鉄の爪(1)〜キルトの誓い〜
ジョナサン、アーチボルド、そしてパッチワーク団の仲間たち。それに赤手のバロンの一味を合わせた連合軍は、武器を用意し各々のキルトを鎧にまとわせ、鉄の爪との決戦に向けて準備を進めていた。街には緊張と殺気が滲んでいた。
だが、タエは戦うだけではなく、もう一つの方法を模索していた。
「戦いの中でも、縫い合わせることはできるのよ」
そう言って、タエはジョナサンに特別なキルトを手渡した。それはパッチワーク団の象徴となる旗だった。
ジョナサンは頷き、その旗を誇らしげに掲げた。
パッチワーク団と赤手のバロンの連合軍は、鉄の爪の拠点へと進軍した。しかし、それらの顔は、
恐怖も、殺気もなく、あるのはただ勇気それだけだった。
「こっちに来るのが遅かったな!」
鉄の爪のリーダー、グレゴールは豪快に笑いながら彼らを迎えた。
だが、ジョナサンはキルトの旗を掲げ、叫んだ。
「俺たちは、この世界を縫い合わせるためにここに来た!力だけの支配は終わりだ!」
一瞬、静寂が訪れた。
だが、グレゴールは鼻で笑った。
「バカバカしい。そんなもので世界が変わると思うのか?」
ジョナサンは力強く頷く。
「変えるさ。俺たちの手でな!」