夏休みが始まりました
初めまして、小鳥遊椛と言います。
初めての投稿で少しドキドキしていますが、読者の皆様に少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
誤字などがありましたら、すみません。
ふわりと香るそよ風の匂いが私を包み込んだ。
ゆっくりと目を覚まし、雲ひとつない青空を見上げる。
「きれい」
見上げた空には、一羽の白い鳥がいた。小さな羽を大きく広げて、大空へ羽ばたいていく姿は天使のように美しく、私の目にはその鳥がとても綺麗に映った。
ここは学校。私は教室に一人でいた。
私の学校は今日から夏休みで、ほとんどの生徒が夏休みを満喫している。中には物好きもいて、私を含める多数の生徒がそれぞれの理由や事情でいつもと変わらない格好をして登校してきたけれど、私が目を覚ました頃には私以外の全員が下校していて校内には私一人が残った。
この教室は窓際の席の日当たりがとても良く、窓際の席の競争率はとても高いらしい。運良く私の席は窓際だった。
自分の席に座ってのんびりと読書をしていた私は、開いていた窓から入ってくる心地の良い風と窓から差し込む暖かい日差しに眠気を誘われ、気がつくと眠りについていた。猫の気持ちに共感しつつも、いつまでも寝ているわけにはいかないので、私は机から身を起こした。
持ってきた本を読み終えてしまったので、私は校舎の隣の別館?にある図書室兼図書館へ足を運んだ。
この学校は田舎にある学校にしては敷地が他校よりも広く、校舎も大きい。その上別館まである事から、この学校は地域の人達から金持ちの通う学校と認識されがちだが、この学校は敷地が広いだけの普通の公立高校なのだ。通っているのはごく普通の一般市民で、学校の偏差値も他の学区の高校とあまり変わらない。が、通っている生徒たちの偏差値は他の公立高校とは比べ物にならないくらい高いのだ。多分、私立の名門校に通う生徒たちよりも高いと思う。
このことを知らずに編入、もしくは転校してきた生徒のほとんどは、自主退学していった。
別館の扉を開けると、中から涼しい風が吹いてきた。外が暑くなってきたこともあり、私は図書室に足を踏み入れた。中に入ると、涼しい風がひんやりとした空気に変わっていった。別館の周りに大きな木がたくさん生えていて、それが太陽の光を遮っている。大きな影の中にあるのが、この別館の中が冷え切っている一つの理由。もう一つの理由は、大きな影の中にあるにも関わらず、館内は冷房をつけっぱなしだということ。
私は少し身震いをしながら、館内で唯一陽の光が差し込む席へ向かった。
週一で投稿していこうと思います。
一人でも多くの方に読んでいただけるような作品を目指して頑張ります。