目覚め
しっかりと連載できるように頑張りますね!
私は、ある日世界を滅ぼし世界に平和を取り戻す為に生まれた存在…
頭を強く打ったような混濁する意識の中野原の真ん中で目覚めた。
「ここは…」
目覚めると、そこには肌も髪も真っ白な少女が深海のような深い青色の眼でこちらを見つめていた。
「わっ!?君は誰!?」
すると、その少女は小さく首を傾け、何か閃いたように少し跳ねた。
「貴方は魔王から、真の心を取り戻したのですが、その報復としてブラックメテオという広範囲魔法を打たれ私を庇いこのような姿に…」
ん?と思いながら、体を…起こせない。よく見ると、体がない。そこには、白い粒子が集まってきている。
「うわぁああ!?なんだこれは!!」
ジリジリと音を立て、自分の肉体を再構成して行く。程よい血色のある白い肌。
そこに何か違和感のようなものを感じるが、気のせいだろう。
しばらくしても、全然体は戻らないので、彼女と接触を試みる。
「君は一体誰なんだい?ここはどこなんだい?僕は何も覚えていないんだけど」
すると、少ししょんぼりとした顔をした後、キリッとした顔に戻って語り始めた。
「貴方は、名も無き者、何者でもなく、何よりも絶対な者。世界を救う勇者です。私の名前は零、貴方が名づけてくれた名です。そして、ここは聖域と呼ばれる場所で、今我々は平和な日常を送るため人間界へ向かっています。」
と、話終わるか終わらないのかと言う時に突然見上げるような龍が現れた。
その龍が、彼女に襲いかかろうとしていた。
その瞬間、咄嗟に私は彼女を守ろうと龍に拳を出そうとした、が。生憎体がない、しかしその龍は何かに殴られたかのように吹き飛び、私の頭は宙に浮いていた。その何かは、青白い粒子で、ほんのり光っている。
そして、また重力によって地面に叩き落とされる。
痛い!!しかし、彼女を守ることができてよかった。
「そんな姿になってまで私を守らなくてもいいのですよ」
「でも、君を守らないとと思ったんだ。」
彼女は少し笑顔になった、しかし次は少し怒った顔で
「あの龍ぐらいなら私でも十分倒せます、貴方は回復に専念してください」
すると、その瞬間土の壁が現れ、小さな部屋のようになった。
「これなら、貴方も少しはゆっくりできますか?」
と言い、彼女は小さなスキップをして、部屋の外へ出て行った。そして出た後に小さな鼻歌が遠くで聞こえたような気がした。
ここは、聖域という場所と言っていたな。つまり、何か信仰されている対象がいるという事だな。そして、ここは危険な場所だ、という事がさっきはっきりわかった。
そして、彼女は零という名前で私は名がない、と。なぜ名前が無いのだろうか、それは謎だが少々不便だな。
考えるだけ無駄だな、何も分からないと思うと、彼女を守れた安心感からか眠ってしまった…
「俺は世界を破壊しなければならない、それはこの世界を浄化する為に仕方がないのだ布石は敷いた。これでいいんだ、これで。」
「お前らなんて仲間じゃない!!何処へでも行け!!」
「あいつさえ居なければ、あいつさえ!!!!」
不思議な夢だった。私は黒い体で、王座にいた。そして、多くの仲間がいてその仲間はお前はもう主人ではない!ただの偽物だ!!!!という夢だ。
仲間なんてこんな世界でいっぱいいるはずもないのに、不思議な夢だった。まぁ、彼女が何者かは全然分からないが友好的な存在である事は分かる。そして、反射的にあんなに恐ろしい龍に立ち向かうという事は記憶を失う前の私にとって大切な存在だったのだろう。
そして、彼女の事を考えていると土壁がグニャリと曲がり、血みどろになった彼女が笑顔で帰ってきた。
「ご飯の用意をしてきました!」
そして、用意されたものはなんとぶつ切りの肉と、謎のいい匂いの植物?と、鍋のようなものだ。
すると、彼女は何も無いところから火を起こし、それを混ぜ合わせて行く。
「山岳龍の香草焼きです、貴方はあの日からこれが大好物でしたよね」
すると、心地よい香りがないお腹を…ある!?足もあるって当たり前だけど裸なんだけど!?赤面していると、それに彼女も気が付いたのか、少し顔を赤くして、何もない空間から白い服を取り出した。
「霊蚕の服です、貴方記憶が無くなる前にこの服を一生懸命作っていましたね」
と、懐かしそうな顔をして、その服を渡してくれた。
「あ!そっちは見ないですから早く着替えてください!」
と、目を手で隠している。
そして、着替え終わると、土の机がまた何もない空間から生えてきた。
「じゃあご飯を食べようか!」
そう俺が言うと、笑顔で
「そうしましょう!」
と言い、ご飯の時間が始まった。その間に私はこの世界の事などを毎日教えてもらうことにした。
さっき使ったのは魔法という不思議な力である事、これを記憶が治る前の私に教えてもらった事。
聖域にはにはSS級モンスターという最高クラスの危険な生物が闊歩していて、普通の人間は触れることも無く殺される事。
聖域はL級、もしくはLL級モンスターレベルのある一定の区域に一匹いるエリアモンスターが統治している事、そいつを倒すとフィールドモンスターという絶対呼んではいけない超絶危険なモンスターが来る事があるという事を学んだ。そして、そのモンスター達は人間界に近づく程弱体化する事。そして、私達は人間界で安全な暮らしをしたいという事を学んだ。
そして、彼女は最後に私は貴方を守る為に、貴方に尽くす為に生きているから身を安心して預けて欲しいという事を言われた。
そして、話が終わるとベットが何もない空間から…これは空間魔法と呼ばれるものだそうだ、それでベットを取り出した。
そして、部屋を照らすライトという魔法を解除し、再び眠りについた。