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22/56

22:2日目、3日目

「・・・体が、・・痛いッ」


そう言って初めに起きてきたのは、ジルベルト君だった。結局、僕はあの後、焚火の側で、うとうとしただけだった。



「おはよう。とは言っても、もう10時過ぎだけど、ご飯いる?」


朝は、イノシシの骨をじっくりコトコト、水を足して、灰汁を取って、3時間――・・・ちょっと野性味はあるけれど、おいしい出汁が出来た。そこに持ってきていた、麦やらの雑穀米を生のまま入れて、またコトコトひと煮立ちさせ、塩で味を調えたら出来上がり。



「うぅ~ッ、しみる・・・おいしい」


「・・僕も、・・・食べるッ」


そう言ってテントから這うように出てきたのはベリルだった。


「若いのに、鍛錬が足りてないね~。今日も山菜摘み行くんだけど?」


実際、森で過ごす時間は3日目の朝まで。今日の食料さえ確保してしまえば、余裕だ。肉もまだある。それに、明日は昼前に、全員この森の中のある場所に集められるらしい。



僕は行かない~、俺もここの番をしておく。いってらっしゃいと、2人に見送られ、先輩と森の中に入った。



「あの2人は、運がよかったんだな。本来なら、今頃、リタイアしていた事だろう」

「そうですね。先輩と組めて、ラッキーでした。」


「違う、俺のことじゃない。ラッキーだったのは君と組めたことだ。」


僕?いやいや、いやいや、このくらい大したことないですよ?なんて言ったら、先輩は盛大な溜息を吐いていた。


「クケルト、そういえば、君のことを初等部や、中等部で見たことがなかったのだが、これまではどこに通っていたんだ?」


「?学校に通ったのは、初めてです。」


僕はさらなる爆弾を落としたらしく、珍しい先輩の表情が見れた。





「これは、笑竹、食べたら死にます。こっちは、タラ草。肉の臭み取りにいいです。」


食べられるもの、そうでないもの、毒のあるものの特徴、様々な事を先輩に話しながら、山菜を摘んでいると、さすがに腰が痛くなり、ぐっと伸びをした時、



「あッ!!先輩!あれ取れますか?」



そこにあったのは、アップルレモン。市場ではなかなか出回らない果物だ。おいしいのだが、取ってからすぐに食べないと、味が落ちるので、流通しない。


「カラカラ蛇の好物なので、そばにいるかもしれません。気を付けてください」



だが、先輩は危なげなく4個ほど実を取ってくれた。大きさは大人のコブシ大、皮は手で簡単に剥ける。中で4等分にわかれているので、まずは一つ。


んっ~~!!甘い、うまい、最高!!


木から下りてきた先輩に近寄り、口元に実を持っていき、


「先輩、あ~ん」


そして素直に従う先輩。


「!!初めて食べたが、うまいな・・・」


そう言って2人で顔を合わせて、初めてハタと、別に食べさせなくてもよかったのでは?どうぞと、取ってもらえば済んだのでは?とじわじわ恥ずかしさが・・・



「かっ、帰りましょうか」

「そうだな・・・」



こうして2日目は、とくにたいした事もなく過ぎていき、明日はとうとう最終日――・・・。








「忘れ物は、ないな?」



そう言って荷物を抱えながら、最終確認をしている先輩。本日3日目、無事朝食も済ませて、荷物をまとめ、時間を確認すると、昼前。今から、先輩の持っている転移陣で集合場所へと向かう。



「使い方は行きの時と同じだ。皆しっかり手をつないで、離すなよ」


そうして行きと同じように、光があふれたと思ったら、到着した。ずいぶん開けた場所で、そばに小屋まである。


「お疲れ様、まだもう少し時間が掛かるみたいだから、向こうで待機していてね」


そうして僕達の事を誘導しに来たのは、カタルフィー先生だった。次々、生徒が帰ってきているからか、先生たちは大忙し。指定された場所で大人しく待っておくかと近づくと、目の下にがっつりクマのできている者、この3日で何があった?と言う位、やつれている者、泣いている者、様々だった。



「なんですか?これ?」

「毎年、大体こんなものだぞ?だから言っただろう?運がよかったと――。」





カルタフィー先生が前に立っている。


「校外授業、お疲れ様でした。ここに見当たらない生徒は、リタイア組なので、心配ありません。これから残りの時間、ここでオリエンテーションをしますが、体調のすぐれない生徒は、先生と学園に帰っても構いません。」



この放送から30分後――。3分の1の生徒が帰路についた。


「改めて、お疲れ様でした。この行事は毎年、色々なドラマがありますが、楽しめたと言う事は、君たちは大物になる可能性を秘めているのでしょう。それでは最後に、ここに残った方たちだけ、これから、教員、そして先輩方の力を借りて、幻想圏に行ってみましょう」



僕の脳は、この言葉を処理するのにしばらく時間が必要だった。


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