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第十話 真田幸介拉致される

すると。誰かが。

「真田代表が居ない。」

「なに。」堀、太田、上田、宮田、須藤、佐藤、山本。全員集まった。堀と太田が。会場に戻った。警備員の人達。意外は、誰も居ない。

「会社の人達は、裏門から。出て、行きましたよ。」警備員の人が言った。掘は。

「なに。裏門。」堀と太田は。ぴん。と。来た。皆の居る所へ。戻った。

「皆。会社に、戻ろう。・・・代表が。さらわれた。みたいだ。」全員会社に戻った。

「皆。今日は、ここへ、泊まり。だ。」三時過ぎだ。上田は。蕎麦屋へ、電話して。カツどん大盛りを。七人前。取った。腹ごしらえ、して、コーヒーを飲みながら、テーブルに座っていた。どうにも、成らない。街は暗くなり。ネオンが、ちらほら。点き始めた。皆、電話器を、見つめている。掘は。

「上田。腹減った。よ。・・・」

「あー。・・・皆。何食う。・・・焼肉定食。ご飯大盛り。」

蕎麦屋へ電話した。少し過ぎて。

「お待ちどうー。」皆、黙り込んで、いる。シーンとしていた。我先に。

「飯が、来た。」何の話も、無い。皆。黙って。食っている。

「お早う。」堀が出て行った。

「あ。姉さん。・・・代表が・・・居ない。んです。」

「え。まだ電気が、点いていた、から。話でもしている。のかな。と思って。待っていた。のよ。・・・どうしたの。」

「それが。・・・拉致された。みたい。なんだ。」

「え。どうする。の。」

「はい。皆で、待っている。ん、だけれど。連絡も、無い。」

「警察に、言ったの。」

「いや。姉さん。警察は。ちょっと。・・・」掘は、説得した。真理は。

「じゃ。何か。食べるもの。買ってきます。」外へ行って。菓子パンを、いっぱい買って来た。

「これ。食べて。・・・それに。出前、取って。」と、五千円。出した。皆は、黙ってもらった。疲れている。

「姉さん。帰って、良いですよ。俺達が。此処に、泊まる。から。」

「えー。お願い。ね。・・・明日、早く、来ます。」姉さんは、帰った。十時過ぎた。上田は。中華食堂に電話した。終わったけれど。作って上げる。と言うので。中華丼大盛りを、七人分。頼んだ。菓子パンは。夜中、腹減った、人は、食べる事に、した。

「お待ちどうさまー。」中華丼が来た。黙り込んでいた。が。

「おー。来た。」黙って。食べている。話も無い。皆、疲れて。寝た。

次の朝。早く起きた。七時だ。顔洗って、コーヒーを飲んでいる。ドアーの。チャイムが鳴った。堀が出た。

「おはよう。」姉さんだ。

「お早う御座います。」

「まだ。連絡。無いの。」

「はい。・・・まだ。」

「これ。作って、来たの。おにぎりを。二十個。」箱に詰めて。持ってきた。

「お。重い。ごっつぁん、です。」部屋へ、持って行った。姉さんも、入った。

「お。おにぎり。・・・いただき、まーす。」むしゃむしゃ食べていた。

「私は。事務員たちが、来るので。失礼します。・・・動きがあったら。連絡ちょうだい。」姉さんは、隣の事務所へ帰った。皆は。スーツを着たまま、寝ていた。寒くは無かった。十時だ。チャイムが鳴った。上田が出た。

「わたし。」入って来た。

「あ。姉さん。・・・まだ何も。」太田も。

「皆。疲れている。みたい。・・・・交代で、泊まった。ら。」

「いや。こんな事。ぐらい。大丈夫です。」

「そう。・・・何か。差し入れ。ましょうか。・・・何が良い。」真理は。出て行った。そして。サンドイッチ。など。いっぱい買って来た。

「食べて、ください。」

「はい。ごっつぁんです。」

リリリリリリ。電話が、鳴った。堀が出た。

「会長だが。代表。居ますか。・・・」何時も、言っている。会長だ。名前は分らない。

「はい。拉致された。見たい。なんです。」

「なに。拉致。」

「はい。まだ。何も連絡が、無い。んです。」

「そうか。分かった。・・・又、電話する。」会長だ。

昼過ぎて。夕方になった。今日も連絡は。無かった。皆、うとうと、寝た。り、起きた。り。落ち着かない。夜になって。寝た。次の朝も。早く起きた。三日目だ。

「どうしようも。ないです。ね。・・・太田。どうする。」堀が言った。

「あー。・・・相手が、分からない。から。動きようも、無い。ね。・・・親分に。どうしますか。連絡。」

「あー。・・・それ。なんだ。・・・初めて、だから。分らん。・・・今日一日。待ってみよう。十一時。か。」玄関のチャイムが鳴った。堀が出た。

「姉さんかな。」ドアーを開けた。

「おーす。」

「あ。代表。・・・無事。でした。かー。・・・おーい。代表が。帰ってきた。ぞー。」

堀が、喜んで入って、来た。皆、起立した。

「良かった。」皆で真田の傍へ。寄って来た。

「あー。心配かけた。な。ごくろう。さん。電話が、出来なくて。」コーヒーを入れてきた。真田は、コーヒーを飲んだ。

「あー。旨い。・・・疲れた。」ソファーに。もたれた。堀が。

「代表。会長と言う人、から。電話が、ありました。・・・又。電話する。て。きりました。この事は、話しました。」

「あー。そうか。・・・電話しなくちゃ。」真田は直ぐ。会長に電話した。

「もしもし。真田です。・・・はい。・・・はい。分りました。」落ち着いたら、会う事にした。取り込んでいる。のが。分っている。ようだ。堀が。

「代表。誰だか。分りました。」

「うん。何も、分らない。名のらない。ん、だよ。・・・逆に。俺に、聞く。んだよ。誰に頼まれた。て。俺は、自分の考えで、遣っている。て。言って。突っぱねた。・・・でも。そればっかり聞いて、くる。誰に頼まれた。か。話せば。直ぐ返す。と。言って。くる。それの・取り合いだ。俺は。絶対喋らなかった。奴らは。痺れを切らして。開放した。んだ。飯は。出してくれた。根競べで。俺は、勝った。んだ。今日は、皆も疲れている。だろう。明日は。十二時出勤で、今日は、解散しよう。俺も疲れた。」

「はい。分りました。・・・あ。姉さんが。心配して、います。」

「あ。分った。電話する。よ。」皆、帰った。真田は、真理に電話した。

「あ。俺だ。今、事務所。・・・あー。居る。よ。」真理は直ぐ来た。

「あんたー。」抱きついて、きた。涙を、浮かべている。

「あ。大丈夫。だよ。・・・負けやしない。よ。家に帰ろう。」真理と二人で。タクシーを拾って帰った。真田は、直ぐ寝た。起きたのは。夜八時だ。

「あー。寝たな。・・・八時か。真理。寿司屋へ、行こう。」

二人は、支度をして。寿司屋へ行った。

「らっしゃい。」親父が、出てきた。カウンターに座った。

「幸ちゃん。例のワイン。取り寄せて、有る。よ。」

「えー。有難う。・・・出してくれ。」スペイン産のワインを出してきた。

「どうぞ。これでしょう。」

「おー。これだ。」真田は、嬉しそうに開けて、飲んだ。真理も飲んだ。

世間話をしながら。十一時頃、まで、飲んでいた。すしを食べて帰った。真田は直ぐ寝た。真理も、真田に添い寝した。セックスは、求めなかった。

朝早く起きた。真田は一人。コーヒーを入れて飲んでいた。真理も起きてきた。

「貴方。何食べる。」

「あー。良いよ。今日は、皆に、十二時ごろ、事務所に、集まる事に、なっている。お前。どうする。私も、電話して、遅れて、行く。」真理は、できるだけ。傍に居たかった。うたた寝しながら。十一時ごろ、目が覚めた。二人は支度をして。家を出た。十二時五分前に。事務所に着いた。真理も事務所に行った。

「おーす。」ドアーを開けた。皆来ていた。立って。

「おーす。お疲れ、さん、です。」真田は。応接室へ行った。皆も来た。コーヒーを入れてきた。

「あ。ここで飲むコーヒーは。旨いな。」皆も飲んでいた。真田が。

「皆。今回は、心配かけて、すまなかった。な。・・・俺も、緊張が、足りなかった。反省する。よ。・・・三十人ぐらい、変な野郎が、居た。のは、分っていた。んだが。拉致されるとは。考えなかった。皆、騒いだ時。二人、寄ってきて、わき腹に。チャカを。突きつけられた。・・・俺が騒げば。乱闘なると、判断した。乱闘になれば、警察の餌食に、なる。し。今後、仕事が、出来なくなる。し、其の儘。従った。んだ。車に乗せられて。中からは外が、見えない。一時間ぐらい、走った。二階建ての。プレハブ小屋だった。

二階の六畳ぐらいの、部屋に、閉じ込められ。た。幹部らしき者が。来て。・・・誰に頼まれた。其の人物の名前。言えば。返す。・・・と。言って、きた。でも俺は、自分の考えで、遣っている。と。言った。・・・相手も嘘だと、言ってきた。俺は嘘じゃ、ない。と。突っ張っていた。それの繰り返しだ。飯は、出前を取ってくれた。食堂の名前は、分らない。二日。立って、又、同じことを、聞いてくる。

俺は、何回聞かれても。同じだ。と。睨めつけた。幹部らしき者と、睨みあいになった。三十分位で。相手は、落ちた。三日目の朝。六時ごろ。相模原の駅に、降ろされた。それで電車で帰ってきた。」

「代表。組織の人間ですか。」

「うん。組織では無い。ようだった。話し方が、違う。・・・その辺の。愚連隊。だな。

若い野郎。ばかりだった。」

「其の幹部。て。野郎は。」

「あー。この野郎は。顔覚えて、居るよ。五、六十歳の。野郎で。粋がって、いた野郎で。組織の野郎。には、見えない。・・・半端な野郎に、見えた。ま。何処かの。息は。関わっている。みたいだ。」

「何人。ぐらいで。」

「うん。一階の様子は、分らなかった。・・・あ。それで。家の、親分には。話さなかった。ろうな。」

「はい。話しません。話そうか。と。迷った。んだ。が。後一日。様子を、見ようか。と。思って。」

「オー。有難う。話さなくて、良かった。・・・堀の判断か。」

「はい。自分が。そうした、ほうが。良いと。判断。しました。」

「うん。これからも、こういう。自体は。度々起こる。と思うが。真田グループの、事件は、自分達で、解決する。・・・相手が組織だと。分った。ら。組織通しに。なる。から。親分に、話さないと。それが筋だ。勝手に事を。大きく、したら。大変な事に。成る。組織は、組織。に任せる。・・・・今回は、真田グループ。だけの、事件だ。・・・判断は、難しい。・・・でも。正解だった。・・・良かった。・・・皆で研究しながら。江戸一家とも。連携を、取って行く。ように。頼む。よ。」

「おーす。」全員。安心したようだ。時間は三時だ。まだ時間が有る。

真田は。

「総会は。終わった事だし。一段落だ。・・・これからは、自分の身の回りを固めるように。若い者を集めて。それに、宅建取引業の資格を。取得したほうが良い。俺もそうだが。全員だ。棚に本がいっぱい有るから。読んでおいたほうが良い。

それから、東京周辺に、各企業が運動場を造る。その土地の斡旋。それに、ゴルフ場開発が進むので。土地の斡旋も有るが。それに係わるトラブルが。発生する。何しろ。五十町部の土地が絡むから。いろんな人物が。紛れ込んでくる。

我々は。経営者側に就く。トラブルを最小限に。抑えなければ成らない。だから、兵隊が居ないと。嘗められるので。若い者を集めて。固めなければ成らない。

金の事は、俺に任してくれ。数の事だから。多い少ないが有る。お互い、損は無いように、気を配る。芸能界も、忙しくなる。と言っていた。又、ここの事務所に泊れるように、部屋を造る。風呂、トイレ、キッチンも造る。

若い者が。泊るので。真理の事務所には。絶対入らないように。指示してくれ。

金融業も、登録制だから。全員登録するように。それから、飲食店、クラブ関係は。家の親分が、仕切っているので。くれぐれも。トラブルを起こさないように。

頼む。よ。それから。近日中に、車を三台買う。これからは、車がないと、動けない。」皆は、車に乗れるなんて。嬉しそうだ。顔を見合わせている。真田は、笹本会長に、電話した。明日。十一時に。伊豆の別荘で会う事に成った。堀達。七人は。それぞれ、自分の担当。役割を確かめながら。明日の、予定を組んでいた。

真田は。皆に、三万円。づつ。手渡した。

「これは、今月分だ。・・・・今度の総会の手当ては。まだ。会社側の連絡が無いので。決まったら直ぐ、出るので。少し、待ってくれ。

それに。ゴルフ会員券と、株券の斡旋と、金融業を重点的に取り組みたいので。自分の周りの、金持ちを、掴んでおいてくれ。必ず儲かる。情報は来週中に集める。」

今後の、計画などを話しているうちに。夕方になった。四時ごろだが、早めに終わり、皆帰った。真田は、仕事が有る。と言って。事務所に残った。真理に電話をした。真理は来た。

「あら。皆は。」

「あー。今、帰ったよ。・・・仕事の様子は。どう。」

「えー。忙しく成る。みたい、よ。事務次官から。電話が入った。の。四百人ぐらい、集めておいて、下さい。って。」

「へえー。凄いね。」

「うん。金、土、日は、二百人で、フル稼働です。着物が、足りなくて。」

「着物なら、母さんに、頼んで、手配して、貰えば良いよ。京都に有る。みたいだ。纏めて安く買える。」

「あ。そうね。」

「それと。ゴルフの会員券、株券の斡旋を。真理の処で。仕切った。ほうが。良いと。思うんだが。どうかね」

「えー。大丈夫。よ。頭の良い子が。居る。から。」

「家の連中の、斡旋したお客も。纏めて、欲しい。んだ。・・・回すから。」

「えー。良いわよ。家の女の子も、お客さんを、探す。て。言っている。わよ」

「おー。そうか。明日。会長と会う。から、情報は。入る。・・・寿司屋へ、行こう。」寿司屋へ電話を入れた。二人は。タクシーを拾って。寿司屋へ行った。

「らっしゃい。」親父が居た。奥のカウンターに座った。

ワインで、乾杯した。

「あー。美味しい。親父。今度、車を買おうか。と、思っている。んだ。これからは、車がないと仕事に、ならない。・・・東京周辺が、仕事場になる。から。」

「へー。幸ちゃんも、偉い。ね。俺なんか。まだ、バイク。だよ。良い。金儲け。見つけた。の。かい。・・・俺にも、教えて、よ。」

「あ。親父。良い話が、ある。よ。・・・来週まで。待って、いて。」

「本当。・・・頼む。よ。」真田は、今後の為に、仄めかして、おいた。二人は寿司を食べて、帰った。風呂を済ませ、コーヒーを飲んで、話していた。真理は。むず、むず、しているようだ。真田が。

「もう。寝よう。か。」真理は、声を弾ませ。

「うん。寝よう。」二人は。ベッドに入った。真理は、今まで、とは違う。どんどん攻めて来る。嬉しさと。楽しさが、交互している。様子だ。年上の女は、姉さん気取りが。セックスに出てくる。感じが、した。夜中まで続いた。

真田は、早く起きた。今日は、清清しく。スッキリ。していた。

「あー。暫く、だな。こんな気持ち。」背伸びして。コーヒーの、準備をしていた。

「あら。起こして、くれれば。良かった。のに。」真理が、コーヒーを入れてきた。

真田は。コーヒーを飲んでから。支度をして。家を出た。八時だ。電車を乗り継いで、タクシーで。別荘に着いた。

「お早う御座います。」真田は。ブザーを押した。会長が、開けて、くれた。

「お。お早う。ご苦労さん。・・・入って。」真田は。応接室へ案内された。大事な話の時は、応接室で遣る。真田は、ソファーに座った。コーヒーが用意して有った。真田はコーヒーを頂いた。

「真田君。今回は。ご苦労さん、だった。・・・大事に、成らず。に。済んだのが。不幸中の、幸いだ。心配したよ。・・・あれで、良かった。開場で乱闘でも、起きたら。今までの苦労が。水の泡に成る所だった。・・・企業も。・・・警察の、餌食になる。所だった。企業も。真田を褒めている。よ。・・・助かった。て。」

「はい。自分は。其の事を。察した。ん、です。・・・だから。奴らの言いなりに。成った。ん、です。」

「うん。流石。・・・真田幸介。其処まで。読んだ。これからは、こう言った。場面に、度々、遭遇する。・・・出くわす。其の時の、判断力が、器量を。左右する。」

「はい。分りました。」真田は。頭を下げた。

「真田君。今回は、大成功。だ。各企業の社長達が。貴方を、褒めているよ。凄い人物が。出てきた。て。・・・良い人。紹介された。て。俺も。褒められました。よ。こんなに褒められたの。何年振り。か。ハハハハ。」会長は。各社の、記した。ノートを開いた。

「報酬が。いっぱい。出ている。ぞ。十五社。・・・内、十社は。シャンシャン総会。五社は、解散総会。十社は。三百万円。づつ。四社は、五百万円。一社は八百万円。

締めて。五千八百万円。・・・どうですか。」袋に入れた。

「はい。自分は。震えて、います。こんなに。」真田は。手に持った。

「うん。まだ有る。よ。明日からは。車が必要だ。とりあえず三台。この金は。各社が、振り分けて払う。そうだ。麻布に有る自動車店。あそこへ、行きな。よ。」

「え。・・・良い。んですか。・・・有難う御座います」真田は、立って。御礼を、言った。俺の考えと。一致していた。心の中で。呟いた。事務所の皆に。胸を張って、報告できる。

「とにかく。明日からは。東京近郊を走り回るから。車が必要。だよ。俺が言った。んだ。だから。会社の経費で。買って上げる。て。・・・これに目を通して。」と。会長は。コピーした書類を出して、真田に渡した。ぎっしりと書いてある。地図も有る。

「これが、各社のゴルフ場開発計画書。だ。・・・一つのゴルフ場が。六十町歩程の土地が必要だそうだ。百は。有るだろう。一つ一つ。決めていけば。大丈夫だ。金は、心配しなくて良い。・・・頼む。よ。」と。書類を渡した。

「はい。分りました。」真田は、書類を受け取った。

「土地が決まれば。工事に取り掛かる。し。会員券の作成に。入る。其の販売の権利を貰う。」と。言って。又、違う書類を。出した。

「これは。株式に。上場する企業の、リストだ。三百は、有るだろう。まだまだ、大手が。子会社を創っては。上場させる仕組みに。なっている。株式は。ゲームだ。損する人が、八割。得する人が、二割。・・・それと。インサイダー取引を、遣る。

上場する前に、買って置く。三ヵ月後には。上場して、三倍になる。直ぐ売る。だから。必ず儲かる。これが仕事だ。金持ち。金を必要とする議員達を、ターゲットだ。普通に株を買ったら。十年以上持って、いない、と、儲けには、絶対ならない。んだよ。・・・それを知らない人が。殆どだ。だから。株には。気をつけろ。って。

それが常識だ。騙されない事。だ。ここに上げた。リストは、ほんの一部だ。

上場前に、連絡が入ってくる。ようになっている。ただ。秘密だ。法律違反。だから。でも、まだ。そんなに厳しくないから。今が、チャンスだ。内密に、これを。売っていけば。真田。様。様。だ。それで、議員を巻き込んで、行けば。法律は、怖くない。

日本の法律は。決めただけで。実行しない。マスコミに騒がれて、法律が動く。これが日本の、良いところだ。それを利用すれば、一攫千金。と言う訳だ。」

淡々と話す会長の話に。真田はじっと、耳を傾けている。真田も、自信がついてきた。・

・・凄い人だ。

「だから、毎週月曜日の朝。俺に、電話をするように。其の情報が、有る。自宅からのほうが、良い。な。八時ごろ。」

「はい。分りました。」

「あ。車の事。今、俺が電話して、あげる。よ。アメ車だ。何が良い。キャデラックが、代表。幹部達は。マーキュリー。ビューイック二台。合計三台。で。良いでしょう。」会長が電話した。

「もしもし。笹本だが。社長。出して。・・・もしもし笹本だが。社長。ね。キャデラック一台。ビューイック一台。マーキュリー一台・・・納車は、何時頃に。なるか。な。ん。ん。ん。そうです。か。頼む。よ。」電話を置いた。

「おー。在庫がある。から。一週間ぐらいで。納車できる。だ。そうだ。」

「有難う御座います。・・・何から何まで。」

「今まで話したことが。真田達の。これからの仕事だ。総会は、来年は、五十社ぐらいになる。よ。・・・・ゴルフ場は、直ぐ始まる。のも、ある。が。各社。十年計画で進めているから。慌てる必要は。無い。取り合え。ず。株で繋いで。ボディーガードは。ま。若い連中の。遊びに、過ぎない。プロダクションは。儲からない。から。配当は少ない。よ。・・・コンパニオンは。どうですか。」

 「はい。おかげさまで。忙しい、らしい、です。忙しくなる。から。四百人。ぐらい。集めて下さい。て。催促が、有ったそう。です。」

「そうか。外交も、動く。な。・・・オリンピックは。ほぼ、決まりそうだから。やっぱり。外交も、忙しくなる。ん、だよ。事務次官と議員は、丁重に、付き合っていた。ほうが、真田君の為に、成る。よ。議員も大臣に、成れる、でしょう。ただ。金、次第、だけれど。ねっ。組の若い者は、何人。」

「はい。四十人です。」

「おー。それは。良い事。ですね。・・・あ。それから。今。渡した書類を。全部、目を通して、置いてくれ。・・・やっぱり。書類も、自宅に置いたほうが。安全。だな。俺と真田君。しか。知らない事。だから。漏れ、ちゃ。不味い。これで本日の、抗議は。終わりだ。・・

真田君。今日の芸者は、この前と違うよ。この置屋は、俺に気を使ってくれて、いる。本当は、慣れた、女のほうが、良い。んだが。な。これも付き合い。だ。・・・どんな女が。来るか。四人。呼んで、いる。」会長は。置屋と料理屋に電話した。五時だ。

六時から、だから。後一時間ある。二人は風呂入って、コーヒーを飲んでいた。

「毎度。ありー。」料理が来た。テーブルに並べた。芸者も来た。

「今晩はー 」

「お。どうぞ、こちらへ。」真田は。リビングへ案内した。会長は、まだ、降りてこない。真田は、コーヒー入れて、くれた。

「有難う。」芸者達は、コーヒーを飲んでいた。会長が下りてきた。

「おー。ご苦労さん。・・・あれ。・・・君は。」一人。知っている。のが、居た。

「はい。初めての人達。だから。私が、付いてきた。の。・・・あら。駄目。」

「いやー。・・・別に。良かった。よ。・・・あなたが来て、くれて。会場は、こっち。ですよ。」会長が先に入った。

「わー。凄い。料理。」

「ここは、皆で、食べられる。の。よ。・・・お酌してやって。」乾杯して、わいわい始まった。芸者達は、宴会場では、食べられないのが、普通である。ここは、食べても飲んでも、良い事に、成っている。但し、乱れては、いけない。だから、先輩が付いてくる。泊りの事も、分っている。宴会は、延々と続いている。芸者達は、泊まることが、分っているので、アルコールは、控えている。ようだ。宴会は、八時ごろまで続いた。会長は、二人連れて、二階に上がった。真田達は、一階の露天風呂付きの部屋へ、入った。

「わー。露天風呂だ。早く。入ろう。」芸者達は、着物を脱いで、さっさと、風呂へ入った。真田も後から入った。三人は、子供のように、はしゃいでいた。風呂から上がり。其の儘ベッドに入った。真田は、二人に振り回されて、満足していた。朝三時まで、続いた。真田は。十時ごろ目が覚めて、朝風呂に入っていた。一人の女が、入って来た。二人は。風呂の中で。昨夜の続きを、していた。十一時だ。真田は。風呂から上がり。支度をして、リビングで、コーヒーを飲んでいた。会長が下りてきた。

「あー。良く寝たー。・・・皆、朝食。どうする。」皆は、お腹一杯だから、いらない。と言う。芸者達も、コーヒーを飲んで。帰った。

「ご馳走さまでしたー」会長と二人だ。

「うん。・・・真田君も、皆に、ご馳走できるように。頑張って、くれ。・・・こう言う遊びは。自分の金で、する、もんじゃ。ない。全部。おごり。だ。世の中は、そんな、もんだ。俺は、結婚もしないし。財産もいらない。酒飲んで。女と遊んで。俺の遣り方を。誰かに教えて。それで良い。・・・だから真田君。俺が居なくても。切り盛りできるように。頑張ってください。・・・幹事長になって。関東一の親分に成って。それを見届けて。死にたいねっ。・・・俺は、畳の上では、死ねない。誰かに、暗殺される。・・・何時も、そう思って、いる。」

「会長。誰か。腕の良い奴。付けますか。」

「あ。有難う。・・・でも。それは必要。無い。俺は、昔から、突っ張って、生きている。から。全て。一人で遣って、きた。独りの方が。気楽だ。真田のお父さんと、同じだ。独りの方が、良い。」

「はい。そう言う。生き方も。有る。ん、ですね。」

「真田。貴方は、違う。・・・人を、集めて。組織を引っ張って。生きて行く。力が。有る。・・・俺は、そう言う人が。羨ましい。尊敬する。よ。」

「はい。頑張ります。」

「うん。先ずは。幹事長になる。ことだ。・・・此の儘。自動車店に、顔を。出しておいた方が良いよ。・・・じゃ。タクシー来たようだ。頑張って。よ。」

「有難うございました。」真田は、タクシーに、乗った。会長は、玄関で、見送った。東京に着いたのは。夕方だ。麻布の自動車店に寄った。

「笹本会長の、紹介で。来た。ん、だが。真田と申します。」

「少々。お待ち、下さい。・・・どうぞ、こちらへ。」応接室へ、案内された。真田は、ソファーに、座っていた。二人。入って来た。社長と部長の、名刺を貰った。

「わざわざ。来て頂いて、有難う御座います。」

「笹本会長には、何時も、お世話になって、おります。お話は、私が、伺っております。商品は。現物が、展示してありますので、ご覧になってください。」と。社長が自ら、案内してくれた。

「おー。」真田は、新車を見るのは、初めて。だ。

「これが、キャデラック。こちらが。マーキュリー。こちらが、ビューイック。この三台は。常時展示してあります。売れ筋。なんです。納車する車は。ターミナルに保管してありますので。丁度現物がありますので。一週間後には、お届け可能です。」

「そうですか。・・・宜しく、お願いします。」

「はい。お客様の。ご住所と、電話番号を。書いて頂きたい。のですが。」真田は、住所を書いた。

「赤坂ですか。・・・近くて・・・」

「あー。これからも、頼みますよ。」

「こちらこそ、御贔屓に。宜しく、お願いします。」

真田は事務所に帰った。皆、まだ居た。

「おーす。」ドアーを開けた。

「お疲れ、さんです。お帰り、なさい。」皆、立って迎えた。

「皆、帰ったかと、思って。急いで来たよ。」真田は、袋から、金を出して。一人、十万円。づつ。手渡した。

「代表。こんなに。貰って。良い。ん、ですか。」皆、びっくりしていた。

「あー。良いよ。・・・後、芸能界から。清算する。と言って。来ている。から。其の時。配る。・・・それから。若い者を集めて、くれ。一応、名簿を作りたい。各自の若い者。として。太田の誰々。宮田の誰々。と言う風に。とりあえず。仕事をしながら。で。良い。部屋を借りられない、奴は。ここに、泊れる。様に。部屋を造るから。管理は、厳しく。頼む。よ 」

「おーす。・・・分りました。」

「これからの仕事は。ゴルフ場に絡む。トラブルの整理だ。とりあえず東京近郊から、始まる。千葉。茨城。埼玉。神奈川。各、地元の組織が、絡んで、くる。それを最小限の。経費で。止めるのが。我々の仕事だ。飽くまでも、喧嘩じゃない、から。勘違い、しないように。この仕事は。組織がらみに成る。恐れが有るので。親分に。話して置く。」

「おーす。」

「じゃ。これから皆で、親分。とこ。顔。出して。銀座の寿司屋へ行く。」真田は。寿司屋へ電話を入れた。親分の事務所(本部)に。寄った。

「おーす。・・・親分居る。」

「はい。・・・居ます。」真田は、一人で入って、行った。皆は、ホールで。待っていた。真田は、十万円。を封筒に、入れて。親分に渡して。戻ってきた。そして。寿司屋へ行った。

「らっしゃい。」親父が居た。奥の部屋へ案内された。とりあえずビールで乾杯。わいわい飲み始めた。真田は、親父に。

「あ。親父。・・・大工さん。紹介してくれない、かな。部屋を造って、欲しい、んだ。」

「大工さん。・・・居ます。よ。」

「うん。事務所を、改装して、欲しい、んですよ。」

「あー。じゃ。行かせます。よ。・・・地図。有れば。」

「あー。しゃ。書くよ。」真田は地図を書いて渡した。

「十時ごろ。行くように。言っておく。よ。」

「あー。良かった。・・・・誰に頼もうかと。」

「私にも、頼んで、くださいよ。・・・協力します。から。」

「そうです。ね。・・・いろいろ頼む。よ。」親父は、機嫌よくしていた。皆は、二時間ぐらい、居て。帰った。まだ、十時だ。真田は、真理を呼んだ。直ぐ来た。

「お。こっちだ。・・・皆。今帰った。よ。」

「え。皆で、居たの。」真理は、お金のこと。ピン。と。きたからだ。

「あー。・・・真理。車、見てきた。よ。・・・三台。」

「え。三台。」

「声が。・・・大きい。」

「でも。びっくり。する。わ。よ。・・・三台も。」

「あ。それもそう。だな。・・・仕事も忙しく成る。みたいで。皆と。そんな話を、していた。んだ。」

「私のほうも。忙しくなる。ね。」

「あ。それから。・・・空いている部屋を、改造るから。真理の事務所とは、防音の壁を、造る。から、大丈夫。だよ。若者が増えるから。近いうちに、工事が始まる。から。うるさいけど。我慢して。」

「うん。良いわ。よ。考えてみたら。勿体、無い。・・・三部屋。出来る。しょう。」

「あ。二部屋と、台所。風呂。洗面所。トイレ。・・二DKって、やつかな。」

「良いです。ね。」

「ま。・・・そんな事。だな。現況は。・・・帰るか。」二人は、飲みながら、食べながら話して、いた。タクシーで帰った。真田は、袋から、出した。

「真理。・・・これ。」

「え。これ。お金。」びっくり、していた。

「いくら。」

「あ。五八〇〇万円。」

「え。どうして。」

「あー。この前の。俺が拉致されて。苦労したの。の。見返りだ。よ。又、転ばぬ先の杖。って。ことだろう。俺を使って。・・・ま。深く、考えるな。生きて行く手段だ。お互いに。大手企業の社長とも、成れば。敵も多い事。は。確かだ。」真田は、何かを、広げて見てた。

「真理。これ。・・・俺の通帳。」

「そうよ。あなたの。よ。・・・振り込んである。でしょう。」

「あ。今、見ている。んだが。・・・えー。一千五百万円。・・・合わせて。

二千六百万円。この金を合わせると。九千万円。悪くは無いな。」真理は、コーヒーを入れてきた。

「でも。始まったばかりで。そんなに。」

「あ。でもさ。先を見越してだろう。今までは、俺の小手調べ、だった。んだろう。・・・今度は、本格的に動く。設備投資って、事でしょう。・・・長いものには、巻かれろ。て。あの七人。も。やる気に、なっている。し。此の儘。突っ走る。しか。ない。真理。さっきも。言った。ろう。深く考える。な。・・頭おかしく。なる。ぞ。」

「そうね。寝よう。」二人は。休んだ。次の日は。大工さんと、打ち合わせをして。十日間で、完成するように頼んだ。そして。十日になった。工事も完成した。朝。九時。皆。集まった。部屋を見に、行った。

「おー。凄い。代表。家族で、住める。よ。」

「あ。良く出来て、いる。ね。・・・今度は、上田。若い連中。ここに入れて。指導を。頼む。よ。・・・整理整頓が、先。かな。着るもの以外。・・・自由に、個人の物を。持ち込まない。事。流し周りは。使ったら。必ず掃除する事。変なものを。作らない事」

「おーす。分りました。」

「お早う御座います。・・・納車に来ました。」真田が、皆が。

「お。車だー。」皆で下へ下りた。

「お。凄い。車だ。車に乗れる。ぞ。」皆、目を合わせて、喜んでいる。

「キャデラック。マーキュリーか。これが。ビューイック。・・・すげえ。」

「皆。乗って見よう。」真田は、キャデラック。太田は。マーキュリー。掘は、ビューイック。それぞれ、皆。好きなのに乗った。真田の脇には、社長が乗った。三台並んで、街に出た。気分爽快だ。皆、嬉しくて、嬉しくて。三十分位。流した。事務所に戻った。

「あ。気分。良いな。・・・代表。」

「こんなに早く、車に乗れる。なんて。夢にも見なかった。よ。」

「俺だって。」皆、顔を見合わせていた。キャデラックは。真田の家に置く。マーキュリーと。ビューイックは、近くの空き地を借りる。そして七月。東京は。お盆に入った。でも、地方巡業は。特に忙しい。親分も、お中元回りで、忙しい。真田も、一緒に就いて、回った。

 そして、毎日。本部に顔を出しては。関東の組織の事などを。聞いたりして、情報集めに、真剣だった。真田グループの、名簿作成も、済んだ。

夏祭りも、終わり。地方巡業も、一段落して。都内の、クラブ。劇場回りが、始まり。ボディーガードも、都内なら。日帰りになる。ので。楽である。真田は、笹本会長と、連絡を取り。指導を仰ぎながら。株式証券の研究に。没頭していた。

真田グループの。面々の。良いところを。紹介しよう。

中でも、掘は、数字に強い。太田は。社会学に強いし、判断力が早い。上田は。読み書きが得意で、習字も、有段者である。宮田、佐藤は。短腹で、手が。早い。須藤、山本は。実力主義で落ち着いている。それぞれ個性が違う。勉強は好きでないが、部活は休んだ事が無い。机の上は苦手のようだ。

上田は事務系が好きだから真田グループの事務長として、適している。今後も任せるつもりだ。真田は、この七人の癖を知っているので、適材適所を、指示している。又、育ちは良かった所為か、のんびり、な、ところが有る。でも、東京で一旗揚げようと、意気込みは有り、度量の大きな連中だ。後を濁さない、くよくよしない。のが、全員の、良いところでもある。

夏も終わり。空が高くなったような感じがする。

真田は、幹部七人に、英国製のスーツを、プレゼントした。そして、若い者達を集めて、パーティーを開いた。百二十人集まった。懇談会式にして、一テーブルに、十人。づつ、真田は、各テーブルを回って。仕事の内容、これからの仕事の事など、話して回った。江戸一家の事は。話さなかった。グループに、落ち着いた者から、選抜しようと考えたからである。 

 パーティーは、二時間ほど続いた。明日から、赤坂の事務所に来るよう。継げて解散した。芸能界も、秋から、年末年始に掛けて忙しくなるので、丁度良かった 。

次の日の朝。真田らが、事務所の入り口に、車三台横付けにしていたら、若い連中が。三十人。来た。昨日の連中だ。

「お早う御座います。」真田も、びっくりした。

「おー。お早う。・・・ここが事務所だ。」皆を案内した。

「上田。若い連中が、来た。ぞ。」上田も、びっくりした。

「こっちへ、入れ。」事務所と、改造した部屋へ入れた。真田が話した。

「お早う。良く来てくれた。歓迎する。ここの事務所は、十人位泊まれる。どうしても部屋を探せないものは、ここに泊っても良い。又、二十四時間。事務所当番が。ある。四人。づつ。交代だ。昨日は、話さなかったが、私は、赤坂に本部がある、

江戸一家と言う、巷では、暴力団。と言う組織に、所属している。真田組の組長でもある。しかし、皆さんは、そちらのほうは、関係なく仕事が、出来る。それは約束する。但し。組織に加盟したいものは、拒まない。徐々に、自分で判断すれば良い事である。そして、真田グループの幹部が、七人居る。それぞれ七組に分けて、その幹部達が、皆さんの長となって、今後の指示を出す。それぞれその長に従って、共に行動して頂きたい。・・・では、幹部を紹介する。

右から。

掘 正。太田 誠。上田 春夫。宮田 博。佐藤 忠志。須藤 力。山本 学。

以上で。わたくし。真田幸介。・・・後から見えた人は。残って聞いてくれ。明日から本格的に、動きたいので。帰る前に自分の所属する、名前を確かめて、帰るように。俺の話は。これで終わり。」

堀達は、机に座って。それぞれ面接して、振り分けた。後から来た人達も。名前だけ記して、全員帰った。真田が。

「ま。何人来る。か。・・・来て見なければ、分らない。」

「何か。全員来そうな感じが、します。」皆は、そう感じている。玄関の横に、新車の外車。三台並べて置いたから。若い連中は、じろじろ見ながら、帰った。皆、二十歳ぐらいだ。

「明日が、楽しみ、だな。・・・とりあえず。地方巡業に、ぶっこんで。ゴルフ場はまだ。本格的に動かないようだから。」

「えー。大丈夫。です。・・・代表。」

次の朝。やはり、大勢、来た。それぞれ七組に別れ。銀座。赤坂。青山。六本木に、

繰り出した。真田は、運転免許証保持者。を。運転手に指名した。二十三才の若者。三人。

ここから。真田グループと真田組が。全開する。

真田は、本部の事務所に毎日行って、親分。幹部達との、交流に心がけた。又、親分の、ボディーガードも、率先して、勤め。自分の顔と名前を、関東の組織に覚えてもらうように。心がけた。そして、笹本会長とは、家をでる前に、電話をかけ。現況や指示を仰いで頂いた。

若い者達には、仕事をしている人。無職の人。様々だ。真田は、其の事には触れず。なるべく事務所に来るよう。仄めかしながら話していた。事務所の食事は、自分達で、作るように。米屋。八百屋。肉屋を決めて、調達するように指示した。

経費は上田に任せた。ゴルフ場の仕事もまだ、軌道に乗らない。株もそこ、そこの。情報は入ってくるが。本格的ではない。真理のほうと。芸能界は、忙しく動いて、いた。季節も寒くなり。十二月に入った。何かと慌しくなった。江戸一家も、年度末の会合が執り行われた。其処で、真田も、相談役に昇格した。正月の親分の接待係りは。真田組が指名された。一日から三日まで。親分の自宅に詰める事に成った。真田は事務所に帰って。正月の担当者を、割り振った。一日目、真田、太田、宮田、若い者五名。二日目、真田、上田、須藤、山本、若い者四名。三日目、真田、掘、佐藤、若い者五名。一月一日。朝七時。事務所に集合してから、八人で行く事に決定。真田組の新年会は、一月五日に決めて、会場を予約した。

真田は、暮れに、真理の親達と会う事にした。そして、三十日に挨拶に行った。元気な親達だった。そして、正月頃。日を改めて、会うことで、帰ってきた。

そして。

※昭和三十三年。一月一日。午前七時。真田組は。新たな気持ちで。活動開始。

全員事務所に集まった。直ぐに親分の自宅に、行った。

「おーす。」皆で挨拶した。担当の者だけ残って。後は帰った。幹部が一人居た。真田達は、幹部の手ほどきを受けながら、指示に従った。十時頃。親分集が。次々と入って来た。真田達は、手際よく、親分の所へ案内していた。皆、一杯飲みながら、世間話をして、十分ぐらいで、帰るようだ。三時頃まで、続いた。

「真田。・・・もう、来ないから。若い連中に、飯。食わせろ。」と。親分が言ったので。八人で、別の部屋は行った。お膳が並べて有った。皆で座って、蓋を開けた。彩りや、豪華さに、びっくりした。正月用のお膳だ。酒、ビール、ブランディー。一杯並べてあった。皆でご馳走になって。五時ごろ帰って。事務所に戻った。コーヒーを飲みながら。少し話をして帰った。二日目。三日目と。同じ事をした。

そして、五日は。真田組の、新年会だ。朝九時頃。幹部達が集まった。十一時からだ。若い者達も来るので。百五十人ぐらいになる。コンパニオンは、真理のところの人達、五十人。歌手、漫才、獅子舞も来る。立食式で、気楽に、和気あいあいに、進行した。三時に終わって、解散。真田ら八人は、事務所に戻った。

「代表。大成功でしたね。・・・若い者達が、喜んでいました。よ。」

「あ。俺の、見たて、だ。」皆で、若い者達の行動を観ていた。真田が。

「とにかく。若い者を。集めない事には。組織に、ならない。皆も、若い連中には、あまり、厳しく、しないように。我々の根性とは、違う。からな。甘やかすと言う、訳じゃなく。手を取って、教えないと。誰も就いてこなくなる。し。・・・ある程度の、小遣いは、くれてやって。よ。そして。抜き出てきた。者だけ、を、徐々に、躾けて、いけば。良い幹部に育つ。今は。昔の遣り方じゃ。駄目だ。

「おーす。分りました。」

「新年早々。順調に進んでいる。し。本日は、解散。」

「おーす。」皆、帰った。車は、隣のビルの、地下駐車場を借りてある。真田は、時計を見た。五時だ。真理に、電話して、親達と寿司屋で、一緒に、食事をしよう。と言った。真理が、親達に連絡をしたら、行くと言うので、予約を入れた。真理は、事務所まで、歩いてきた。二人は、寿司屋へ行った。奥の部屋が。用意してあった。二人は親達が来るまで。箸をつけずに待っていた。真理は、外へ出て、待って、いた。タクシーで来た。親達を連れて入って来た。奥の部屋へ真理は案内した。

「明けまして、おめでとう御座います。」二人並んで、丁寧にお辞儀された。真田も、

「明けましておめでとう御座います」と。挨拶して。対面に座った。

「銀座で、お寿司食べる。なんて。想像もしなかった。ね。・・・母さん。」

「そうね。神田から、出た事、ないです。もの。ね。」

「そうよ。私だって、神田に何でも、有った。し。大学に通うようになってから。よ。そっちこっち歩いたの。」真理も嬉しく、話している。

「俺たちも、この辺りからは、出なかった。よ。」

「真田さん。元々どちら。なんです。か。」

「はい。麻生十番に居て。戦後。神谷町に、引っ越した。んです。」

「えー。良いところに、お住まい。ですね。・・・お父さん。て。お仕事。何を、成されていた。んですか。」

「え。あ。仕事ですか。・・・不動産屋・・・です。」真田は、迷った。

寿司も、運ばれてきた。真理は、真田に、ワインを注いで上げて、いる。

「どうぞ。食べて下さい。」どんどん、聞いてくる。

「それで。お母さんは。何をなさって。」すると真理が。

「お母さん。たら。警察。みたい。に。」

「良い。んだよ。真理。・・・母は。赤坂のホテルの一階で。料亭を、経営しています。今度。招待しますから。来てください。」真田は、落ち着かな、かった。

「そうよ。ね。私が、母に、伝えて、いなかった。から。」真理は、真田に悪いように言った。お母さん達は、美味しそうに食べている。

「でも。このお寿司。美味しい。ね。家のお寿司屋さんと、違うわ。ね。一味。」

「ん。神田は、酢が、少し、きつい、かな。」お父さんが。するとお母さんが。

「そうね。ここは。築地が近い、から、ネタも痛まない、でしょうから。仕込み方が、違うかもね。」真田も、二人に合わせて話していた。真田の親達と、同じ年頃のようだ。九時頃、店を出た。それぞれ分かれた。明日からは、仕事始めだ。ゆっくり休んだ。

次の日。六日。朝、真田は、会長に電話を入れた。

「真田です。明けましておめでとう御座います。」

「あー。おめでとう。今日、会いましょう。先生と事務官。連れて行くよ。赤坂の店で。六時ごろ。」

「はい。分りました。」真田は。九時頃、事務所に行った。

「おーす。」全員居た。若い連中も、次々集まった。真田は、気楽にするよう。若い者達に言った。仕事は、それぞれ連絡を取り、支持を仰いで。段取りをして、いた。真田は、都内の社長に、挨拶に回っていた。夕方には、終わった。運転手に小遣いを渡して。解散した。真田は、赤坂の店に行った。二階の母の部屋へ行った。

「おはようー。」

「あら。おはよう。・・・正月は、大変だった。ようね。親分。とこ。」

「あー。・・・でも。真理の親達と、会った。よ。・・・喜んでいた。よ。」

「そう。良かったわね。・・・・どんな方。」

「うんっ。お袋と同じぐらいで。・・・本屋さんだから。堅いですね。」

「でも。会って、良かった。じゃない。」真田は、嬉しかった。

「今晩。会長が、見えるだろう。」

「そう。みたいね。五名の予約が、入っています。よ。」

「えー。俺が、入っていない。」

「みたいですね。・・・だから、六人よ。ね」

「誰だろう。・・・・」女将さんに。連絡が入った。お客さんが来たようだ。笹本会長である。部屋へ案内した。真田も後から入った。五人テーブルに座っていた。

「明けましておめでとう御座います。」真田は、丁重に頭を下げて、挨拶した。

「お。おめでとう。・・・こっちへ座って。紹介するよ。」会長は、ご機嫌のようだ。会長と真田が、並んで座った。対面に、先生。事務官。社長二人。

「先生と事務官は。分っているから。・・・こちらが。ゴルフ場開発業。社。

A社の社長。B社の社長。・・・・こちらが。真田グループの代表。真田さん。」

「宜しくお願いします。」真田は丁重に。頭を下げて、挨拶した。

「こちらこそ。お世話になります。」社長達も、丁重に頭を下げた。そして、名刺交換した。会長が。

「ま。真田君。これからのゴルフ場建設には、こちらの会社が、殆ど介入する。

何故なら、用地代と工事代。何十億。何百億もの、金が先に、必要となる。

普通の会社じゃ。そんな金は、直ぐには、出ない。それが、この二社なら、対応できる。そして、大一番目に、係る問題は、用地買収のトラブル。金は出した。が、トラブルで長引いて、困る。其のトラブルを、揉めないで。最低限の経費で、解決して貰いたい。それが。真田代表の仕事だ。」会長は、力が、入っている。

「はい。・・・分りました。」真田も真剣に答えた。

「其の経費に係わる、金は。心配しなくて、良い。ここに居る。二人が、責任を持つ。

ただ。金額は、私が決める。支払いも。私を通す。これが約束だ。」

「はいっ。分りました。」

「よって。社長二人と会う時は、必ず私が仲に入る。・・・この仕事は、飽くまでも、成功報酬である事。あまり長引いては、会社に負担が、掛かる。早いほど会社の運営。評判も好くなるし。オープンも早くなる。したがって。皆が良く成る。この仕事は、真田君に掛かっている。そして。ここにおられる。二社の名前と社長の名前は。絶対、殺されても喋らない事。ここに居る人。意外は。誰も知らない。先生と事務官は。身内だから、心配は要らない。約束してくれます。か。」

「はい。充分に。分りました。笹本会長に、面じ、て。約束します。」真田は、頭を深々と下げた。社長達は。真田をじっと見ていた。

「よし。決まった。真田君。有難う。・・・最後の最後は。私が決を。持つ。」

社長達も。ほっ。とした様子だ。なぜならば、笹本会長は、誰に遣らせるとも。話は無かったからである。真田グループと聞いて。代表と会って。確かめたので。一安心したのである。

「会長。真田グループならば。私ども、も。安心して。任せられます。良い方を紹介して頂き。有難う御座います。」

「この辺で、手打ちと、いきましょう。か。笹本会長。お願いします。」会長が。

「皆さん。お手を拝借。よーお。」シャンシャンと、手打ちをした。

宴会の用意が始まった。コンパニオンが十人。真田は会長の脇に。座った。対面に社長二人。会長の脇に先生。真田の脇に事務官。・・・先生が。

「ここにおられる皆々様の、ご繁栄を、祈念しまして、乾杯。」

パチパチパチパチパチ会場は、盛り上がった。事務官も楽しそうだ。真田は、事務官に注いであげている。事務官は。両手で、かしこまって受けていた。真田は、真理のこと。など、話していた。事務官も、任せなさい。と。言ってくれた。先生も楽しそうだ。

笹本会長の、真田に対する意気込みは、半端じゃない。真田も嬉しい。限りである。宴会は、日本舞踊。小唄。演歌。コンパニオンたち。得意の芸を、披露していた。十時ごろまで続いた。会長が立って。出て行った。三十分位で、戻ってきた。今日は、全員、このホテルに泊る事に成った。会長が段取りをした。会長と真田が、残って、コンパニオンとお客さんは、ホテルに行った。・・・真田が。

「会長。相談が、有ります。」

「お。改まって。・・・なに。」

「はい。実は、若い者が、百人。集まった。ん、です。それで遊ばして、おくのも、勿体無いので、クラブでも遣らせようかと。考えている。んです。が。」

「うん。そうか。」

「女は。真理の所に、居る。し。」

「ん。・・・そうか。・・・すると、箱か。赤坂に。うん。明日、探してみる。よ。・・・俺から。夕方、事務所に電話するよ。事務所に居てくれ。」

「はい。お願いします。・・・じゃ。自分は、これで失礼します。」

「あー。じゃ。明日。」二人は分かれた。真田は。赤坂から。タクシーで、寿司屋へ行った。終わろうと、していた。

「お。今日は、遅いじゃないか。」

「うん。今、解散して。お袋。ん、とこ。」

「どうですか。おかあさん。とこは。」親父は、気になっている。ようだ。

「あ。忙しい、らしい。よ。・・・親父、まだ良いかな。真理を呼んで。」

「あ。良いよ。呼んでも。」真田は、真理に、電話を入れた。真理は直ぐ来た。

「今日は、遅い、じゃない。・・・ごめんね。親父さん。」

「あー。良いよ。表。締めちゃう。から。」お客は、誰も居ない。親父も。

「暫くぶりで、一緒に、飲む。か。」親父も、日本酒を出してきた。

「親父さん。今度クラブを、開店する。んです。よ。明日。箱探してくれる。て。」

「え。クラブ。」真理も。

「本当。・・・クラブ。」

「あ。若い者が、夜。暇で。もて余して、いる。から。遊ばしておいて、も。勿体無い。交代制にして。ホステスは。真理。とこ。居るじゃない。

「え。家のー。」

「あ。アルバイトしたい、人は、居ると、思うよ。」

「聞いてみる。けど。」

「居る。よ。お客さんだって。復興が半端じゃない。市場に行けば、分ります。よ。高い魚ほど、売れている。よ。赤坂でクラブ遣る。んなら。良いじゃ、ない。金かけて、綺麗なホステスを。集めて。」

「うん。俺も、そう。考えた。んだ。・・・真理。・・・仕切る。」

「え。私は、夜は駄目です。よ。自分の仕事で、精一杯。です、もの。」

「誰か。頼むか。・・・上田に責任を持たせようかと、考えている。んだが。上田も、女。居た。んじゃ、なかった。かな。」

「その方が、良い、わよ。私のほうも、忙しくなる。し。登録の女の子も。四百人に、なるのよ。派遣。て。形で。まわします。よ。」

「あ。でも、専属の女を、募集するか。・・・考えて居て、くれ。」

「幸ちゃんも。凄いな。お父さん。超える。んじゃ、ない。・・・車。三台。

それも、外車。・・・。」親父は、びっくりして、いる。真田達は、一時間ぐらい、居て、帰った。次の日。真田と真理は、事務所に歩いて行った。九時半に着いた。

「おーす。」

「おーす。」上田と、運転手兼、ボディーガード。三人。が居た。

「どう。若い者は、全員動いて、居る。」

「はい。何時も。三十人ぐらい。残ります。だから、交代で、廻して、います。」

「そうか。・・・三十人。」真田は、それを知りたかった。真田は、運転手達と上田と。世間話をして、有意義に、話していた。お昼になった。真田は、上田に、ラーメンの、出前を頼んだ。四人分。十二時前に、来た。

「お待ちどう。様ー。」四人でラーメンを食べていた。ここのラーメンは、赤坂一。旨い。若い者は、美味しい、美味しい。と。食べていた。食べ終わって。ドアーの外に、器を出させた。若い者は、まだ。美味しい。と、言って、いた。   

リリリリリリ。電話が鳴った。若い者が出た。二時だ。

「代表。電話です。」受話器を持って、きた。真田に変わった。

「もしもし。あ。会長。はい。・・・はい。・・・はい。直ぐ行きます。」

真田は一人で出た。一ツ木通りだから、歩いて行った。笹本会長が、ビルの前に、居た。

「会長。ご苦労さん。です。」真田が、挨拶した。

「お。此処だ。」ビルに入った。一階が駐車場。二階が、店舗だ。ドアーを開けた。

「会長。広い。す。ね。・・・。」

「あー。八〇坪。有る。天井も高いし。ダンスホールだった。らしい。ステージも有る。し。俺の、知っている。人、だ。」

「はい。此処なら。充分です。」

「じゃー今晩。会おう。」

「はい。お願いします。」場所は決まった。そして、夕方、ビルのオーナーと、会長と、近所の料亭で、会った。会長が真田を紹介した。

「真田と申します。お世話になります。」名刺を出した。

「お。真田さん。貴方ですか。・・・噂で知っています。・・・良い男じゃ。無いです。

か。俳優みたいです。よ。」歳は。六十ぐらい。紳士である。

「有難う御座います。宜しくお願いします。」

「あ。笹本さんが、仲介だから、安心です。よ。・・・クラブを造る。て。

良い。です。ね。私も。お邪魔します。よ。・・・金かけて、高級感を出して。綺麗に造って。綺麗な。女の子が、居れば。お客さんは、来ます。よ。・・・今、在る。クラブは。狭い。し。造作も、今一。ですから。」

「はい。其のつもりで、考えています。」

「うん。そう。でしょう。・・・真田さんを、見ている。と。そんな感じが、します。よ。

もし、なんだった。ら。内装屋さん。紹介します。よ。私の友人で。この界隈で、仕事しています。から。何か、合っても、直ぐ来てくれます。し。近代的な造り。で。評判。です。から。使って。ください。」

「はい。自分は、知っている、業者は、居ない。ので、お願いします。」

「そうですか。分りました。明日にでも、事務所に行かせます。何時ごろが、良いですか。」

「はい。十時ごろで。良いです。」

「じゃ。分りました。」

「良かった。じゃない。か。・・・この社長は、此処が、地元だから。世話に成った方が。良い。よ。」

「はい。宜しくお願いします。・・・賃貸料は。いくら。でしょうか。」

「真田君、賃貸料は、私に任せて。」と。会長が言った。

三人は、十時ごろまで。飲んで居た。そして、分かれた。

次の日。事務所に内装屋が、来た。

「内装屋ですが。ごめん下さい。」若い者が、案内してきた。

「あ。どうぞ。」名刺交換した。

「宜しく、お願いします。」真田は、先に言った。

「はい。こちらこそ。宜しく、お願いします。」二人は。早速。方眼紙を出して。

あーでも、ない。こーでも、ない。と。話していた。

真田の希望は、専属バンド。十人位、入れるステージ。客席は、雛壇にする。ボックスは、四人席、○テーブル、十二個。八人席、ソファーで、六個。それに。ビップルーム。十人席。一部屋。満員で、百二十人。会員制。ホステス、八十人。ビップルームは。二階に造る。予約制で、一組。貸切。名刺交換会に使用する。

「私の、希望は、このぐらいかな。超豪華に。東京一の。クラブにしたい。」

「はい。分りました。あの広さなら。充分に、造れます。・・・一週間ぐらいで。

図面と見積もりを出しますので。待っていただきたい。ですが。」

「あーっ。良いですよ。じゃ。一週間後に、来て下さい。待って、います。」

内装屋は、帰った。事務所には、上田と運転手が居た。

「上田。今度、一ツ木通りに、クラブを、造る。よ。・・・若い者が、暇を持て余して居る様だから。毎日。二十人ぐらい、働ける。よ。お客のポーター。注文を受けて。運ぶ。ホステスが、お客から離れると、白ける。から。雑用は。男が、遣る。近代的に。な。又、ボックスを、ホステスに。分割する。要するに、其のボックスは。自分でお客を連れてくる。其のボックスのママ。に。なる。つまり、経営者だ。つまみと飲み物は。店から買う。・・・どう。上田。」

「え。代表。自分の女に、遣らせて下さい。・・・居ます。よ。借りたい。人。」

「あ。どっちにしても。店は。上田に、任せる。よ。一つ決まりだ。」

「はい。分りました。お願いします。」

「あ。そうだ。そうなると。上田も、大変だから。事務員を、増やそう。若い者、事務できる人。三人探してよ。」

「はい。助かります。」次の日から。事務員は。四人になった。一週間が過ぎて

内装屋が図面を持ってきた。

「お。ご苦労さん。どうぞ。」

「はい。失礼します。」図面と見積もりを出した。

「おー。良く、出来ています。ね。」ビップルームは。前方の右上。正面向きだ。他のお客からは、見えない。ステージも充分だ。

「バンドは。十人位だから。この広さで。充分でしょう。ビップルームは。階段有る。けれど。会長達は。エレベーターがないと。・・・付けよう。」

「はい。分りました。」

「処で。・・・予算は。」

「はい。五百万円ぐらい。です。が。今。エレベーターのお話が、出ましたので。

其の分。いくらか。追加と言う事になります。」

「うんー。・・・五百万円。・・・じゃ。エレベーターは。掛かった分だけ払う。として。五百万円で。お願いしますよ。細かい事聞いても。分らないから。後は、専門家に、任せますよ。東京一。のを。」

「はい。分りました。明日から、工事に掛かりますので。一ヶ月間。見ていただけます。か。完成まで。」

「あー。そうか。すると。オープンは。完成してから。一〇日。・・・見たら。大丈夫かな。・・・分った。それでは。契約金。百万円。払うよ。」

「はい。助かります。」内装屋は。領収書を書いて。渡した。直ぐ。取り掛かる。と言って。帰った。真田は、早いのが好きである。

「上田。開店祝いの。準備を。しておいて、くれ。百五十人。分。贈答用品も。」

「はい。分りました。贈答用品は、虎屋の羊羹で、宜しいですか。」

「あ。羊羹。・・・良いね。・・・まだ。一ヶ月ある。からな。」真田は、張り切っている。嬉しそうだ。上田は。ホステス集めに、動き出した。運転手達三人を連れて、銀座、赤坂、六本木を、徹底的に、飲み歩いた。そして、開店日を。決めた。

二月二十五日。オープン。真田は、親分に報告した。親分は。ただのクラブだろうと思って。幹部達にも教えた。上田が、責任者で遣る

「ほー。そうか。頑張れよ。」と。小さなクラブだろうと。軽く、返事した。

そして、二月十五日。完成した。ので。皆で見に行った。親分にも連絡した。

「おー。素晴らしいー。掘、大田、佐藤達は、びっくりした。」

親分達も、駆けつけてくれた。

「おー。真田。何だ、これは。・・・」見て歩いた。広い。

「真田。これは、都内の親分集に、観て、もらおう。一家で。招待状。出す。よ。俺の名前で。」

「はい。有難う御座います。お願いします。親分。オープンが。二月二十五日ですから。一家は。二十三日で。どうでしょうか。」

「あー。良いよ。」と。言って直ぐ、若い衆が、招待状を作って出した。大掛かりになりそうだ。真田も、熱くなった。ホステスは、五十人ほど。確保した。足りない時は、真理のほうから、呼べる。心配は、無かった。

早速、若い者をクラブに集めて、経営シナリオを作成して。上田を責任者にして。若い者の。礼儀指導を、徹底させた。・・・お客を車から店内まで。案内する。ポーター。ドアーを開ける、ドアマン。店内の雑役を、ボーイ。二十人。・・・スタッフ十人。計。三十人。選抜した。正装は。三つ揃いのスーツ。蝶ネクタイ。靴はエナメル。そして、洋食専門のコック長を置いた。ホステス五十人を呼んで。若い者と合同で、礼儀指導をした。そのときは。真田と幹部七人も参加した。三日間。徹底的に、指導した。一家のほうは。二十三日に、招待したので。準備を整えた。二十三日は。親分の若い者達が。進行役だ。ご祝儀等は。一家が、全部持って行く。ので、真田組は、タッチしない。ボーイ達。若い者は。協力している。でも。てんてこ舞いだ。十時ごろから。都内の親分集が。ぞろぞろ、かけつけた。  

びっくりして観ていた。江戸一家の親分が。対応してくれた。真田も着きっきり。だ。組織の開店は。一杯だけ飲んで。造りなどを見たら。直ぐ帰る。のが、慣わし。だ。だから、早く終わる。二時頃。終わって、親分達は帰った。

そして。全員。新たに集まった。そして。真田が。

「本日は、皆さんご苦労様でした。これから。皆で、ゆっくり寛いでいただきたい。お互いの顔を覚えながら。赤坂の一流クラブにしたい。ので。ご協力を頂きたい。」挨拶した。そして、上田が。

「私。上田春夫と申します。この店の責任者として。皆さんと一緒に、赤坂一のクラブを目指したいので。ご協力をお願いします。それでは、乾杯をしますので。お互い、グラスの用意を、お願いします。」お互いビールを注いで。上田が。

「クラブ赤坂の発展を祈念致しまして。乾杯。」パチパチパチパチパチ。身内だけの、宴会が始まった。真田は。ホステス達と、握手しながら、気楽に、冗談を飛ばしながら。笑って、話して、いた。・・・インテリーで。気さくで。良い男で。・・・ホステスたちの評判は。良かった。若い者。達も、代表の事を、尊敬して。慕っている。皆で、和気藹々と、過ごした。六時頃解散した。

二十五日。「クラブ赤坂」を。オープン。三時ごろから招待者が、ぽつぽつ来た。一般客。約三百人。真理たちも。三十人出て、華を添えた。ビルのオーナーも来た。笹本会長も来て、直ぐ帰った。議員の先生が、友人三十人。連れてきた。事務官も、部下と友人。二十人連れてきた。各企業の。会長、社長。大勢来てくれた。真田は、ビップルームで、接待していた。一般客も、飲み放題に、なっている。ので。入り口まで並んでいた。八時まで、続いた。大成功だ。真田も、忙しく動いていた。

そして、一か月が過ぎた

店の営業も、順調に繁盛して、いる。芸能界も、真理のほうも、順調のようだ。笹本会長が、クラブに来る。と言うので、真田は、店で待っていた。七時ごろ来た。真田は、ビップルームに、案内した。会長と二人だ。

「真田君。クラブのほうは、どうですか。」

「はい。お蔭様で、順調です。」会長は、鞄から書類を出しながら。

「そうですか。それは良かった。・・・もう四月だ。・・・ゴルフ場開発が、本格的に始まるよ。・・・五件分。だ。」真田は、書類を渡された。

「其の会社の。社長と、連絡を取りながら、上手く遣って。くれ。」

「はい。分りました。有難う御座います。」真田は、深々と、頭を下げた。

「それに。総会。だが。今年は、五十社だ。真田君の評判が、良くて。ね。今から、頭に置いて。準備を頼む。よ。」

「はい。分りました。」飲み物。つまみ。一杯運ばれてきた。

「仕事の話は、此処まで。良い店。だね。ビップルーム。エレベーターから、直通だし。他の客と会わない。し。ステージも。近くて、ハッキリ見える。上手く考えた。ね。」

「はい。この部屋は、会員制。にして、社長達の、名刺交換会を。行なって。います。

芸能人達も、この部屋に顔を、出して、世間話。やら、株の話。をして、います。」

「ほ。それは、名案だ。株が動く。よ。勿論。真田グループが。仲介でしょう。」

「はい。そのように、考えて居ます。」

「そうか。・・・俺は、此処には、来ないように。する。よ。社長達に、気を使わせる。から。」二人は、飲みながら、話している。

「そうですか。・・・」会長が、自分に、気を使って、くれている。のが、感じた。

「うん。・・・逆効果に、なる。・・・俺と、真田君の、付き合いは。誰も、知らない。

今日は、店が、見たくて。ね。来ちゃった。・・・じゃ。・・・帰るよ。」

「はい。有難うございました。」会長は、直ぐ。帰った。店の雰囲気を見に来た。だけだ。

真田グループは。活発に動いていた。スポーツ界。芸能界は。大盛況だ。大手企業も、上昇気流に乗ったように、新会社を設立。競い合って。株式上場。日本経済は、成長期に入る兆しが見えてきた。大和魂が。一丸と成った様だ。又、裏社会では、企業社長。襲撃事件が起きた。マスコミは、暴力団と称し。大きく取り上げた。真田も、緊張感が、過ぎった。しかし、逆に、各企業が、ガードを固めるようになった。真田にすれば、幸運だ。クラブの会員が増え。ビップルームは、予約待ちに。なった。社長達が、真田を頼って、きた。

真田グループは。真田会と、名称を変え。益々、活発化した。組員、三百人。幹部だった、同志は、全員自宅を、持ち。若い者を五、六人。従え、羽振りも、良く。全員アメ車を、乗り回し、パティック。ピアジェ。ピケ。を身に着け、巷では、

インテリーやくざ。知能集団。・・・と称され。経済界。スポーツ界。芸能界。政界。財界。と。関係を広げていった。又、江戸一家は、東侠会。(東京侠愛会)と。名称を改めた。

※昭和四十八年。一月一〇日。十時。東侠会。幹部会が執り行われた。幹部会には、昇格。役員改正が有る。発表は、新年会で行なう。


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