鉄の爪(2)〜グレゴールの策略〜
鉄の爪の本拠地に突入したジョナサンたち。しかし、彼らを待っていたのは圧倒的な戦力差だった。鉄の爪の戦士たちは重装備を身にまとい、無慈悲に襲いかかってくる。
「くそっ、数が多すぎる!グレゴールまで届かねえ!」
アーチボルドが怒鳴る。彼は腕に傷を負いながらも、布で作った即席の盾を構えていた。
「下がるな!俺たちはここで終わるわけにはいかねぇ!」
ジョナサンは叫びながら、旗を掲げ続けた。その姿に、パッチワーク団の仲間たちも奮い立つ。
しかし、戦いが激しさを増す中、タエはふと違和感を覚えた。
(どうしてグレゴールは自ら前に出きたのかしら…?)
グレゴールは正面から無防備で現れた。
それがタエの疑念を生んだ。いくら兵が多いといえ
ど、敵前に指揮官が現れるのは危険だからだ。
その答えはすぐに明らかになった。
「後ろを見ろ!」
誰かの叫び声が響いた。振り返ると、パッチワーク団の背後に新たな勢力が現れていた。
「何…!?」
それは、鉄の爪の別動隊だった。彼らはパッチワーク団が前線に集中している隙をつき、包囲しようとしていたのだ。
「挟み撃ち…だと…?」
ジョナサンの顔に焦りが滲む。
だが、その時だった。
「よくもまあ、姑息な手を使うもんだな!」
力強い声が響いた。
タエが目を向けると、そこにはバロンと赤手のバロンの戦士たちがいた。
「俺たちを忘れるなよ!」
バロンはニヤリと笑い、鉄の爪の別動隊へと突撃した。
「バロン…!」
「礼は後でいい!まずはこの場をしのぐぞ!」