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043、創造神 2(創作文字)。

昨日、色々考えていたせいか、何故かリンよりも先に起きてしまった。

リンに腕枕され、もう片方の手は俺の腰を抱くように、ようは抱き締められている状態。

少し恥ずかしくもあるが、何度も抱き合っているのだ。

もうこの手とこの体温は、心地いいものと認識されている。

それにこれがない朝、リンが先に起きてしまい、抱き締められていない朝は、少しっ少しだけ寂し……いや、寒い。

ちらりとリンを見ると、琥珀色の瞳が閉じられてもカッコいいと分かるキリッとした顔立ち。

こいつの場合は瞳に目力があるので、それがないと少し可愛くも思えてしまう。

こいつはイケメン……赤い顔してキラキラな目でリンを見てる人を何度も見た、それこそ老若男女問わずに。

俺は、そんなイケメンの為に来た聖女、セイジョだ。

なぜ俺なのか、なぜこいつはこんなにも俺を気に入る?

冴えないし、凡人以下の単なる男。

そう、男。

この世界は、男同士でも女同士でも結婚も子供も出来てしまう世界だから、男であることは重要視しないのかもしれないが、こんな男の俺をわざわざこいつの為に呼び寄せたのは、なぜ?

それにヤることに特化したエロ体質。

男同士は、前準備が大変だと知識はある。

穴を拡張したり、濡れないからローション必須との情報は知ってるが、この身体にそれはいらない。

多分、自分で触ってないが、多分というか確実に濡れてる。

こいつとキスするだけで、ひくつき濡れて、何もせずに入るし、聖地以外でも中出しされても平気ってか、中出しされるとイッた直後でももう出ねぇと思っていてもしっかり出る、ある意味すげー身体。

なんか中出しのままだと腹を壊すとかの知識もあったが、それもないし、掻き出したこともない。

ウン○と一緒に出てるのか、あまり気にしてなかった。

あっ、男同士でやるときチン○にウン○付くとか、いらない豊富な知識の片隅にあるが、それもない。

何なんだろうか。

もしかすると、こっちでは男でも濡れる……そんな可能性があるのだろうか、じゃなければ男同士の結婚とかは色々なリスクが高過ぎる。

こいつが起きたら、ちょっと聞いてみよう。

だとすれば、聖女は男じゃないとダメな理由があるはずだ。

なんだろう。

聖女……セイジョ、そういやなんでレンチンで『セイジョ』?

他の自動翻訳はちゃんと漢字変換されるが、『ユウセイシャ』と『セイジョ』だけが、カタカナ。

まるで脳内の漢字変換が間違ってますよ的な。

なら、なんの漢字が入る?

性、清、正、製、精、整、あとはなんかあるかな。

スマホを出したいが、そんなことをしたらこいつが起きてしまうので、脳内だけで探してみる。

女は、所……?あとは出てこない。

ふっと、その中で組み合わせてみた。

子供の時にそんな遊びをしたことを思い出す、誰かとそんな遊びをした記憶がある。

性女、これは女性反対、ある意味オカマ?

清女、清らかな女、巫女とかの感じだな。

正女、正しい女だな、生徒会長的な?

製女、既製品の女、アンドロイド的な?

精女、精……女……精のある女?もしかして、これか?

決めつけないで、他のを考えてみるか。

整女、整った女、それか整形女。

あとのセイは思い付かない、それにジョと組み合わせするには脳内では無理だ、スマホと紙が必要だ。


「今日は早いな」

そんな声に考えていた頭を切り替えて、リンを見ると、朝イチから……あれだ、素敵笑顔が俺を見ていた。

「おっ、おう。なんか起きちまった」

「おはようコウ」

そのまま引き寄せられ、軽くキスされる。

「おう、はよっ」

「難しい顔してたな、考え事か?」

「あー、ちょっと。まだまとまってないけど、ほらあれっレンチンで『セイジョ』ってカタカナだって」

腹這いになり、近くに置いてある着替えのポケットを探りジンケットから、『コウタのバッグ』を出し、その中に入ってるメモ帳とペンを出した、これ直接出るようになんねぇかな、めんどい。

メモ帳に聖女の漢字と、俺が考えたセイジョを書いていく。

「俺の国には、ひらがなとカタカナと漢字の三つの言葉の表記がある、例えば……」

「三つもあるのか、凄いな」

「外人さん、他の国の人も困るってよ。例えば、この三つは聖女のひらがなとカタカナと漢字な訳」

せいじょ、セイジョ、聖女と書いて、指差していく。

「見た目は違っても、三つとも『せいじょ』と読むんだな」

「そう。で、レンチンではこの『セイジョ』って書かれてた。これって、何となくだけど漢字変換する前って感じがするんだよな」

「……かんじへんかんするまえってかんじがする……ややこしいな」

「あっ、すまん。あーそうか、えーっと、どうすっかな」

漢字を知らないやつに、漢字を教えるにはまず先にひらがなを教えないといけない。

「……いっか。大体でいいや。このひらがなのは漢字を知らない子供が書く文字の基本。大人になると大抵の言葉は漢字で書くから、こっちになる」

先にひらがなを指差し、次に漢字を指差す。

隣で頷くのを確認してから、カタカナのセイジョを指差す。

「で、これはよく漢字に直しなさいの時とかに使われる」

カタカナのセイジョを指差す。

一概にそうとは言えないけど、大まかな説明で理解してもらうためには、断言した方が楽だ。

「じゃあ、レンチンでこの字が出たのは」

「今思えば、俺的には漢字変換が間違ってる……気がした」

また感じと言いそうになって、言い直した。

「……コウにとっては、聖女と言われたらこの字だが、これではないと?」

「そう、回転早くて助かるわぁ。んでな、セイジョを他の漢字で考えてたんだ、ちなみにこの先の言葉は俺が考えたやつで実際にはないからな」

先程書いたメモ帳のページを見せて、簡単に考えたせいじょを説明していく。

「…………で、これは精のある女。これが一番しっくり来る」

「この字は?」

精女と書いた下に精液と書いてしまう。

「これは精液、イッた時にチン○から出るやつを表すときに使う漢字」

「へぇ、だから精のある女か。でも女なのか?」

「あーっとな、俺の国?では、男同士でやるときに受ける方、入れられる方が女役って言われてることがある」

「……それはっ」

「っ、気に食わないかもしれないが、俺の世界では男女が基本だから、これは仕方がないと思ってくれ」

少し怒りのような雰囲気に捲し立てたら、リンは息を吐いて落ち着いてくれた。

「すまない。だからそれが当てはまると言いたいんだな」

「そう……なら、セイをこの精にしてジョを他の字で考えてみるか」

「それも出来るならそうしてくれ」

「創作文字だからな、なんでも出来るさ」

精所、精助……精を助ける?スマホで助を検索してみると、助には手伝うとも出た。

「どうした?」

「何だろう、引っ掛かる。そう言えば、ユウセイシャもカタカナだった。これがもし精なら……優れた精のある者……なんか、それっぽーい。んで、こっちが精を手伝うで助にすると、それっぽーい」

「コウ?」

「おっと、すまんよ。えーっとこの助には手伝うとか助けるって意味がある。そう考えた時にお前のもカタカナだったのを思い出して、字を作ってみた。優精者、これは優れた精を持つ者みたいな意味を付けれる、それにセイジョをこの精助にすると、優れた精を持つ者を精で手伝う的な感じに……手伝うみたいになるって思って」

「……だとすると、ランスではその精が必要だと言われているようだな」

「……それだー!!」

お目通し、ありがとうございます。

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