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30/56

30:目覚め

驚くほど、すっきり目が覚めた。ここはどこだろうと、横になったまま部屋を見渡すと、ベッドに寄りかかりながら寝息を立てるスカーがいた。領地に帰ったはずだったのに、なぜここに居るのだろう?不思議に思ったが、珍しくほどいている髪にさらさらと指を通してみる。



真っ直ぐな水色の髪の毛は、まるで流水が手の中にあるようだった。まとまっていると、水色に見えていた髪色も、一本一本だと、まるで透けているようだ。面白くて何度も繰り返していると、先ほどまであった寝息が聞こえない。



ぱっとスカーを見ると、しっかり開いている瞳と目が合った・・・。


「――・・・、おはッ、こほっ、けほッ、・・」



誤魔化そうと思い、声を出したら、のどがカラカラ、かすかすだった。思わず咳き込んでしまい、スカーが慌てて、コップに水を入れ、僕の上体をベッドから起こし、手を添えながら水を飲ませてくれた。



「慌てて飲むなよ。まずは、小さく一口、ゆっくり飲み込んで、そうだ。」



子どもじゃないから自分で出来ると、思っていたのだが、コップを持つどころか、自分で上体を起こしたままを維持する事すらできなかった。その後、もう一度僕を横に寝かせ、スカーは人を呼んでくると部屋を出て行った。それから少し、僕は自分が一体どうなったのか、考える。



あの日は、ニック先輩と夫人、それからスカーの妹であるナディ様とお茶を楽しんだ。それから、それから・・・、!僕は幻獣に嚙まれたはずだ。死ぬのを覚悟するくらいの―――・・・



思い出そうとすると、息がうまく吸えなくなる。イヤな汗が出てきて、苦しい、痛い、・・・たすけて


「モリア!!」


自分では動かすことのできなかった、体を持ち上げられ、涙の溢れる顔を胸元に抱き込まれた。ゆっくり息を吐くように言われ、背中をさすりながら、ずっと〝もう大丈夫、心配ない。ここは安全だ〟と繰り返し囁いてくれていた。



恥ずかしいと言う感情が支配するぐらい、冷静になった頃、抱きしめてくれていたのが、スカーだと気付いた。もう大丈夫だと体を離すと、またすぐ別の誰かに抱きしめられた。薬草の匂いだ。嗅ぎ慣れた懐かしいニオイ。



「母様、心配かけてごめん」

「――おかえりなさい。」



めったに動揺しない母の、震えるおかえりの言葉に、僕は自分が思っている以上に、危ない状況だったのだと、思い知り、ただいまっと母の体を抱きしめ返した。






固く抱きしめ合う親子に、視線を向けながら、あの日、本当に間に合って良かったと、様々な幸運に感謝した。


父上からの緊急招集により、俺と、ダンはその日のうちに準備を済ませ、荷物を馬車に任せ、護衛と共に馬で領地まで急いだ。到着が夜遅かったので、その日は体を流し、明日、朝一で父上との謁見の用意を、スピアに任せて休むことにした。



次の日、火急の用事と言う事でどんなトラブルが、発生したのか、覚悟していたのだが、朝、スピアから〝旦那様から、朝食をしながら話をしよう〟と伝言がありました。と聞いて、少し拍子抜けした。


ダンを伴いながら、食堂に行くと、父上と談笑している客人が2人――。


「父上、おはようございます」

「おぉ、ちょうどお前の話を、していた所だ。ヴァディン殿、紹介させていただく。息子のスカーレット、そして、我が騎士団の団長子息、アンダン・ベルティーだ。」



「ガスタルバーグ領主長男、スカーレット・ガスタルバーグと申します。」

「ベルティー騎士団長の息子、アンダン・ベルティーと申します。」



俺達が貴族の礼を取りながら、自己紹介すると、あちらも2人席から立ちあがる。ダンと同じくらい身長がありそうだ。褐色の肌に、ワインを濃く煮詰めたような髪色で、ボブスタイル。従者だろうか?5㎝ほど低いが、武道派なのだろう、小麦色の肌に、服の上からでも分かる、筋肉。後ろでゆるく結んでいる髪の色は妖艶な紫だった。



「お初にお目にかかります。ドラグーン・デニアより遊学でまいりました。ヴァディン・D・ドラグス。ドラグス辺境と言った方が分かりやすいでしょうか?――あぁ、こっちは友のヘラスデス・テディ。」

「よろしくお願いいたします」



言葉は悪いが、人懐っこそうで、ニコニコしながら自己紹介をされると、、懐にスルリと入らせてしまう雰囲気を持っている。が、よく観察すると、その眼光は思っているより鋭い―――。試されているのだろうか・・・?




紹介が済み、皆が席についてから食事が運ばれ、軽く朝食を取ったあと、そのまま談話室に移動した。お茶の準備をすませたら、セバス以外全員を下がらせ、ドラグラス殿が何かを取り出し、テーブルの上に置き起動させた。



「無許可ですみませんが、雑談変換器を起動させてもらいました。信用していない訳ではないのですが、念には念をと言う事で、ご了承ください。」



雑談変換器とは、魔道具の一種で、音声を遮断すると、いかにも内密にしたい話をしていますと、敵に漏らしている事と同じなので、離している内容とは一切関りの無い、雑談に聞こえるように変換する魔道具だ。



「時間が惜しいので、本題に入らせていただきます。私は、遊学でこちらに来たのではなく、5か国同盟を結ぶための使者としてまいりました。」



父上は少し察しがついていたのか、顎に手を当て、考えるそぶりをしていた。俺と、ダンは、なぜこの場に自分たちが呼ばれたのか、軽くパニック状態だった。



「ガスタルバーグ領主様、および、ご子息様方――、発言をお許しください。」


そう言って、今までヴァディン殿の側で静かに控えているだけだった、テディ殿が発言の許可を求めてきた。父上に視線をやると、


「許可しよう」

「ありがとうございます。今お聞きの通り、ヴァディン様はバッ・・・、説明不足な点が短所でございまして、」


こいつ今、バカって言おうと――・・、まぁ、先ほどの紹介でも、友と言っていたので、2人の関係は俺とダンのような気安いものなのだろう。



「ここからは順を追って、私が説明させていただきます。どうぞ、ヘスとお呼びください。」


そう言ってこれまでの経緯を話してくれた。


書きたい事とタイピングのスピードが追いつかない!早く打ったら、誤字だらけww

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