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キチガイおっさんに絡まれる!


「女神フィアの加護持ちがいると聞いたがっ!!!」


ギルドに凄い勢いで入ってきた男。そいつは入って早々「匂う……匂うぞ! 神々しい匂いが!!」と言いながら鼻をクンクンさせて辺りを彷徨きはじめる。



(……やべぇ奴が来たもんだ……フィア……行こう)


と話そうとした時。



「あぁあなたさまがぁ~!そうですねっ!!そうなんですねぇ!!!」



と物凄い形相で腕をガシッと掴みすり寄ってきた!!

よく見ると神官みたいな格好をしたおっさんだ、清潔感のある顔立ちをしているが俺は男は趣味じゃない! はっきり言って気持ちわるうぅい!!!


やめろ、何なんだお前っ! と必死に手を振りほどこうとしても全く剥がれない! なんて馬鹿力なんだ!



「あ! あなっ! 貴方様はフィア様をご覧になりましたね!!」



何言ってんだ、コイツ。マヂで頭イカれてるのか? フィア行こうと言おうと追い払いながらフィアを見ると知り合いなのかフィアの顔は困った様な仕方ないといった表情をしている。なんだ? コイツ知り合いなのか? そう考えていると俺が話す間もなく変なおっさんは俺の腕を掴み無理矢理何処かに連れて行く。



「是非! ご覧頂きたい場所がございます~~!!」



おっ! おいっ!! と静止するも引っ張られギルドの外に出ると同じ神官の様な格好のおっさん集団が……


俺はなすすべもなく拉致られ着いた場所は教会の様な建物だった。



コレはヤバい宗教に無理矢理勧誘されるのでは……と俺は冷や汗ダラダラ、フィアはしっかりついてきていて「コレはもう仕方のない事ね」と呟いていた。



「ささっ、中へ入れば分かりますから」



と言われ渋々建物の中へ。中はまさしく教会の様な作りだった。ただ違うのは十字架が飾って有りそうな正面の場所には石像が。



「見てください、彼方を。あのお方こそ我が国が崇拝する最も美しき女神、フィア様です」



その石像は石像故に白い肌をしているが、今隣にいるフィアそのものだった! そんな隣で「あーあ、バレてしまったか」と落胆するフィア。



……つまり、フィアは、女神だと。


「えええぇえぇっっっ!!!!!?? 嘘だっ!? ここにいるんだぞっ!! 完全に人じゃんっ!!」



「なんとっ! 先ほどから感じる異常な迄の神々しいさはすぐそこにいらっしゃるということでしたかっ!我らが敬愛する女神様が!!」



「すまんな、マサキ。隠していて」



驚きキョドる俺の足下で膝を屈して崇拝するかの様におー女神よ! とうるさいおっさん、それを見て憐れむフィア。



「おぉ! 女神よ! ……どうか、どうか私めに触れることを許してはくれないか」



懇願するようにおっさんは手を差しのべて喚いているが俺からしたらフィアはそのおっさんの手に触れて「もうやめてくれないか……ったくどの時代も相変わらずだな……」と言っている。



「おっさん! フィアが困ってるからやめてくれないか」



フロドは言われてハッ! となり慌てて身なりを整えた後俺に向かって深々とお辞儀をする。司祭が深々と被っていた帽子が床に落ちて神々しく光輝く頭皮が俺を照らし少し眩しさを感じていると落ちた帽子に気が付き慌てて被り直しながら謝罪する。



「これはこれは我を忘れて本当にお見苦しいところを……私の名前はフロド、しがない司祭です。貴方のお名前お伺いしてもよろしいでしょうか?」



「あ、あぁ……俺はマサキ」



「女神の寵愛を受けし御方の名はマサキ様と申すのですね。無理矢理越させておいて如何なものかと思いですが、どうか私めの話を聞いていただけると幸いです。『神の目』という力をご存知でしょうか?」



『神の目』と言われ『神眼』をすぐに連想させた。俺が『神眼使い』であることをフロドに話す。



「やはり『神眼』でしたか……『神眼』とは『神の目』の上位互換であり、未来視や邪眼等の目を扱った能力全ての上位互換。この先何万年経ようとも貴方の能力を持つものが産まれることはないでしょう。今貴方が見えている普通の人だと思ってらっしゃる女神様はこの世界の力を統べる者の一人であります。本来ならば共にいることなどあり得ないことなのです。……と、立ち話も失礼でした。奥の部屋でお話させていただいてもいいでしょうか?」



神妙な面持ちで話をしていたフロド。……この状況は異常なのらしい。フィアを見ると「ついていくといい。この世界がわかる」と一言。何だか厄介事に首を突っ込んでいるようだけれども仕方ない、フィア姉様と過ごす為にもついていくことにする。



ーーーーーーー



目の前に飲み物が出され、話の続きがはじまる。



「……マサキ様はこの世界をどこまで知っているでしょうか? この世界には『精霊』と呼ばれる者がいます。その者は目には見えないが私達に力を貸して下さるのです」



そんな話をしているフロドに何処から来たのかふわふわと可愛らしい如何にもな姿の精霊二匹現れてフロドの貴重な髪の毛を引っ張り抜いたりする。フロドは毛を抜かれた痛みを感じたのかポリポリと引っ張られた所を掻く。精霊は俺に向けてシ~ッ!と口元に指を立てて可愛く「内緒だよ」言ってきた。何も気付かぬフロドは続けて話す。



「精霊はこの世界を作りし神がこの世界保つ為に生まれた神の子であり。この世界が枯れる事なく存在できるのは全て精霊のおかげなのです」



クスクスと笑う精霊。チラリとフィアを見ると「いつもの事だ」と言っている。

精霊とはこうゆうものなのだろうか。精霊はこよりを取り出して鼻にコチョコチョ……



「その精霊には種類がありそれぞれにそのものを束ねる長がいる。その存在こそ、精霊神! そう!! 御主のすぐ側にいらっしゃるフィア様が……は………ハブゥッシュンッ!!!」



キャハハーと笑い声を上げて何処かへ行く精霊。フロドから発せられた激しいくしゃみにより大量の唾が飛ぶ。汚い。



「失礼しました。……とにかくですか! その神に愛される貴方様はこの世界で唯一無二の存在なのですよ」



そうなのですか? お姉様と言うような顔でフィアを見るとふふ…ハハハッと笑ったフィアが俺の顔を見てこう言った。



「あぁ、マサキは特別だな。マサキの目は見えすぎて神に触れる事ができている。ただの人として扱われたのは生まれて初めてだったよ」



そういってまた俺に軽くキスをする。俺は少し上を見た状態で固まった様に見えたのだろう、フロドが「どうしたのですか? マサキ様?」と様子を伺っている。そんなフロドの反応を見て今まで白昼堂々、道行く人の目の前でフィアとキスしたところで誰も反応しなかったのは俺にしか見えないのだと今さらながら気がついた。



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