまた真っ白な川のほとりに、三人の死者がなにやら集まっている


仮にA、B、Cと呼ぶことにする彼らは、「死因の会」と呼ばれるクラブのメンバーであった


残りの二人を見回して、Aが口を開く


「さあ、これから死因の会のはじまりだ。では、おれから一つ、話させて貰うとしようか」


これだけ真っ白で退屈な世界にいると、死者たちも随分と持て余してしまうらしく、いろんなクラブやら集まりがあの世には存在している


この「死因の会」も、面白い死に方をした死者たちが立ち上げた、自分の死因について大いに語るという、へんてこな集まりであった


Aは話を続けた


「おれは生前、結構に名の知れたボクサーだった。なかなかきれいな奥さんを貰い、それは充実した人生だった」


「成る程、幸せな人生に訪れる悲劇。わくわくしますな」


Bが身を乗り出して相槌を打つ


「本当に、そうですねぇ。私なんぞ、普通のサラリーマンでしたから、うらやましい人生だ」


Cも目を細めて頷いている。Aは気分が良くなって、さらに大きな声で話を続けた


「いや、おれはリングの上で華々しく死んだわけではない。家内の浮気が原因だったのだ」


Aはまるで怪談でも話すかのように声を低くした


「浮気をしていたのには感づいたが、いかんせん証拠がなかった。それで探偵に調べさせたら、ずうずうしく家で会っているらしかった。そこでおれは、密会現場をおさえようとした」


「ほう、なかなかドラマチックじゃないですか。しかし、あなたが死ぬ理由が、まだはっきりしてきませんね。浮気相手や奥さんを殺してしまったならともかく」


「まあ、最後まで聞いてみましょう。きっと我々の驚く展開が待っていますよ」


BをたしなめるようにCが言う


「まあ聞いてくれ。おれはある日、妻に外出するとうそをついて、密会現場に押し入ったが、肝心の相手がいなかったんだ。多分、逃げた後だったのだろうな。だが、おれは妻を激しく追求し、威嚇のつもりで、側にあったサンドバッグを、窓の外に放り投げた。ところがのぼせた頭でいきなり力を出したから、そのショックでポックリと…」


その話を聞いたBが、驚きの声をあげた


「なんと、そうだったのか。いや、実にこの世は狭い…」


「どういうことだい?」


Aが不思議そうな顔をした


「いや、わたしは生前、ある女と浮気をしていたのです。いつものように夫の外出中にその人の家に行くと、いきなり旦那が帰ってきたのです。それで、とっさにわたしはサンドバッグの中に隠れました。そしたら…」


Aは目を丸くしていた


「なんと、まあ、そうだったのか…これは悪いことをした。本当に、この世は狭い。一つここは、お互いに水に流して、この縁を大事にしようじゃあありませんか」


Bは安堵の表情で、Aに握手を求めた


「そう言って貰えると、非常にありがたい。いや、縁とは本当に不思議なものです…」


Aが、申し訳なさそうにCに言った


「すみません。あなただけをかやの外に出してしまったようだ。さあ、あなたの死因を聞かせてください」






「ええ、ある日わたしがジョギングをしていたら、急にサンドバッグが落ちてきまして…」






頭が足りない…


という訳で、なんかどこかで聞いたような話になってしまったのは、星氏をリスペクトし過ぎたのでしょうか


多分また書きます


では

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