第5話 思ってたんと違う!
今日の6時ごろにも投稿します。
二日後は、二人が仕事なので、まあいつも通りに魔法の訓練をした。
ここ数年で、俺の実力は跳ね上がるように強くなった。
俺に足りなかったのは、ズバリ魔法の感覚だった。体が変わってしまったせいで、体が魔法に全く慣れていない、ただそれだけだった。
前世で身につけたイメージ力と膨大な暗記量の魔法は、全て頭に入っていた。
それなら、魔法を使えば使うほど、俺の実力はみるみるうちに上がる。
今本気で魔法をぶっ放せば、まあ前世の8割は出せるんじゃないか? まあ、今は魔力量が桁違いに低すぎて、まともにそんな威力出せないけど。
そう思うと、今の1番の課題は魔力量なのかもな。
「『水刃』っ」
もう、傷一つつかないレベルまで、調整できるようになったんだぜっ! まあ、自慢する相手なんていないんだけどなっ。
よしっ、じゃあ今度は、大きさを変えずに威力だけ下げるようにっ...
「『水刃』っ!」
よぉし、今日はいい感じだ。この調子だと、次のステージまで行くのも、時間の問題だな。
次は、イメージを途切れさせずに、集中する訓練っ!
「『水刃』ー『水刃』ー『水刃』ー『水刃』ー『水刃』ー『水刃』.........
あれっ、そう言えばラナは...あっ!
そこには、窓越しにこっちを少し見つめる、ラナの姿があった。
待って、行っちゃう! せっかく出てきてくれた、のにっ!
「『水刃』『水刃』っ...あっ、やばっ」
ーーガッシャァーーン
し、しまった、気がすんごい散ってしまった...
うーん、これは怒られる、かもっ。
しくったなぁ...
◇
「ラナー、どこにいるのー」
家の中に戻ると、ラナがいない。
不安に思いつつリビングに向かうと、ラナは椅子に座って、静かに本を読んでいた。
その手にある本は、ラナがこの前読んでいた本だった。
「ラナ、ここにいたのか」
「・・・」
やっぱり、何も話してくれない、か。もう慣れてきたといっても、まだまだキツい。
俺の思ってた妹ってもっと"お兄ちゃんっ!"とか、"遊ぼっ!"とか言ってる感じだったんだけど...
「カインさん、どっ、どうしたんです?」
「いや、別に...」
俺の呼び方、"カインさん"だぜ? マジで、悲しくなってくるわ。
まだお兄ちゃんとして、認められてないってことだよな? 全く、不甲斐ねぇぜ。
「ってか、全然進んでないし。もしかして、ちょっと読むの遅い?」
「......まあ、ちょっと」
素っ気ないぃ...
「それじゃあさ、本のーー
「しっ、失礼しますっ」
「えっ、あちょっ」
...やっぱ、嫌われてんのかなぁ。
でも、やっぱり俺の妹はかわええなぁ。もう、自分の気持ちもよく分からんくなってきたわ。
◇
「今日は一緒に遊んでーー
「すみません、今日は」
うーん...
◇
「今日は遊んでくれるよーー
「ごめんなさい、今日も無理、です」
...うーん......
◇
「きっ、今日こそは一緒にーー
「す、すみません」
...いっ、一体どうしたらぁ...!
◇
「......ラナ。ちょっと、いいか」
「・・・」
むっ、無視、かよ。オワッタ。
それにしてもなぁ。
「ラナ、悪いが来てくれないか」
「えっ、えっと...分かり、ました」
父さんと母さんにも、俺と同じような態度を取っている。これでは、全くもって解決の糸口が見つからないっ...。
マジ、いつになったら、俺はラナと遊べるんだよ...
前世の俺のやりたいことランキングを作ったら、絶対にトップ10には入る、"兄弟姉妹と遊ぶこと"。
やっとできると思ったのに、全然できる気配もしないし...ちょっと、思ってたのと違うんですけどっ!




