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滅びの世界の調停者~迫害された魔女ノエル、最強になり世界を一つにする~  作者: 鴻上ヒロ
第4章:予言書の魔女と依代と地下大教会【仲直り編】
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48.戦争のはじまりと終わり

 グリム歴2000年11月9日。


 先週博多での会合の帰り、ユーリアは「来週また行くことになる」と言っていたが、本当にきっちり1週間後の今日、ユーリアが朝から尋ねてきた。

 とりあえず家の中に通そうとしたが、「いやここでいい」と彼は入ろうとしない。どうせすぐに出ることになるのだから、とでも言うのだろうか。


「えっと、博多行きの件?」

「その通りだ、これから全員で博多に向かうことは可能かね? 今回は馬車になるが」

「あ、うち小型転送機あるよ」


 前回は公務として正式な手段で博多に行ったため転送装置を使えたが、今回は違うということなのだろう。どうした狙いかはわからないが、ひとまず小型転送装置を使って全員で博多に赴くことになった。

 ルミとカイに説明し、まずはノエルが博多の街外れに子機を設置する。

 影扉で家に戻り、子機を設置したことを伝えるとカイとユーリアが一人ずつ転送装置を使う。こうして全員で博多の街外れに来た。

 子機を回収してカバンに入れ、街に向かう。


「で、どういった用事なんだ?」


 ルミが問うも、ユーリアは答えない。

 ただ一言を除いて。


「これから博多の闇をご覧に入れよう」


 ユーリアに案内されるがままに歩き辿り着いたのは、高級宿だ。核世界の建築様式で造られてはいるが、ほかの宿や民家と比べて豪華なのが見て取れる。

 何より、大きい。以前宿泊した安宿は二階建てで部屋が4つしかなかったが、この高級宿は比較的高層だ。異世界から漂流してくる高層ビルよりは背が低いが、部屋の数が外からではわからないほど大きい。

 ノエル達は一度も来たことがない高級住宅地のド真ん中。

 一体ここに何があるのか、ノエルの心に緊張の糸が張り詰めた。


 ユーリアは扉の前に立ち、扉に手をかけようとしてピタリと止まった。


「先に言っておくが、僕が許可を出すまでは飛び出さないでもらいたい」

「どういうこと?」

「この地下に目当てのものがあるのだがね、君達が確実に激怒するようなものなのだよ」

「わからないけど、まあわかった……?」


 ノエルはルミとカイを見た。彼女らは首を傾げている。ユーリア以外の誰もが、これから何が待ち受けているのかわからないようだった。

 ただ、自分たちが激怒するようなものと聞いて、ろくでもないようなものがあるということだけは理解できた。きっと、あの誓約が無に帰されるような何かがあるのだろう、とノエルはなんとなく思った。

 でなければ、あのとき「1週間後また行くことになる」とは言わなかっただろう。ユーリアは最初から、ここにある何かの存在を見越してあの誓約書を書かせたのだ。そう思うと、ノエルはユーリアが少し怖くなった。


 高級宿に入り、ユーリアが金色のカードを提示した。黒いスーツとサングラスの男が退き、地下への階段を降りる。ひんやりとした不安感を抱きながら階段を降りていくと、徐々に人々の声が聞えてきた。

 口々に金額を叫んでいる。銀貨10枚、20枚、50枚、金貨1枚とどんどん大きくなっていった。

 階段を降りきって扉を開くと、信じられない光景が飛び込んできた。

 十数人の人が椅子に座り、奥のステージを見ている。ステージには首輪をつけられた裸の女が数人並んでいる。彼女らの中央には、小さな角の生えた魔族の女の子がいた。

 世間知らずのノエルにも、理解できた。これは奴隷オークションだ。

 不快だ。金額が叫ばれるごとに、魔族の少女の肩がピクリと動く。彼女は涙目になり、俯いていた。あまりにも不快で、今すぐ飛び出したくなった。

 ユーリアが言っていたのは、このことだったのか。ユーリアの顔を見ると、彼も不快感を隠そうともせず、顔を顰めている。


「ここは禁止されている奴隷市だ、今競売にかけられているのは御察しの通り、魔族の子供だよ」


 進行役と思しき人が、彼女の説明をしている。魔界からの密航船に乗っていたところを捕まえた、正真正銘の十二歳の魔族の子供だと。魔族であることの証明をするかのように、進行役が鞭を打つ。


「やめて! 痛いのだわ!」


 傷ができ、すぐに修復された。彼女の叫び声が耳にこびりつく。周囲の人間たちは、それを見て歓声をあげ、さらに金額を釣り上げていた。

 それからも何か説明をしているが、何も頭に入ってこなかった。ただただ、気分が悪い。


「君はこの光景をどう見るかね? ノエル君」

「どうって……気分が悪いよ」

「同感だな、私も不快だ」

「わたしも……あの子まだ子供なのに」


 全員の声色から、ハッキリとした憎しみが感じ取れるようだった。全員が、顔を顰めてステージを見ている。手のひらが痛い。ノエルは自分でも気づかないうちに、手のひらから血が流れるほどに拳を強く握っていた。


「悪魔や魔族を恐れ、忌み嫌いながら、こうして労働力や性のはけ口として利用しようとしている。矛盾しているのだ、彼らは」

「ひどすぎる」

「その通り、僕もこれをよしとしない」

「……ユーリア」

「うむ、許可しよう」


 その言葉を聞いた瞬間、影扉を使って一瞬で魔族の子の隣に移動していた。精霊の剣を引き抜き、彼女の手枷・足枷・首輪を影腕で外していく。

 何が起きたか理解していないのか、会場が一瞬静まり返った。


 だが、静寂は三秒と続かなかった。


「あ、悪魔だ!」

「貴様! 何をする!」


 どよめきで、床が揺れていた。ノエルは女の子を抱きかかえながら、精霊の剣の切っ先を会場にいた人たちに向ける。

 影腕には炎弾を持たせた。


「今日売った奴隷たちを全員解放しなさい」

「何言ってんだ! 高い年会費払って来てんだ!」

「この悪魔が! 誰か! 警備を呼べ!」


 ため息をつき、近くに誰もいない壁に向け、威力を弱めた炎弾を放つ。地下に轟音が鳴り響いた。瞬間、会場にいた人間たちが我先にと逃げようとし、揉み合いになり、躓き転ぶ様子がよく見えた。

 進行役の男が、奴隷を全員連れてきた。ノエルは彼女らの枷と首輪を外す。暗黒物質でローブを作り、彼女らに着せた。会場から誰もいなくなるのを待ち、彼女らをユーリアに託す。

 みな、怯えきったような表情をしている。解放された奴隷は、魔族の子を含めて6人。


「もう大丈夫だよ」


 声をかけ、子機を設置する。カイとルミを先に魔女の家に向かわせ、解放した人を全員魔女の家でしばらく匿うことにした。部屋は二人一部屋になるが、全員同意してくれた。

 カイが怯える人たちの目を見ながら優しく諭し、全員を送り届けた。ノエルはユーリアと奴隷オークションの会場に残る。

 ふう、と息を吐いてユーリアに向き直った。


「ありがとう」


 彼が頭を下げる。ノエルは「ううん」と短く言って、剣を収めた。ユーリアがなぜここに連れてきたのか、なぜあの会合の帰りにここに来るということを伝えたのか。

 冷静な怒りのせいか、普段よりも頭が速く回るようだった。


「ノイマン……」

「その通りだ、これはノイマンの主催なのだ。そして君が外したこの首輪、これは魔族の神通力や悪魔の魔法を遮断する」

「これの主催がノイマンだって証拠、どうせもうあるんでしょ? だけど一人でも助けたくて、ここに連れてきたんでしょ」

「お見通しか、してノエル君、君はどうするかね」


 ノエルは首輪をひとつ拾い上げ、力強く握った。魔族の女の子の痛みにあえぐ声が、怯えた顔が、涙が頭から離れてくれない。離したくもなかった。

 こんなことは許されていいわけがないのだ。こんな首輪と枷で自由を奪い、命の価値を勝手に定めるようなことは、あってはならないのだ。種族なんて関係がない。


「行こう、ノイマンのところに」


 ノエルは子機を回収し、ユーリアと一緒に博多の市庁舎に向かった。ユーリアのおかげで、争うことなく市長の執務室に辿り着けた。きっとノエルだけなら、市庁舎にいる人々や駐屯する騎士たちを全員縛り上げなければならなかっただろう。


 市長室に入り、ふかふかとした椅子にふんぞり返るノイマンの姿を見た瞬間、ノエルは彼を影腕で縛り上げていた。近くに控えている秘書を逃がし、恐怖に顔を歪ませる彼に近寄る。

 ユーリアが一枚の紙を出した。奴隷オークション開催の許可証である。ノイマンの署名があった。

 そして、ノエルに一枚の紙が手渡される。誓約書だった。確かに、ノイマンの署名と拇印がある。


「貴殿は誓約という言葉をご存知ないと見える」

「な、なんのことだ!」

「奴隷オークションで魔族の少女が出品されていてな、ここに君のサインもある。奴隷売買は禁止されている。白教の教義にも反することだ。断じて許せる所業ではない」


 ノエルが拘束をよりキツくすると、ノイマンはうめき声をあげた。その目は、ノエルを恨めしそうに睨んでいる。この期に及んでそんな目をするとは、と呆れるばかりである。根の奥の奥まで腐りきっているらしい。


「誓約を破るとどうするか、私言いましたよね」

「魂を取られるか、それが嫌なら私ユーリアの言う通りにするか。言っておくが私は貴殿らに対し戦争を仕掛けるつもりである」


 ノエルは魂を取られるとどうなるか、うつろに詳しく説明させた。

 魂を取られた人間は、体の腐敗が急速に進み、肉体が死を迎える。魂を別の器に移すことは、ノエルでは不可能だ。ノイマンの魂は自らの肉体が腐敗していくのを眺めながら、絶望に苛まれ、悪魔になる。

 器がなく、ただ延々と魂だけで漂い続けることになるのだ。


 うつろが、言いながらわざとらしくケタケタと笑っている。これが、うつろの思う悪魔らしい振る舞いなのかもしれない。

 ノイマンは、嫌だと泣き叫んでいる。


「ほう、その場合、戦争で都市が焼け、無辜の民が死ぬがいいのかね」

「た、魂を取られるよりはマシだ!」

「あくまで我が身大事か」


 ノエルは人殺しがしたいわけでも、戦争がしたいわけでもない。それでも、これまで憎い誰かを殺してやりたいと思うことがあった。アイコに対してすら、一度や二度くらいはそう思ったことがある。

 殺す価値がないというのは、こういう人のことを言うのだと思った。


「どうせ貴様も戦争がしたいのであろう! 宣戦布告だ! わかったら離せ!」


 ノエルはふう、と息を吐いて拘束を解く。ユーリアがニヤリと笑っていた。彼がこういう顔をするときは、決まって何か策を打っているのだ。その策通りにハマったときなのだと、ノエルは知っていた。


「戦争布告、確かに受け取った」


 踵を返すユーリアの後ろをついていく。ユーリアはそのまま街の北門に足を進めた。北門からほんの少し歩いたところにある森林地帯から、大勢の人間がぞろぞろと出てきた。

 全員、武装している。神戸で見た騎士服と、見たことがない騎士服の人間が百人以上はいた。博多でも神戸でも京都でもない騎士団、となれば彼らの所属は消去法でわかる。

 名古屋の騎士団だ。名古屋の騎士団は、魔族を相手に交渉をする立場であり、魔族以外には魔物しか住まない魔界に隣接していることもあり、精鋭揃いだ。

 そして彼らを束ねる女傑が一人、ノエルとユーリアに近寄ってきた。


「はじめまして、魔女の家のノエルさん、私は名古屋市長兼名古屋騎士団長のトキワです!」

「え、あなたが?」


 名古屋市長と言えば、騎士団長を兼任する女傑だと評判だ。その評判は神戸にまで轟いており、以前名古屋から渡航してきた行商人が自慢しているのも聞いたことがある。

 彼女は赤龍と呼ばれる倭大陸最強の魔物を一人で討伐したという逸話のある、人族だ。魔族でも悪魔でもない、人族最強の戦士である。

 彼女はノエルを見て、にこりと笑った。


「お噂はかねがね聞いています!」

「噂ですか?」

「ええ、強い女性がいると! いずれお手合わせ願いたいと思っていたのですよ!」


 いちいち声が大きい人だ、と思った。

 だが、嫌いではない。


「さてノエル君、一度ルミ君とカイ君を呼んできてくれたまえ」

「え、でもあの人達を……」

「彼女らの面倒は私の秘書に見させることになっている」

「そういうことなら……わかりました」


 子機を置いて影扉で家に戻ると、本当に彼の秘書の女性が家にいた。奴隷として売られかけた女性たちが、食事を摂っている。貪るという言葉がこれほど似合う光景は、他にないだろう。

 満足に食事も摂らせてもらえなかったのだろう。ノエルは秘書の女性に「お風呂にも入れてあげてください」と言って、カイとルミに事情を説明する。

 二人とも驚いていた。


 ルミは影扉を使いノエルと一緒に、カイは転送機でユーリア達の下へ戻る。カイはそこに揃った戦力を見て、呆然としていた。


「さて諸君、先程博多市長ノイマンから宣戦布告を受け取った。我々は博多の度重なる悪魔や魔族への迫害行為、及び禁止されている奴隷オークションの開催に怒りを共有し、神戸・名古屋の同盟軍を結成した」


 ユーリアが声を張り上げた。誰もが黙って聞いている。彼は大きく身振り手振りをして、語り続ける。


「だが! 無意味に血を流すつもりはない! 故に今始まった戦争は、今終わりを迎えるのだ!」


 その言葉の最中、北門から騎士団が出てきた。博多の騎士団とノイマンが、北門から進軍してきたのだ。

 だが、彼らはこの状況を前に固まってしまっている。ノイマンがあんぐりと口を開けているのが見えた。博多騎士団長のミハエルも、同じように固まっている。


「さてノエル君、彼らをいい感じに威圧してくれたまえ。方法は任せるよ」

「わかりました」

「博多に告ぐ! 降伏すればよし、さもなければ、我等神戸名古屋同盟軍が即刻博多に攻め入る!」


 ユーリアの言葉の意味を、ノエルはなんとなく理解した。始まったばかりの戦争を、威圧するだけで終わらせようというのだ。そのためにノエルが取るべき行動は、ひとつのように思えた。

 ノエルは影腕を八本全て出し、うねうねと動かして見せつけながら、ポケットからワイヤーを取り出した。リングを指にはめ、前に躍り出る。

 普段やっている大道芸を披露した。最初は赤龍演舞からだ。最初は状況を飲み込めていなかったらしいカイとルミが、今ではノエルの後ろで笑いを堪えている。

 博多の連中から、さまざまな声があがった。


「ま、魔法だ! なんて恐ろしい……炎の龍だ」

「ひぃぃ! 悪魔だ! 魔女だ!」


 狙い通りなのだが、徐々に腹が立ってきた。ワイヤーに纏う炎がより大きくなる。

 続いて雷鼠演舞を披露する。先ほどと同様に怯える声が大きいが、それらに混じって「なんか綺麗じゃね?」という声が聞えてきた。少しだけ気分がよくなり、ついつい普段より激しめにワイヤーをうねらせていた。


「ノイマンに問う! 降伏か! 報復か!」


 ユーリアが畳み掛けた。ノエルはというと、次は新技のバトンを使った演舞を披露しようと用意している。常に持ち歩いていて良かった、と心底思った。


「我々神戸には、恩人の村を滅ぼされた恨みもある! これは脅しではない!」


 バトンを取り出して技を始めようとしていると、ユーリアが「君も何か言いたまえ」と耳打ちしてきた。何かと言われても、特に気の利いた言葉が浮かばない。

 とりあえず先日完成させたばかりの墨光演舞を披露しながら、口を開いた。


「私は争うのを好みません! 素直に降伏してくれると嬉しいです!」


 踊りながらバトンを何度も投げ、闇魔法と光魔法の入り混じった黒い光がバチバチと輝く。


「あと神戸にはラウダ商会の本部があります! 私達は商会に口がきけます! 降伏しない場合、今後商会は一切博多行政区に品物を卸さないかもしれません!」


 知識の奥底にあった経済報復というものをしてみた。本当に商会がその判断をするかはわからないが、少なくとも戦争中は商会は神戸につくだろう。


「そろそろ踊るのをやめたまえ」

「あ、はい」


 言われて演舞をやめ、バトンをカバンに収納した。ルミとカイが声をあげて笑っている。とりあえず、二人に親指を立ててみせた。


 少しして、ノイマンとミハエルが、すぐそばまで寄ってきた。


「……降伏する」


 ノイマンが、掠れた声を絞り出した。


「ほう、いいのかね?」

「このような状況を作り出しておいて、よく言う」

「はっはっは、これで戦争は終わりだな」


 ユーリアは気分良さそうに笑っている。対する彼らは、項垂れていた。正直、いい気味だと思った。


「今しがた、君らの市長は降伏した! こちらに争う意志はない! 速やかに武装を解除し、帰宅したまえ!」


 ユーリアが叫ぶと、少しの間を置いて騎士たちが困惑したような様子でぞろぞろと街へと引っ込んでいった。ユーリアはノイマンとミハエルを拘束すると、「戦後処理をはじめようか」と言って、博多の市庁舎へと向かった。

 連合軍は解散。集められた軍隊は博多北門近くの屯所に駐在し、戦後処理を終えれば転送装置で帰るらしい。ノエル達魔女の家は、戦後処理の会議に加わることになった。


 後の歴史に残る1時間戦争である。

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