[1]主人公は誰か
※「ひぐらしのなく頃に」及び「魔法少女まどか☆マギカ」のネタバレ注意
多くの物語において、『主人公』の存在は重要である。
逆に言えば、『主人公』を特定することは作品の理解に欠かせない。
ここで言う『主人公』とは、単に物語の視点を提供する者ではなく、
物語の中心となる人物のことである。
例を挙げよう。
「ひぐらしのなく頃に」の『主人公』は古手梨花である。
前原圭一だろう、と反論する能無しもいるかもしれないが、
ループ現象と事態の解決を試みる人物は疑いなく古手梨花である。
前原圭一はあくまで固定された雛見沢への新たな風であり、
それは『主人公』にきっかけや直接的な救いをもたらすかもしれないが、
断じて物語の中心ではない。
「魔法少女まどか☆マギカ」の『主人公』は暁美ほむらである。
こちらもループなどについて考えると同様に理解が得られるだろう。
鹿目まどかはこの物語において、舞台装置的な役割に留まっている。
納得していただけただろうか。
正直言ってこの二つの具体例は最初の一文だけで構わなかった。
それをわざわざ計四文も説明を付け加えたのだから、
これで理解できないようでは痴鈍と言わざるを得ない。
本題に入ろう。
聡明な諸君にはおわかりだろうが、敢えて丁寧に書いておく。
「ご注文はうさぎですか?」(以下「ごちうさ」)の『主人公』は誰か?
ココア(以下全ての「ごちうさ」におけるキャラクター名をカタカナで表す)
と答えた君。
思わず憐れんでしまった。申し訳ない。
一つ助言をしておこう。私の話は君にとって難しすぎるようだから、
これ以上読むのは時間の無駄だろう。
絵本でも読んで理解力を高めることをおすすめする。
正解はチノである。
説明するのも阿呆らしいのだが、最低限の説明はせねばなるまい。
「ごちうさ」を通して最も変化しているのは誰か?
という問いを念頭において「ごちうさ」を読み直してみよう。
アニメでも十分に描かれている。
例えば。チノがティッピーを説得し、青山ブルーマウンテンに正体を打ち明けさせようとするシーン。
例えば。引きこもったココアにチノが自ら歩み寄り、呼びかけるシーン。
例を挙げれば限りがないが、特に象徴的なのは上記のシーンであろう。
ココアの登場により、チノは少しづつ心を開いていく。
安心する匂いが増えた、と呟く場面からもそれは明白である。
ココアという存在が与える影響はチノだけに留まらない。
しかし、ココアが『姉』として振る舞うように、
最も影響を受けているのはチノである。
ちょうど「ひぐらしのなく頃に」における前原圭一と古手梨花の関係、
と言えばわかりやすいだろう。
次回以降の議論においては、今回の話を前提とする。




