第七話 リエ アメリカへ旅立つ
ミナから、電話が入った。
「パパ。あのー。・・・お父さん達。アメリカへ行けない。て。私。パパに・・・申し訳なくて。・・・どうしたら。良いか。」
「あ。そうですか。・・・それは、残念。だな。楽しみにしていた。のに。」
「うん。・・・パパに。申し訳。たたない、でしょう。て。言った。んだけど。」
「あ。良い、んだよ。お前の、所為じゃ無い。んだから、気にしないで、良いよ。・・・直ぐに断るから。お母さん達は、行くから、良い、じゃない。」
「うん。すみません。」ミナは、泣いていた。
真田は、直ぐ、旅行会社に電話して、キャンセル。した。十日以上前だから、キャンセル料は払わなくて済んだ。毎日、買い物で忙しかった。
いよいよ。九月十日、出発の日が来た。伊豆に行ったとき。の。マイクロバスを頼んだ。虎の門まで来た。お父さん達は、空港まで行くと言うので、一緒に乗った。お父さん達は、しきりに謝っていた。真田は、気にしない。で。と。言っていた。リエの父も、俳優とは言え、自分の事と成る。と。寂しそうだ。でも、アメリカには、時々行く時が有る。から、会えると思っている。ミナ達も、寂しそうな感じだ。
二時間前に、空港に着いた。コーヒーを飲みながら休んでいた。
ロスアンゼルス、径由、ニューヨーク行き。案内が、表示された。お父さん達とは。ゲートの前で、別れた。九人で並んで、通路を歩いた。いよいよ離陸。
これから、十日間、観光を兼ねての、アメリカ滞在。リエの夢。実現。
長い、飛行機の旅に、全員。疲れたようだ。ようやく着いた。ニューヨーク。
タラップを降りて、検査を通り抜け、荷物を取って、ロビーに出た。アメリカ人が、待っていた。直ぐ分かったようだ。
「真田さんですか。」日本語で、丁重に話しかけてきた。
「はい。そうです。真田は、相手の顔を見て、静かに、答えた。
「ドリス・ディーの。使いの、者です。私達が、ご案内します。」と。周りに五人居た。ガードの人たちだ。重そうな荷物を持ってくれた。車のあるところまで、歩いた。全員乗った。車が出た。暫く走って、門の前で止まった。運転手が下りて、ブザーを押した。門が自動で開いた。車は、其の儘。走った。三百メートル程、走ったか。白い、大きな三階建の家が見えた。
「わ。大きな、家だ。」皆でびっくり。
玄関の前に、横付けに止めた。先生らしき、おばさんが、出てきた。
「ハロー。・・・プリーズ。」で迎えてくれた。真田が先に下りて、おばさんと、握手している。皆も、後を着いて行った。家の中に、入った。吹き抜けで、広くなっている。靴のまま、上がった。曲がった、幅の広い階段が有った。その脇を通り、ドアーを開けた。大広間があった。ソファーが、いっぱい有り、大きな長いテーブルがあった。おばさんが。
「プリーズ。」皆座った。真田が早速。リエの手を取って、おばさんに、紹介した。生徒らしき、若い女性三人も居た。
「この子が、リエです。」リエは、深々と頭を下げた。リエは、英語が話せるので。
「よろしくお願いします。」と、英語で挨拶した。おばさんは、ドリス・ディーだ。リエは、震えていた。
「オゥ。貴方。ね。」日本語で、ハグ、してくれた。リエを抱き寄せて、凄く、喜んでいる。ニコニコしている。真田と話している。真田は、月謝として、一千万円。送って置いた。から、そんな話をしているようだ。お母さん達は、何がなんだか、分からない、儘、ボー。と。している。ミナ達は、リエの後ろに立っていた。時間は、三時を回っていた。皆、お腹は、空いている。し。疲れている。し。どうしたら、良いか分からない。そして、泊まる部屋を、案内された。二階が、ゲストルームに成っている。お母さん達が、一室。彼女達が、一室。真田が一室。ホテルみたいに、部屋が、並んでいる。部屋住みの、女性達が、案内してくれた。お手伝いさんも、四人居る、と。言う。二時間ぐらい、休んでください、と、言っているので。
皆は、荷物を置いて、娘達の部屋に集まった。お母さん達は、相当疲れている。リエたちは、それ程でもない。
「お母さん達。シャワー浴びて、少し休んだら。」ミナが言った。
「そうね。」お母さん達は、部屋へ行って、休んだ。真田も、リエたちも、それぞれシャワーを浴びて、休んでいた。
一時間ぐらい、経ったら。お手伝いさんが来た。
「後、一時間後に、パーティーが始まります。」と、言ってきた。皆、安心して休んだ。真田も寝た。そして、一時間後に、お手伝いさんが呼びに来た。
皆で着替えて、一階に下りた。開場は、一階の奥で地下に有った。広いホールになっている。奥に広い、ステージがあり、天井が高くて、コンサートホールみたいだ。ステージでは
バンドマン達が、音の調整を、している。お母さん達は、びっくりして、いる。一般の家
に。コンサートホールを、作って有る。なんて、流石、アメリカのスターだ。証明も凄い。
先生が寄って来た。リエが、通訳をしている。
「此処では、何時でも、パーティーを開催している。今日は、特別なバンドマン達を、用意して、貴方達を歓迎。する。・・・日本に行った時、真田さんと、撮った。写真です。」と、言って、一枚の写真を見せた。
「あら。パパ。若い時。・・・先生も若い。」皆で、写真を見て、褒め称えた。先生も、喜んでいる。お客さんも、ぽつぽつ、見えた。
「今日は、日本から来た、お客さんの為に、皆で、歓迎します。ここを卒業した子達が、参加します。」と、言った。このホールは、五十人ぐらい座れる。今日は三十人ぐらい、集まると言う。テーブルには、料理が用意されている。そして、テーブルに案内された、中央の、一番前の席だ。特別席。先生がステージに立って、挨拶した。
「本日は、日本から来た、お客さんを紹介します。・・・リエと、言います。どうぞ、こちらへ、来て下さい。」リエは、立ってお辞儀をし、ステージに上がった。
先生が、手を差し伸べて、リエと中央に並んだ。リエが、マイクを持った。
「この度、私は、先生のところに、ジャズを、勉強しに、来た。リエと申します。アメリカの皆さん。私は、アメリカは初めて。です。何も分かりません。が。一生懸命頑。張りますので、宜しくお願いします。」と、挨拶した。そして、先生が。
「リエさんは、今日から、ここのプロダクションの、一員となって、私の、ジャズを勉強して、プロのジャズシンガーとして、世界中を、旅したい。と。言うので、私が、引き受けました。これからは、ファミリーとして、迎えてください。」
そして、真田たちも、全員、先生の指示で、ステージに上がった。
「そして、この人が、リエのマネージャー。です。」真田を紹介した。
「そして、この子達は、リエの友人です。又、この人が、リエのお母さんで。その友達です。今夜は、宜しくお願いします。」先生が、紹介してくれました。
パチパチパチパチパチパチ。盛大な、拍手喝采だ。全員、揃って頭を深く。下げた。
拍手と歓迎の演奏が鳴った。皆、席に座った。バンドマスターが、司会して。
シャンペンで、乾杯した。そして、聖者の行進で開演した。一人が、歌い終わったとき、バンドマスターが。リエの傍へ、来て。
「リエサン。一曲歌って、ください。貴方が、送ってくれた。テープを、聴きました。とても、上手です。・・・プロが歌う前に、歌って。ください。」と、言って、いる。
リエは、真田に通訳した。真田が
「うん。そうした方が良い。彼は、気を使ってくれた。んだ。プロの前に、歌わないと。歌い。ずらくなる。から。て。」リエは、どきどき、鼓動が動いた。
「はい。・・・歌います。」宜しくお願いした。バンドマスターと、リエは、中央に立った。そして、リエを紹介した。リエはマイクを持った。マイウエイ。
そして、演奏が流れた。リエは、お辞儀をして、英語で、歌い始めた。
皆さん、静かに聴いて、いる。アメリカに行く、と、決めたときから、自分で、発音の練習をしていた。らしく。真田も、リエじゃない。ように、聞こえる。アメリカ人が。歌っている。ようだ。真田も、びっくりしていた。
リエは、歌い終わった。すると、拍手喝采が、鳴り響き続いた。リエは、頭を下げて、ステージから降りて、席に座った。まだ、拍手が、止まない。
ここに居る人達は、全員、プロ達だ。和服を着て、ジャズを歌っている。人を見るのは。初めてだと。言っている。バンドマスターが。
「どうも、有難うございました。リエさんは、とても、上手です。これから、私達と、一緒に勉強すれば、もっともっと、上手になります。任せてください。」
お母さん達は、涙を流して、喜んでいた。
「良かったねっ。リエっ。皆、良い人ばかりの様で。・・・頑張ってね。」
お母さんが励ました。先生も傍に来た。
「リエさん。送ってきたテープより、凄く上手に。なっている。よ。・・・真田さん。私も力が入ります。」と、ニコニコしていた。そして、演奏が、二時間続いた。飲んで、食べて、歌を聴いて、皆は、日本に無いものを。感じて、大喜びだ。そして、フィナーレだ。先生が来て、明日のスケジュールを、真田と話している。
明日は、朝食後、十時出発、ラスベガスに行く、お手伝いさん、二人と、観光バスが案内する。先生は行かないそうだ。ホテルを二泊三日。予約してあると言われた。そして、皆は、真田の部屋へ集まった。真田は、明日のスケジュールを、皆に、話した。
「リエ。上手かったねー。前より上手くなって。いる。発音が。」
「うん。練習したの。」コーヒーを飲んで、少し休んだ。そして、各部屋へかえって寝た。次の日。皆、八時ごろ起きて、真田の部屋へ、集まっていた。コーヒーを飲んで、話していた。
「パパ。夕べは、感動しちゃった。・・・音響と言え、バンドと言え。本場は、凄い。私達。初めてだ。もの。」
「皆、初めてよ。・・・それにしても凄い。リエ。頑張れ。」皆、励ましていた。
「今日は、ラスベガスだ。ここは凄い。よ。俺も、一回、行った事がある。とにかく凄いの、一言。」
「でも、怖くないの。・・・話に聞くと。」
「あー。マフィア同士はね。観光客は、全然、大丈夫です。安全です。」
「カジノ。て。遣った事。無い。もん。一度、やってみたい。と。思っていた。
「面白いよ。・・・ぱー。と。やりましょう。」話していたら。
お手伝いさんが、呼びに来た。朝食だそうだ。皆、下へ降りた。食堂へ入った。ホテルの食堂みたいに、広い。先生が、来た。
「お早う御座います。」皆、立って挨拶した。
「夕べは、眠れましたか。」
「はい。眠れました。」リエが英語で、喋っている。
「朝食が終えた。ら。すぐ出ます。ので、支度をして、ください。」て。
「急がなくても、良いって、ゆっくりして」と、言っています。
「はい。分かりました。」皆で朝食を食べている。先生は、席をはずして行った。
どうも、日本人は、せっかちな事を。知っている。ようだ。
支度をして、玄関ホールに集まった。先生も居た。バスに荷物を積んだ。
「皆さん。行ってらっしゃい。休憩しながら、気をつけて、いくのよ。」と、注意して。見送ってくれた。バスは、リクライニング式で、三十人乗りだ。ゆったりしている。夕方着くように行くと言う。全員乗った。走った。
「夕方着く。ん、じゃ。丁度良い。ネオンが、点いている、から。」
「テレビで見たことがある。・・・あのネオンが、見られるの。」
バスは、ニューヨークの街を通り抜け、郊外に出た。ここから、一直線だ。バスは、二時間毎に、休憩を取った。お手伝いさんが立った。
「後、十分ぐらいで、着きます。」皆、そわそわしている。いよいよ着いた。
「わー。凄いー。此処が、ラスベガス。話には、聞いていた、けれど。成る程。街全部が、ネオンだ。・・・凄い。」皆、わくわく。窓から眺める、ネオンに。ため息をついて、いた。車は、街を、一周してくれた。ホテルに着いた。
「このホテルも、凄い。」荷物を持って、車から降りた。ラスベガスでは、一流のホテルで、中には、カジノ、ダンスホール、コンサートホール、クラブ、バー、ラウンジ、両替所、全てある。ですから、外には出ないで済む。ポーターが居た。玄関だ。みんなの荷物を持ってくれた。真田は、チップを上げた。
「わー。広いー。」吹き抜けの、広いロビーだ。お手伝いさんが、カウンターで、チェックインを、済ませてくれた、エレベーターに乗った。二十階だそうだ。部屋に着いた。ドアーを開けた。
「なにー。広いー。スイートルーム。だ。」皆で中を見て歩いた。ダブルベッドの寝室が、四部屋、バスルーム、シャワー付が、二つ。トイレが、二つ。窓からは、ラスベガスの街が、一望。次に、隣にもう一部屋。ドアーを開けた。
「わー。此処も広いー。」中を見た。部屋は、ダブルベッドが、ある。浴室、トイレ、ラウンジ、この部屋は、真田が泊まる、部屋だ。
「此処は、真田さんの部屋です。」お手伝いさんが、言った。皆は、とにかく、広さには、圧倒された。お手伝いさんは、別の部屋がある。らしい。そして皆、スイートルームに、集まった。中央が、広くなって、リビングみたいになっている。
「一時間後に、来ます。」と言って、お手伝いさんは、部屋を出た。
「凄い。ね。ラスベガス。」
「えー。私は、一回来た、だけで。・・・昔と、変わっています。ね。大分。」
「でしょうねっ。時代に合わせて。」わくわくして、話していた。ミナが。
「ね。皆。・・・リエは。パパと一緒に居てあげて。・・・会えなくなるから。」エリとエミが。
「そうよ。・・・私たち、も、考えていた。の。・・・リエ。ずーと。一緒に、付いて、いて、良いわよ。」真田は、外を眺めていた。すると。リエは、嬉しそうに。
「有難うー。ミナ、エリ、エミ。」と、言って真田の傍へ行った。お母さん達は、知らない振りして、ぺちゃぺちゃ、何か話している。そして、真田とリエは、隣の部屋へ行った。一時間あるので、皆、シャワーを浴びた。着替えて、又、スイートルームに、集まった。真田が、バックから二百万円出して、ミナに。
「はい。これ。・・・皆で使って。・・・カジノ。」
「え。パパ。・・・良い、の。」お母さん達も。
「えー。悪いわ。よ。一応持って来た。のよ。私達も。十万円。づつ。カジノ。やるのに。」
「え。お母さん達も、カジノ。」
「良い。じゃない。・・・ね。真田さん。」
「あ。良い。んだ。よ。・・・その為に来た。ん、だから。」
「わー。楽しそう。じゃ。パパ。これ。お母さん達と。良いの。」
「良い。ん、だよ。遊びだ、から。」真田は、嬉しく、話していた。
「悪いわー。・・・でも。甘えちゃ。おー。有難う。」話は決まった。
「お母さん達。パパの傍を、離れないように。ね。・・・迷子に、なっちゃう。よ。」
「はい。分かりました。」と、笑いながら、話していた。お手伝いさんが来た。
「皆さん。行きましょう。」後をついて行った。十一人、ぞろぞろ。ナイト、レストランクラブ。ドアーを開けた。広いホールだ、段々になって、奥に下がっている。ステージがある。三百人ぐらい、入れる。ボーイが来た。真田は、チップを、くれた。案内されて、座った。中央の席だ。お手伝いさんは、帰った。後は、ボーイが、世話をしてくれると言う。生演奏で、ダンサーが、踊って、いた。食事が運ばれてきた。皆で食べながら、ジャズ、タンゴ、ワルツ、様々なジャンルの演奏が鳴る。飲んで食べて。二時間過ぎた。真田は。
「どう、ですか。お母さん。達。出ませんか。」ミナも、話した。
「出ましょう。か。」皆、出た。
「あー。静かだ。」中は、演奏の音で、賑わっている。真田は、お手伝いさんを呼んだ。飛んできて、案内して、付いて回る。カジノに行く。お手伝いさんの後を、ついて行った。ドアーを開けた。
「わー。広い。」何処に行ったら良いか。分からない。ボーイが来た。真田は、チップを上げた。喜んで、案内してくれた。ルーレットが、良い。と、言われたので、ルーレットをすることにした。一番大きいステージを、選んだ。五十人ぐらい、居た。掛ける人が多い。ほど、楽しい。真田は知って、いた。時計は、十時ごろだ。二時間ぐらい、遊ぶ事に。した。両替した。真田が、百万円。お母さん達が、四十万円。ミナ達が、四十万円。手始めに、真田が十万円。掛けた。皆で、見ている。
「パパ。回った。・・・」
「はずれた。」真田は、あっと言う間に、百万円無くなった。
「あ。駄目だ。・・・皆、賭けて。」お母さん達が、テーブルの前に、出た。取りあえず、一人十万円。づつ、賭けた。回った。
「おー。お。お。おー。当たったー。」騒がしい、注意された。あまり、騒いでは、駄目らしい。お母さん達は、静かに、なって。
「真田さん。ほら。見て。」静かに言った。真田が見た。びっくり。リエのお母さんが、当たった。よーく。見た。
「お。二百万円だ。」真田は、小さい声で言った。後の人達は、はずれ。
「あ。お母さん。・・・当たり。・・・ほら。ほら。」皆集まった。
「凄い。・・・二百万だ。ほら。本当だ。」今度は。
ミナ達も賭けた。
「あ。駄目だ。取られた。」四人は、四十万円。無くなった。後、百六十万円。残っている。
「パパ。どうしよう。・・・」
「うんー。どうせだから。六十万。行っちゃった。ら。・・・皆で、相談して、一つに、決める。四人の運を、確かめる。・・・・その、気持ちで。」
「え。・・・」四人で、相談した。あーだ、こーだ、中々、決まらない。一回、遅れた。二回目だ。決めた。
「よし。これで、行こう。」四人は、決まった。リエに、チップを置かせた。六十万円。三十倍。ルーレットが、回った。
「あ。おー。お。お。お。おー。あ。」皆、汗をかいて、いる。
「ア。止まった。・・・あ。パパ。止まったー。ミナ、エリ、エミ、止まったー。」リエは、震えるように、喜んでいる。真田も見た。
「お。当たりだ。」皆で喜んでいる。リエは、当たりの、換金のカードを、貰った。本当に、信じられない。リエは、又、皆に見せて、確かめた。一千八百万円。分。
「パパ。帰ろうー。・・・ここに、居たら、無くなる。わ。よ。」
お母さん達も、そのようだ。真田も帰ることに、した。真田は苦笑いを。していた。
夜食の、食べ物を買って、真田の部屋へ集まった。十二時を回っていた。
コーヒーを飲みながら。
「あー。パパ。」リエは、又、札を、出して見た。
「うん。明日。チェックアウトの、時。カウンターに出せば、現金を。貰えるよ。
それに、お母さんも。」
「本当。・・・二百万円。・・・うれしい。わ。」皆でスナック菓子を、食べながら、話している。
「あの時、パパが。言ってくれた。の。皆で相談して、場所を、決めなさい。て。ね。凄い。」
「あの。一言が。パパ。」
「真田さんに、言われたの。・・・えー。」お母さん達は、真田を見た。
「うん。・・・この、四人は。・・・運が、良いね。まさかと、思った。事が。当たりましたよ。四人が、纏まれば、怖い者。無しだ。よ。」
「良かった。ね。」お母さん達は、喜んでいる。
「でも。お母さんも、当たった。でしょう。・・・二百何円。」
「でも。・・・なんかこの子達。見たら。力が抜けちゃった。」ミナが。
「そんなこと。ないてしょう。・・・二百万円。よ。お母さん。」
「そう。よ。大金。よ。・・・二百万円。」
「パパ。明日、朝食食べたら、帰り、ましょう。ここに居る。と。無くなり、ますよ。・
・・切が無い。から。」
「そう。私達も良い経験、したから。もう。良いわ。」明日、帰る事に。決まった。そして、各部屋へ別れた。真田とリエは、一緒だ。一時を回っていた。
翌朝、朝食を済ませ、お手伝いさんを、呼んで、夕べの話をした。
「OK」ニコニコしていた。そして。支度をして、ロビーに集まった。お手伝いさんも、一緒に、カウンターに行った。リエとお母さんの、換金カードを、出した。
「OK」カードを二枚、持っていった。三十分位過ぎて、女の人が、来て。
「此処での換金は、危ないので、事務所に、入って下さい。」と言われ、事務所に、入った。そして、お金を渡された。すると、駐車場の車まで。護衛してくれる。と言う、ので、皆で、ホテルの裏から。出て、車に乗った。車は、ホテルから出た。そして、ニューヨークに、向かった。どきどきして、いた。
「良かった。ねー。初めての、体験で。合わせて、二千万円。・・・当たる。なんて。夢のようだ。わ。」車は、先生の家に着いた。先生が、玄関で、待っていた。
「ただいま。」
「おかえりー。」先生が、ニコニコしている。
「皆さん。凄かった。みたい。ね。・・・大当たりで。」お手伝いさんが、先生に、電話したみたいだ。荷物を下ろして、とにかく、真田の部屋へ、集まった。
「あー。疲れた。」皆、疲れたようだ。コーヒーを飲んで、居る。
「パパ。」リエが、お母さんの、分も、持って、いる。
「これ。・・・二千万円。・・・」真田も。
「うん。聞かれても。・・・皆さん。どうする。」一人のお母さんが。
「お手伝いさん達。四人。居る。ん、でしょう。これから、お世話になるから。・・・今日の、お手伝いさん。・・・知っている。から。ね。・・・上げないと。どうでしょう。真田さん。」
「そうです。ね。・・・知らなかったら。良かったけど。・・・・少し、気持ちで、上げましょう。・・・十万円。づつ。・・・後は、皆さんで均等に。分けなさい。私は、良いですよ。」ミナが、バックから。
「パパ。これ。・・・・残り。百万円。」
「うん。・・・そうか。百万円使った。だけか。ハハハ。凄いね。」真田に、百万円返した。残りは、皆で分けた。ミナが言った。
「皆。百万円。づつ、分けて。残りは、リエに。プレゼントする。・・・どう。」
「え。・・・それ。・・・良いじゃない。」
「良いよ。・・・うん。それが、良い。」話は決まった。七百万円引いて、残り、千二百六十万円は、リエに、プレゼント。
「え。こんなに。入らない。わ。よ。」すると、全員で、押し付けるように。
「リエ。・・・取っておきなさい。よ。皆の、好意、なんだから。」リエは、涙を流しながら。
「有難う。有難う。有難う。」喜んだ。真田も、この人達をみて、涙を、貯めていた。皆、仲が良い。そして、彼女達で、お手伝いさん達、四人に、十万円。づつ、一人一人に、手渡した。
「アリガトウ。アリガトウ。」と、何回も、頭を下げていた。この人達は、住み込みで、小遣い程度しか、貰えない、らしい。だから、大喜びだ。そして、夕食まで、少し寝た。気分も良くなって、起きた。真田と四人は、一階に下りた。
何だか、騒々しい。人が、大勢集まって、いる。先生が、寄って来て。
「本日は、資産家の、御曹司の、誕生パーティーが、ある。皆さんも、ゲストで、参加してください。リエサン。は。着物を着て、ください。・・・皆に、紹介してあげる。から。今後の為に。も。」
此処では、何時も、パーティーがある。様々な人達が、来る。先生が歌手時代に、築き上げた。人徳である。今でも、多くの人達が、慕ってくれている。と言う。リエは、感心して聞いていた。真田もびっくりした。まだ、三十分有るから、支度してきてくださいと、言われた。早速、二階に入って、お母さん達に話して、リエは、着物に着替えた。お手伝いさんが、呼びに来た。
皆昨日の、ホールへ、入った。百人ぐらい、入って、居た。真田たちは、テーブルに、案内された。ステージを見て、右側の、テーブルだ。此処が、ゲストが座る場所。らしい。だから、一目で分かる。食事も用意されていた。演奏が始まり、司会者が出て、挨拶をした。スピーチは、食事をしながらする。日本とは違う。他にプロ歌手も居る。そうだ。ジャズを歌って、ダンスをして、賑やかだそうだ。二人歌った。
そして、先生が、マイクを持って、中央に立った。話している。リエの事、言っている。・・・リエを見て、手を上げた、リエは、その場に立って、一礼をして、ステージへと、上がった。大拍手だ。母さん達も、真田も、拍手をして、いた。リエは、先生の横に、立った。先生より少し、大きい。でも、先生も大きいほうだ。そして、演奏が始まり、マイクを持った、リエが、一礼して、歌い始めた。五分間、シーンと聞いている。歌い終わった。大拍手喝采、暫く続いた。リエは、一礼して、ステージから降りた。
それから、少し休み、真田達は、退場した。真田は、
「明日は、ニューヨークで、買い物でも、するか。」
「わー。良いわ。ね。憧れのニューヨーク。」リエは嬉しそうだ。
「私達は、何処を見たら、良いか、分からない。わ。」
「良いのよ。お母さん達は。・・・私達に着いて、来れば。」
「そうね。・・・後から着いて、行きます。」リエの母が。
「私は、三回ぐらい、来ています。けれど、殆ど、歩かなかった。怖かった。し。決められた場所だけ、歩いた。の。」
「そうよ。怖いわ。よ。・・・事件に巻き込まれたら、でも、明日は、皆、一緒だ。し、真田さんも居る。し、のんびり、付いて行きましょう。」皆、疲れた様子で、部屋に戻って、寝た。リエと真田は、一緒だ。
次の日、九時ごろ起きた。皆で食堂へ行った。先生も居て、食事の用意ができていた。テーブルに座って、食事を始めた、すると、リエが突然。吐き気を模様した。洗面所へ行った。すると、連鎖反応で、三人も行った。お母さん達が来た。
「もしかして。貴方達。・・・妊娠。」
「えー。」
「そうよ。・・・きっと。勘で。私の。・・・どう。気分は。」
「うん。大丈夫。・・・あー。」テーブルに、戻った。人は、あまり食事が、進まなかった。真田も、分かっていた。事。だが、・・・考えてみれば、今日で良かった。先生に、頼めるから。・・・真田は、先生に、その旨を、話した。
「あら。本当ですか。それは、それは、早く分かって。・・・私に、任せなさい。」
と、言って、分かってくれた。リエも、宜しく。と頭を下げた。食事を済ませ、気分が、回復したので、着替えて、玄関に居た。お手伝いさん二人が、案内してくれる。皆でぞろぞろ、歩いた。三十分位、歩いた。ビルの谷間を、通り抜け、大通り公園に出た。大勢の人が、パラソルの下で、寛いでいる。テラスの有る喫茶店を、探した、丸い大きなテーブルがあった。其処に座った。
「日本とは、違います。わ。ね。・・・老夫婦。達。子度連れの、若夫婦。達。楽しくお喋りしています。ね。・・・賑やかに。笑って。」殆どの店が、セルフサービス、である。
「お母さん達。ここで、待っていて。」真田と子供達は、コーヒーとジュースを、買ってきた。
「好きなの、とって。」いっぱい買ってきた。此処で一時間ぐらい休んで、ファッション街に出た。さっきとは、がらりと変わって、高級感が、溢れている、感じがする。道路を歩いていると、ただのビル街に見える。大きなドアーの上に、ブランド名が書いてある。だけ。ドアーを開けて入ると、びっくり。広い。
「わー。広い。・・・凄い。」ガラスケースに、並べてある商品は、高級品。て。感じがする。とりあえず、街を一回りする事に、して、店を出た。そっち。こっちと。歩いた。時間もお昼になった。飲食店街に、案内された。
お手伝いさん達が、バッハローの肉。専門店が有る。と言うので、其処へ入った。なるほど。繁盛している。大きなテーブルに座った。セットメニューを頼んだ。コーヒーが来て、飲んでいた。ボーイが料理を運んできた。テーブルがいっぱいになった。
「お。これは。・・・私も、初めてだ。」真田も初めてだ。
ワインも頼んだ。お母さん達も。
「バッハローの肉。・・・初めて、ね。」皆で、珍しそうに、食べていた。
お手伝いさんが、説明してくれた。
「バッハローの肉は、脂が無く、肉も柔らかいのが、特徴で、ヘルシーで、一番の人気メニューに、なっている。」て。リエが、通訳していた。
「へー。・・・ヘルシー。」お母さん達は、ヘルシーと言うので、目の色が変わった。
「美味しい。」真田も。
「お。旨い。・・・初めてだ、けれど。」お手伝いさんが。
「ただ。高級なので。私達には、中々食べられないです。」
「あ。高級だから。お手伝いさん達は。食べられない。て。」
「えー。高級なの。」
「うん。らしいです。でも、美味しい。」
ステーキ、ハンバーグ、から揚げ、サラダ、スープ、全部バッハローの肉。
真田が、会計を済ませた。びっくりした。
「パパ・・・今の・・・なに。高かった。」
「あ。安くて。・・・びっくり。ハハハ。」
「なんだ。・・・パパ。高いのかと、思った。・・・ハハハ。」
お手伝いさん達は、高級と。言っている。外へ出た。真田が。
「皆、何が欲しい。・・・・お母さん達にも。プレゼントする。好きなもの。」
「え。お母さん達も。だって。・・・何が良い。」リエが聞いた。
「え。何にしよう。」お母さん達は、相談していた。そして。
「じゃ。・・・エルメスのバッグが、良い。」と言う、ので、エルメスの店を探して、入った。一人一人、違うものを買った。リエ達四人は、ベルサーチが良い。と言うのでベルサーチの店を探して入った。流石にベルサーチは、人気が有る。大勢の人が、入っている。靴とバック。二個。づつ、買った。それを車に置いて、街を歩いた。テラス式のレストランに、入った。コーヒーを飲みながら、お手伝いさん達に、色々聞いて、話している。ジャズクラブが有る。と言うので、行く事にした。暫く歩いて、店の前まで来た。
準備中の札が下がっている。お手伝いさんが、店に交渉して、入って良い。と言うので、入った。音合わせをしていた。一番前のテーブルを選んで、座った。ボーイが来て。真田は、チップをくれた。ワインと料理を頼んだ。お客が、ぞろぞろ入って来た。二百人ぐらい入れる。料理とワインが来た。テーブルいっぱいになった。オープニング演奏が始まった。真田らは、ワイン乾杯した。新世界が、静かに、流れている。
司会者が出てきて、今日の案内をした。本日は、四人のシンガー。男二人、女性二人。出演すると言う。そして、男性が出て歌った。次次と、歌った。リエはじっと見ている。皆も聞き言っていた。二時間ぐらい聞いて。店を出た。外は暗くなっていた。夜の、ニューヨークを、歩いた。そして、家路に向かった。疲れて帰った。先生が、まだ、起きていた。
「お帰り、なさい。」
「ただいま。」リビングに集まった。買い物を置いた。
「どうでした。か。」先生が、ニコニコして言った。真田が。
「とても、良かった。買い物をして。楽しかった。」
「それは良かったですね。・・・明日の夕食会には。アメリカ№1の、女性シンガーが、来てくれます。皆さんと会う為に。・・・私が頼んだのです。・・・一曲だけよ。忙しいから。
・・・楽しみにしていて、下さい。ね。」
「えー。本当。嬉しい。」真田とリエは、先生と手を握り合って、喜んだ。先生は、休んだ。真田たちも、真田の部屋へ集まった。ミナがコーヒーを入れてきた。皆で寛いだ。
「今日は疲れたけど、楽しかった。ね。」お母さん達は。嬉しそうだ。
「パパ。有難う。・・・こんなに買って、頂いて。」
「本当。真田さん。有難う。」お母さん達も、満足そうだ。時間も十二時を、回っていた。それぞれ部屋へ行って休んだ。真田とリエは一緒だ。リエは、真田に、身体で喜びを表して、燃えていた。
次の朝。
九時ごろ起きた。朝食の用意が出来ていた。朝食を済ませ、皆でさ外へ出た。
屋敷を、散策する事にした。
「わ。広い。」屋敷は、三千坪、有る。庭を歩いて行くと、プールが有った。
「あ。プールだ。・・・大きい。・・・何メートル。」
「あー。・・・五十メートル。・・・六コース。有る。」
「リエ。良かった。ね。プールは、有る。し。屋敷で、散歩できる。し。のびのびと、過ごせる。ね。・・・良かった。」皆、安心していた。
「先生も、良い人。だし。・・・でも、赤ちゃん、が。・・・」リエのお母さんが、心配そうだ。リエは。
「大丈夫よ。お母さん。頑張る。から。今まで。挫けたこと。無い。も。私。」
「そうよ。お母さん。今は、直ぐ、来れます。から。・・・飛行機で。」
「パパだって、何かあれば、直ぐ来る。もん。・・・ね。」
「あー。俺は、何時でも、来れる。よ。心配しないで、良い。・・・先生にも、頼んで行くから。」真田も、優しく言った。リエの母が。
「お正月は、此処に、来るわ。皆で。・・・先生に予約。して、行こう。」
「それも、良いねー。」皆で、決まった。
「私達も、忙しくなりそうねー。」お母さん達は、もう、孫のことを考えているようだ。真田にも、その気持ちは、分かっていた。一時間ぐらい歩いた。そして、リビングに集まった。先生も居た。お客さんが居る。ようだ。
「あ。良いのよ。この人。コックさんよ。今日も、五十人ぐらい、来るから、メニュー決めている。の。コーヒーは、自分で入れて、飲んで良いのよ。」
リエは、直ぐ、コーヒーを入れてきた。先生も、終わったようだ。
「あー。終わりました。」皆の傍へ来た。リエは、先生にコーヒーを入れた。
「はい。・・・有難う。此処は。ね。毎日、人が集まる。の。だから、メニューは、来る人に合わせて、出してあげるの。・・・この本に、それぞれグループの好きなもの書いてあるの。買い物も大変だから、低音倉庫を造って、殆どの食料は、ストックして、あるの、よ。」真田は、聞いていて。考えが同じだ。と。思った。更に。
「リエさんは。昼に、レッスンして、夜は、本番出演が、できる。のよ。だから、此処の生徒達は、上達が早いの。」先生は、楽しく、話している。軽い昼食を食べて、夕方、四時ごろまで、各部屋で、休む事にした。
皆、四時ごろ起きた。そして、真田の部屋へ、集まって、コーヒーを飲んでいた。
外から、車の音が聞こえる。お客さんが来たようだ。次々入って来る。真田達は、呼ばれるまで、部屋で待つことに、した。
「五十人も来るなんて、アメリカ人は、パーティー。好きだから。」
「へえー。無い日、楽しそうね。」
「リエ。良かった、じゃない。・・・退屈しない。もん。」すると、ドアーが。とんとん。お手伝いさんが来て。
「皆さん。用意が、出来ました。」皆着替えて降りた。スタジオに入った。先生も居た。すると、先生が。
「真田さん。リエさん。」二人呼ばれた。二人で行った。控え室だ。大物歌手が居た。真田は、びっくり。
「日本の、真田さんと家のリエさん。」と、紹介してくれた。ニコ。っと、会釈してくれた。真田達は、客席に帰った。幕が開いた、主催者が、挨拶して、オープン。ここを、卒業した歌手達。四人が来ていた。聖者の行進で始まったので、リエも入った。五人で歌った。
そして、アメリカ№1の歌手が出て、枯葉を歌った。場内は、シーンとして、聞いている。やっぱり違う。リエは、耳を澄まして、聞いている。終わって、大拍手。凄い。と、感じた。ジャズは日本の民謡と同じで、歌い継がれているが、歌手によって、全て違う歌に、聞こえる。此処が、民謡との違いだな。と、感じた。リエも、希望が膨らんだ。二時間が過ぎ。真田達は、先生に、挨拶して、退場した。すると、先生も着いて来た。リビングに座った。
「リエさん。お会いできて良かった。ね。」リエは。
「有難うございました。」お礼を言った。
「明日は、美術館や博物館を見たら、いかがですか。」と、言われた。
「はい。・・ご案内、宜しくお願いします。」真田は、そのつもりで居たから、ちょうど良かった。少し、話して、真田達は二階に上がり、休んだ。真田とリエは、夜は、一緒に寝ていた。後二日で、帰る。リエは、別れを惜しむ。かのように、真田にむしゃぶりついた。真田もそれに答えた。
朝、九時ごろ起きて、皆、そわそわしている。エリのお母さんは。特に。朝食を済ませ、十五人乗りの。マイクロバスに乗った。博物館、美術館、巡りだ。
カフェーで一休みして、お手伝いさんは、コースを話して、決めた。ボストン美術館に入った。エリのお母さんは、そわそわ、していた。
「わー。大きな建物。・・・」聞いては居たけど。成程凄い。圧倒されていた。真田は、何回か来ている。後の人達は、初めてで、ある。中には、超一流の作品が、並んでいる。皆。ふ。と。気付いた。ガードマンが、付いて回らない。外に居る。アメリカは、見学者には、着いて回らない。いたずらする人が、居ない、からだ。古美術を凄く、大事にする。国である。エリのお母さんは、びっくりしていた。一日中観て回った。疲れて帰った。先生が居た。
「お帰り、なさい。」
「ただいま。」皆疲れている。真田と先生が、話している。明日、帰ることを話している、ようだ。
「今日は、お別れパーティーね。・・・ファミリーだけで。ね。」先生が、言った。皆は、地下の、スタジオを、もう一度。観たかった。
「日本のコンサートホール。より、豪華な造り。ね。音響、照明、客席、シャンデリア、全て、行き届いて居る。わ。」
「リエさん。頑張ってね。お母さん達は。応援している。から。ね。」リエが。
「うん。ご期待に答えるように、頑張る。よ。」
「リエ。その調子、よ。・・・必ず。」真田は。
「うん。・・・俺も、時々来るよ。様子見に、会い。に。」
そして。ファミリーだけで、食事を楽しんだ。先生も、お手伝いさんも、一緒に、居てくれた。
そして皆は、二階に行って。今日は直ぐ寝た。真田とリエは、夕べと同じく、別れを惜しむように、激しく燃えて。いた。
次の朝。早く起きた。お手伝いさんが来て、リエが生活する、部屋へ、案内した。
三階の奥の部屋だ。三階は、先生の部屋もある。お手伝いさんは、一階だ。
「へー。広いよ。リエ。二部屋。バス、トイレ、洗面所、洗濯機、乾燥機、えー。キッチンも付いている。・・・一軒の家。だね。眺めも良い。し。」
「リエは、此処から、人生の始まりね。」皆は、安心していた。
「リエ。今日どうする。」
「え。・・・どうする。て。」
「空港まで、行く。・・・」
「うん。今。考えていたの。・・・行かない。・・・此処で、良い。」
リエは、寂しげに、うつむいて、話していた。皆は、分かっていた。朝食を食べて、帰り支度をして。リビングに集まった。真田は、先生に、リエのお腹の事、宜しく頼んで、いた。
「分かりました。明日、病院へ、連れて行きますから。安心してください。」
お母さん達も、安心した様子だ。そして全員で。
「先生。宜しく、お願いします。」と、深々と、頭を下げた。
ミナ達三人は、別れるのは、初めてで、リエの心胸が、分かる。
ミナ達は、込み上げる涙を、押さえ切れないで、声を出して、泣いて居た。
車が外で待っている。お手伝いさん達が、荷物を積んでくれた。
「じゃ。・・・此処で、・・・別れましょう。」真田は、リエの手を、取り。込み上げてくる、のを。押さえ切れな、かった。声が、詰まっていた。
皆、車に乗った。先生とリエは、手を振っていた。リエは、左手で口元を押さえている。車は、走った。空港に着いた。まだ、一時間ある。カフェーで休んだ。
「リエの気持ち。分かるわー。・・・空港まで、きたら。帰りたくなる。よ。」
「私達も。辛かったよ。だって、何時も、一緒で、離れた事、無かった。もん。」
真田が。
「うん。これが絆を深める、かも分からない。・・・これを起爆剤。として、成長するだろう。し。もっと。強くなる。だろう。し。大丈夫だ。よ。」
「そうね。パパも、言っていた、良い方向に、舵を切る。そして、出会い。そう考えれば。リエは幸せ。ね。だって。アメリカから、人生、生活の始まり。なんて。ロマンチックじゃない。」
「お。流石。文学者。」真田は。褒めた。ミナのお母さんも、嬉しそうだ。
「真田さん。本当に有難う。私達が、やらなければ、いけないことを。こんなにして頂いて。本当。頭が下がります。」
「そうね。アメリカまで連れて来て、№1の、ジャズシンガーに、会える、なんて、家の、プロダクションだって。出来ない、ですよ。それを真田さんが。出来る。なんて。本当。素晴らしい。」真田も。
「え。私も、本当に、良かったです。よ。良い先生に、紹介して。・・・将来が、楽しみですよ。・・・お母さん。」
「本当です。安心して、待ちます。」深刻に、話していた。搭乗の案内が流れた。
お手伝いさんがまだ居てくれて、荷物を持ってくれた。入場した。
飛行機が離陸した。日本まで、約、十六時間。飛行機の中。飛行機は、水平飛行に入った。後、一時間で、成田着。真田は、電話ボックスに行って。銀座の寿司屋へ、電話を入れた。十一時ごろまで、銀座に着く。店を開けて居てくれるように頼んだ。八人分。OKだ。そして。シートベルト着用の、お知らせが流れた。これを聞くと、一安心だ。三十分。早く着いたそうだ。真田達は、二台のタクシーで、銀座に向かった。タクシーが、急いでくれたので十時に着いた。
「おーす。」
「らっしゃい。」親父が出てきた。
「お帰りなさい。」奥のテーブルに、刺身とワインが、用意してあった。皆、荷物を置いて、座った。真田が。
「お疲れさま。」皆でワインを飲んだ。すると、煮魚、お新香、茶碗蒸しが出た。
「わ。美味しそう。」お母さん達は、美味しそうに食べて、いた。
「真田さん。有難う。楽しかった。わ。これからも、宜しく、お願いします。」
お母さん達は、お礼を、言った。
「はい。私こそ、約束通り、頑張ります。から、宜しくお願いします。」
「お待ちどうさま。」親父が、寿司を大皿で持ってきた。八人分。
「どうぞ食べてください」真田が言って。皆で食べ始めた。
「お寿司は、美味しい。」お母さん達は、喜んで食べている。ミナ達も。黙々食べて、いる。真田は、一人、ワインを飲んでいた。親父が、自分のビールを持って来て、座った。
「どうでした。か。アメリカは。皆さん。」
「え。真田さんにお世話になって。娘から、私達から。皆で。楽しかった。のよ。」
「本当ね。すっかりお世話になりました。」すると親父が。
「幸ちゃんは、親父に、似ている。な。・・・この店も、幸ちゃんの親父に、お世話になって、建てた。んですよ。・・・戦後の荒れ果てた時、良い場所が有る。から。て。そして、三国人の、盗人。悪い奴らが、はびこって、いて、警察も、手に負えないで、居た、そのとき、幸ちゃんの親父らが、三国人を銀座から、追い払って、くれた。奴らは、夜中から、朝方にかけて、襲撃して、くる。警察は居ない、からだ。それを親父さんたちは。毎日毎晩、追い払って。そうして、銀座は落ち着いた。世話好きな、人で、誰にでも、好かれた、人だった。喧嘩が強くて、負けたことが、無い。でも、一般の人達には、凄く当たりが、良かった。ですから、親父さんが、亡くなって。葬式のときは、大勢の一般の人が、並んで、お焼香したよ。幸ちゃんも、親父さんと、そっくり。だよ。私は、こんな、ちっちゃな、時から、見ている、から。」
「へー。銀座。て。そんな時代が、有った。んです。か。」
「真田さんの、家系は、任侠道で、二代目で。・・・私も、仕事柄、昔の銀座の話は、監督。とか、作家に、聞いていました。旦那さんが、言っているの、聞いています。・・・それが。・・・真田さんの、お父さん、だった。なんて。不思議なめぐり、合わせ、ね。」真田は、黙って聞いて居た。親父が。
「あ。そうですか。・・・良かった。です。ね。・・・幸ちゃん。て。・・・娘さんたちも、分かるでしょう。・・・幸ちゃんの事。」
「はい。分かります。・・・お父さんの事は、今日、初めて、聞いた。」
「そうですか。・・・これからは、お父さんの事だからね。・・・子供にも、こんな、お爺さんも、いた。のよ。て。」
「そうね。パパ。・・・そのうち、もっと詳しく、教えて。おじいさん。の事。」
「あ。良いよ。・・・いっぱい、有るよ。銀座での、出来事。」真田も、照れたような。関係ないような。そんな気分だった。
「あ。もう一時だ。・・・そろそろお開きに、しますか。」
「はい。帰りましょう。」
「今日は、良い話聞きました。有難う。」お母さん達も。真田家を、少し、知った気がした。又、女将さんのことも、気掛かりになった。そして、タクシーで、別々に帰った。真田たちも、虎ノ門に帰った。そして、直ぐ風呂にお湯を入れた。リビングに、買ってきた物を並べて、わいわい騒いでいる。真田は、湯加減を見て。風呂に入っていた。疲れた。目を閉じて、ゆったりしていた。
「あ。パパ。・・・風呂、入っている。私達も、入ろう。」がやがや、入って来た。
「パパ。皆で入ろう。」真田も、疲れていたが、知らん振りをしていた。入って来た。まだ、幼さがある。真田に皆で、絡み合って、いる。
「おー。俺は、先から入ったから。もう上がる。よ。」シャワーをかけて、上がった。部屋へ行って、仰向けに寝ていた。三人は、洗いっこ。して、遊んでいる。がやがや出てきた。丸裸だ。
「パパ。」三人で、覆いかぶさってきた。
「おいおい。」真田も、嫌がらずに、流されている。
「パパ。今夜は、三人よ。」疲れていた。が。若い振りをして。頑張った。真田も我慢できなくなり。エミだけを、強く抱いた。エミも。最高超に興奮して、恍惚になり。二人で頂点に達した。四人は、久しぶりの、セックスに、興奮が冷め切れない。真田は、やはり、歳だ。ぐったりして寝た。三人は、まだ、興奮状態だ。
次の朝。皆、起きたのは、十一時だ。真田も、うとうとして起きた。
「あ。・・・ふらふらだ。死にそうだ。・・・殺される。」リビングの椅子に、座った。ミナがコーヒーを、入れてきた。
「パパ。夕べは、エミだけ、愛しちゃって。ね。」エリも。
「そうよ。・・・私が、変わったら。寝ちゃって。」
「あ。悪い、悪い。」真田も、答えようが、無かった。まだ、ふらふら。
「あ。そう。お前達。今日。・・・産婦人科に行って、検査をしてくれ。頼むよ。俺も責任がある。から。」
「うん。今。相談していた。の。・・・行って来る。病院は、決めてあるの。お母さんに、聞いて、おいた。の。・・・此処から、近いわ。」
「そうか。分かって、いた。んだ。・・・良かった。」
そして、三人は、十時に、産婦人科へ行った。真田は家で、待っていた。
三人は、二時ごろ帰ってきた。
「パパ。できたー。」
「うん。」寝ていた。ふらふら起きた。
「パパ。出来た。のよ。赤ちゃん。」
「出来た。のよ。パパの、赤ちゃん。妊娠、四ヶ月、予定日は、三月だって、早ければ、二月。人によって、差が有る。て。」
「うん。・・・分かっていた。けれど、・・・何か、どきどきして、来たよ。・・・大人気なく。ハハハ。・・・俺も歳。だな。こんな事で、どきどきする。なんて、でも、良かった。皆一緒で。リエが、どうだか、心配、だな。」真田は、嬉しそうに。言った。
「あ。・・・お母さんに、電話した。・・・」
「うん。した。よ。病院から。」リリリ。電話が鳴った。真田が出た。
「もしもし。真田です。・・・あ。お母さん。・・・はい。はい。そうです。か。はい。分かりました。伝えます。」受話器を置いた。
「リエの、お母さん。から。リエも、妊娠、四ヶ月。だって。ここには、夜遅いから、電話しなかった。て。でも、後から、電話する。て。言っていた、から。電話行くと思う。て。」真田は、受話器を置いた。直ぐに。リリリリ。真田が出た。
「もしもし。真田です。・・・リエ。今。お母さんから、電話有った。ばかり、だよ。・・うん。聞いた。・・・そう。ミナと、変わるから。」
「もしもし。リエ。うん。聞いた。うん。そうよ。・・・私達も、病院に行って来た。うん。四ヶ月。・・・同じだ。ね。一緒で、良かった。ね。・・・何時も一緒、だから。焦らないで、ゆっくりやる。のよ。身体が大事だから。ね。うん。伝えて、おく。じゃーね。」受話器を置いた。
「良かった。皆一緒で。・・・やっぱり、私達は、何時も、一緒なんだ。」
三人は、手を繋いで、喜んでいた。真田も嬉しそうだ。
「よし。明日、お父さん達も、呼んで、お祝いしよう。アメリカの土産話も、有る。し。横浜の、中華街で。・・・連絡、取ってくれ。何時が良いか。明日でも、良いか。」ミナは、母さんに電話して、お父さん達の都合を聞いて、連絡をくれることにした。そして、お母さんから連絡が来るのを待っていた。一時間過ぎた。
リリリリ。電話だ。ミナが出た。
「あ。お母さん。・・・うん。うん。そう。分かった。」お父さん達、明日でも、良い。て。
「おー。そうですか。・・・よし。電話しよう。」真田は、横浜に電話した。夕方六時、九人。予約を取った。そして、虎ノ門に、三時に、集合。決まった。
「夕食。どうしますか。皆。」真田は聞いた。
「え。夕食。パパ。ラーメン食べたい。」
「あ。ラーメン。うー。有った。銀座に。俺は、言った事。無い。けれど、皆が、美味しい。て。言っている。から。其処へ行こう。」
皆で、タクシーで、ラーメン屋へ行った。店の前に止まった。
「うん。此処だ。・・・奥へ入ると、突き当たりの店だ。」下りた。歩いた。
真田が先に入った。あまり広くない。老夫婦でやっていた。
「此処は、ね。シュウマイと春巻きが、美味しい。じゃ。ラーメン、四つ。シュウマイ、二つ。春巻き、二つ。ビール、二本。」
「はい。分かりました。」おばさんが受けた。すると、真田の傍に来た。耳元で、囁いた。真田も、話している。知っている。みたい。
「おまちどうさまー。」次々、運んできた。
「じゃ。ビールを。」真田に、ビールを注いで、上げた。
「あれ。誰も飲まない。の。・・・俺。二本は飲めないから。手伝って、よ。」
「じゃ。一杯。づつ。」真田が注いで上げた。
「美味しい。シュウマイ。・・・春巻き。」
「本当。美味しい。」
「パパ。・・・美味しいところ。ばっかり。知って、いる。」
「うん。・・・此処も、古い。んだよ。」寿司屋と一緒位、でしょう。」
「へー。・・・小さいけど。古風な感じ。」三人は、又、来たい。と言っていた。四人は、食べて、出た。七時だ。虎ノ門に着いた。真田は、風呂掃除をして、お湯を入れた。三人は、コーヒーを入れて、リビングに居た。
「お湯を入れて、ある。」真田も、コーヒーを飲んでいた。
「パパ。今夜は、一人一人ね。・・・でも。三人よ。・・・大丈夫。」三人は、ニヤニヤ。笑っている。真田は、黙って、コーヒーを飲んでいた。
「お前達。先に入って、良いよ。」三人は。二階で着替えてきた。そして、風呂に行った。真田は、一人、ゆっくりしていた。三人は、風呂から、上がってきて、
「パパ。・・・じゃんけん、したの。エリ。エミ、ミナ、の、順よ。」と、言って、二階に上がって行った。真田は、風呂に入った。すっかり疲れている。風呂で、癒されていた。上がって部屋へ、入った。電気を点けた儘、丸裸で、仰向けに成って居た。
「パパ。ー」一人、燃えている。この子達は、皆、餅肌で、抱きがいの、ある。女達だ。真田も、エリとは、暫くぶりだ。覆いかぶさった。びしょびしょ濡れている。二人は、直ぐに頂点に、達した。エリも、今日は、三十分位で、終わった。次が、控えているせいか、早かった。真田はぐったりしていた。時間は、九時だ。エリは、バスタオルを巻いて。出た。少し過ぎて、エミが入って来た。電気は明るく、点けたままだ。丸裸だ。エミの、乳房は、格別に大きい。顔が隠れるくらいだ。真田も仰向けになっていた。エミは覆いかぶさってきた。エミが上で、頑張って居る、真田も気楽に、付き合っていた。すると、エミは、身体を中腰になり、腰を乗せたまま、頂点に達したようだ。真田も、たまらなくなり、一緒に頂点までいった。
エミも、今日は、三十分位で、終わった。真田も、もう駄目だ。ミナとは、直ぐは無理だ。ひとり、頭は、さまよっている。エミは、バスタオルを巻いて出て行った。ぐったりして、真田は、寝たようだ。ミナが入ってきた。真田は、鼾をかいていた。ミナも其の儘にした。ミナも丸裸で、寝ている。電気は、点けたままだ。ミナは、時計を見た。十二時だ。一時間ぐらいしたら、攻めようと、少し寝た。ふっ。と。目を覚ました。二時だ。真田を起こした。真田は、寝ぼけ眼で、起きた。ミナが丸裸で居た。真田は、風呂へ行ってくると。言うので、行った。三十分位で来た。ミナは、仰向けで、待っていた。
「パパ。早くー。」真田は、覆いかぶさった。ミナは、落ち着いていた。静かに、静かに、身体をくねらせ。所為エネルギーをフル活用、している。頭の中で、何かを求めている。真田は、察した。真田も、ゆっくり、何かを求めるように。囁きながら燃えている。一時間位過ぎた。動きが激しくなった。二人は、一緒に頂点に達した。ぐったり、重なり合って、寝た。
次の朝。エリとエミは、八時ごろ起きた。風呂に入って、リビングで休んでいる。二人は、時計を見た。九時を回っていた。
「ミナは、頑張った、みたいね。・・・二人は顔を、見合わせて、いた。」
「あー。」ミナが、起きてきた。
「どうしたの、今頃まで。・・・目が赤く、なっている。わよ。・・・ウサギみたいに。鏡、見たら。」二人は、笑っていた。ミナは。鏡を見に、行った。
「あんた達。・・・もう。・・・でも。頑張っちゃったー。」エミが。
「でしょうー。今、二人で、話していたの。・・・パパは。」
「まだ、寝ている。」ミナも、疲れていた。
「あー。」あくびをしながら、真田が、起きてきた。エリが。
「パパ。大丈夫です。か。・・目が、赤いよ。・・・兎、みたい、に。」
「え。」鏡を見に行った。
「エリ。・・・」真田は、笑った・
「パパ。ハハハ。」三人で、真田を見て、笑っていた。
「朝から。・・・やられたー。」頭をかいて、居た。コーヒーを飲んでいた。四人は、大分疲れたようで、皆リビングで、うとうとしていた。時間は。十二時を回っていた。真田 が起きた。三人は、まだ寝ていた。起こした。
「あー。」背伸びをしている。
「パパ。お昼どうしますか。・・・パンでも買って、きますか。」
「あ。そうだな。・・・今日は、横浜へ行くから、お腹を、減らして置かない。と。」
「じゃ。行ってくる。」三人は、パンを買いに外へ出た。真田も、外の庭に出た。
「あー。」身体を動かしていた。此処、三月から、運動をしていない。体が、固くなっている。感じだ。
「ただいま。」帰ってきた。リビングの、テーブルに広げた。
「パパ。いろいろ有る。よ。・・・好きなの、有る。」
「あ。何でも、良いよ。」
「牛乳も、有る。」皆で、軽く食べていた。食べ終わった。後片付けをして、少し休んだ。三人は、二階に行った。アメリカで買ったものを真田に見せようと、出して、きた。
「パパ。これ、良いでしょう。」それぞれ、買ったものを見せている。
「うん。・・・お前達は、何つけても、似合うよ。・・・」真田は褒めていた。
リリリリリ。
電話だ。ミナが出た。
「もしもし。お母さん。うん。うん。分かった。」
「お母さん達。タクシーで、出るから、直ぐ着く。て。」皆、支度をしに、二階に行った。真田が早かった。リビングに居た。
「ブー。」ブザーが鳴った。真田が出た。
「とうぞ。お入り、ください。」ドアーを開けた。三人も出てきた。
「お邪魔します。」ぞろぞろ、入って来た。
全員揃った。真田は、観光バスに、電話して、マイクロバスを一台、直ぐ来るように頼んだ。
「皆さん、今、マイクロバスが来ますから。・・・ちょっと、待ってください。」
コーヒーを一杯。づつ、飲んで、広い通りに出て、待っていた。直ぐ来た。バスは、横浜へ向かった。バスの中で、話している。
「真田さん、ご苦労様でした。アメリカでは、大変だった。でしょう。」
「うんー。リエは、辛抱強いようだ。から。安心しました。先生達。も、廻りの人達。も。良い人達。ばかりで。リエも、すっかり打ち解けて、いました。し、大丈夫でしょう。」
「そうですか。・・この子達。四人は、手が掛からない子。達。だった、から。リエも、頑張れますよ。」リエのお父さんは、喜んでいた。
「ラスベガスで、楽しかった。そうです。ね。・・・俺達もカジノ、やりたかった。な」
「えー。私は、全部取られちゃった。子供達は。二千万円。取りました。よ。」
「本当。・・・付いている、子供達です。よ。親でも、感心します。」
話し、して居る、うちに、横浜に着いた。皆降りた。真田が先頭で、案内している。
「此処だ。」ドアーを開けた。ボーイが居た。
「いらっしゃいませ」オーナーのおばさんが、来た。案内された。十二人。大きなテーブルだ。
「おー。素晴らしい。店だ。」お父さん達は、見わたして、いた。みんなで座った。ワイン、ビール、紹興酒が先に来た。真田は、とりあえず、ビールを、皆に注いだ。
「じゃ軽く。乾杯。」拍手はしなかった。料理が来た。
「どうぞ、食べて、ください。この場は。私に全部。任せてください。」会計のことを、言った。
「え。そうですか。・・・でも。」お母さん達。は。
「この間、おすし屋さんでも、ご馳走になって。・・・何か、わるい、わ。」
「うん。・・・良い。んです。・・・気にしないで、下さい。」皆で、頂く事にした。
「美味しいです。ね。中華も、いろんな店がある。から。」
「うん。・・・此処は、美味しい。」お父さんたちも、満足だ。
「俺達も、やりたかった。な。カジノ。ラスベガス。ニューヨーク。やっぱり憧れ。だよな。美術、音楽、芸能。音響、照明、スポーツ、世界の全て、一流が、集まっています。から、ね。」すると、お母さん達が。
「又、行きたい。ね。真田さん。」ねだるように、話しかけた。
「そうですね。行きましよう。・・・決まれば、先生に、連絡して、予約、取れます。よ。」
「その時は、宜しくね。」お父さん達も、行きたがって。いる。
話は、尽きなかった。九時ごろ店を出た。虎ノ門に着いて、それぞれ、分かれた。
三人は、虎ノ門に、泊って、明日から、赤坂の店に、行く事にした。
真田も、一晩、一人、づつに、してくれ。と。頼んだ。三人は、納得したようだ。そして、じゃんけんして、決めた。エリ、エミ、ミナの、順だと言う。今夜は、エリだ。皆、風呂に入って、各部屋に戻った。真田とエリは、一緒に、寝た。二人は、静かに、燃えていた。
次の朝。真田は、六時ごろ、起きた。庭へ出て、チェアーに座って、瞑想して、いた。八時ごろ、三人が起きてきた。
「パパ。コーヒー。」ミナが、コーヒーを入れてきた。
「お。有難う。」
「パパ。赤坂。何時に行く。」
「十一時頃、行きましょう。」
「はい。分かりました。」三人は、リビングに居る。真田も、リビングに入った。そして、赤坂に電話した。女将が、待っている。と。言う。皆、少し、休んだ。そして、通りへ出て、タクシーを拾って。赤坂へ行った。女将が、一人で居た。
「おーす。・・・帰ったよ。」
「お帰り、なさい。」
「ただいま。」三人は、座ってお辞儀した。
「お客さんが、待っている、のよ。若いお姉さん達、何時、帰る。んですか。て。電話が掛かってきて、うるさいの。よ。・・・今日から、出られます。か。」
「はい。今日から、お世話になります。」
「良かった。お任せする。わよ。・・・はい。・・これ。電話番号。」と。
メモした、紙を、エミに渡した。二十人ほど、書いてある。
「貴方達が、帰ったら、電話下さい。て。言っていた、から。電話してください。ね。」
「そうですか。分かりました。」エミは、電話かけに、行こうとした。が。真田が。
「お昼食べてからで、良いでしょう。」エミは、そのまま、座った。弁当が来た。
「おー。きた。・・・食べましょう。」皆で、アメリカの話を、しながら、食べていた。
真田は、少し休んで、虎ノ門に帰った。三人は、部屋を片付けて、これからの事など、話して、いた。エミは、メモの紙の、人達に、電話をした。すると。
「エリ。ミナ。・・・ほら。会長。○○会社の。・・・今晩。来てくれる。て。店に。アメリカの話。聞きに。」
「えー。本当。・・・あの会長。凄い。もん。ね。・・・お金持ちで。」
三人は、着物選びを。していた。チーママも、今日は、早く来る。と言う。
「髪は。ここで、する。」
「うん。・・・今からじゃ。間に、合わないよ。・・・お互い、やって、あげましよう。」
三人は、今までの生活に戻り、夜は、料亭の接待。昼は、大学院で勉強。
アトリエの勉強。と。忙しい。お父さん。お母さん達のご機嫌も、取りながら。真田との夜の相手も。三人で、代わる代わる、ご機嫌を、取っている。
真田は、アメリカに、電話した。
私一人、十二月二十七日。日本を出発。一月七日まで滞在したい。と。先生に、交渉したら。OKの、返事をくれた。そして、設計事務所と連絡を取り、板長の家を、見に行ったり、神田の、ビル建設の計画を、進めた。り。忙しく過ごして居た。時も、十月に入り、気候も秋の気配が、少し。づつ、感じる。