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冬野つぐみのオコシカタ  作者: とは
第一章 木津ヒイラギの起こし方

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しろいばしょで

 ――そこは誰も知らない。

『人』である限り、たどり着けないであろう場所。



 そこは一面の白い場所。

 今日も、歩いてここにたどり着く。

 そこでいつも通り、ここで眠っている人の傍に行く。


 眠っている男の人。

 ずっとずっと眠っている男の人。

 隣に座ってみる。

 今日は腕に触ってみる。


『やめてやめて、もう言わないで』


 声が、聞こえる。

 泣きそうな声でずっとずっと言っている。


『いやだいやだ、もうやめて』


 隣を見る。

 男の人は泣いている。

 かわいそう。

 指で涙を拭いてあげた。


『助けて。どうしてみんな酷いこと言うの?』


 ……みんながひどいこと、言ってるんだ。

 みんなは、この人に意地悪をする人なんだ。


 かわいそう。

 かわいそう。


 だったら。

 ここにいればいい。

 ひどいことをする、みんなはいないよ?


 頭の中で小さな白い姿を思い浮かべ、手のひらに上に向ける。

 小さな小さな白い蝶が手のひらから現れて、男の人の周りをひらひらと飛び回る。


 ひどいこと言わないお友達を作ってみた。

 一人じゃないからさみしくないよ?

 一人はさみしいもの。


 だからここにいれば、いいよ。 

お読みいただきありがとうございます。

次話タイトルは「川の字」

4人以上って何の字になるんでしょうね?

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